銅版画制作の日々

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アイム・ノット・ゼア♪6人のボブ・ディラン

2008-05-15 | 映画:ミニシアター

6人のキャストが演じる、それぞれのボブ・ディラン

5月8日、京都シネマにて鑑賞。そういえば、ボブ・ディランは今も健在なのだ!実は私もボブ・ディラン世代?でもファンではなかったが。日本のフォークシンガーにとっては神様のような存在だったので、彼のことを歌にする人が多かったのは、印象深い。

そんな私ですが、何と一度ボブ・ディランのコンサートに友人たちと出かけたことがあります。このころは、もう生ギターを使わずエレキギターで演奏していました。大きな割れる様な音だったことはよく覚えています。友人たちは皆、彼のファンだったので、凄く感動していましたね。「風に吹かれて」は彼の代表作。このときも、この歌を披露していいましたね

 

66歳の今も現役トップミュージシャンであり、詩人。そんなボブ・ディランの生ける伝説を6人の豪華キャストがそれぞれのボブ・ディランの人物像を描き出した、ちょっと抽象的な雰囲気の作品です。

 

 STORY

華麗なるロックンロールスターをケイト・ブランシェットが演じます。

何といっても、女優ケイトが演じるボブ・ディラン像はなかなかさまになっていたこの作品では、ジュードという華麗なるロックン・ロール・スターフォーク・フェスティバルなのにロック観客しちゃ、怒るはずだよね。フォークソング聴きたいファンばかりだから凄いブーイングなのだ。ロンドンでの記者会見ではくだらない質問にへぇ~ってな感じで・・・・。煙に巻いちゃうし。なつかしのビートルズ4人組も登場。そしてそして、ニューヨークの人気モデル、ココ・リヴィングトン(ミシェル・ウィリアムズ)と出会い会話を交わすなど・・・。何か60年代の懐かしい場面がよみがえるよう

とにかく、マスコミに追いかけられ、そのうえにくだらない質問攻めにうんざりそして切れちゃうわけだ。ドラッグの乱用による睡眠不足、誰からも理解されない孤独感は少しづつ彼の肉体と精神を蝕んでいくそして彼はバンドメンバーやココに悪態をつきロックンローラーの最期の結末は・・・・・・。けだるくて、何かに取り付かれたジュードの姿はやっぱりロックンローラーそのものなのかも。

 

65年から66年にかけて、アコースティックからエレクトリックにと華麗に変身した時期  私が観たのはそれから10年後くらいだったと思います。

 

 人気モデル、ココ役 ミシェル・ウィリアムズ

「ブローバック・マウンテン」で共演したヒース・レジャーと結婚したが、別れている。可愛いけど、ちょっと意地悪そう

 

 

 

ボブ・ディランは新進シンガーソングライター&ゴスペルを歌う教会の牧師???

ここではクリスチャン・ベイルが演じます。時は60年代前半、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジを拠点に盛り上がりをみせたプロテスト・フォークの世界に現れたジャック・ロリンズという新人シンガー。彼は女性シンガーソング・ライターのアリス・ファビアン(ジュリアン・ムーア)とともに“新しい時代の声”として中心的存在となっていく。しかしある事件で、理解者から反感を買うことに。その後大衆の前から姿を消す。

約20年後、西海岸のカトリック教会でジャックは“ジョン牧師”と名乗り、キリスト教の伝道活動にいそしんでいた。プロテストフォークは歌わない!というジョンは、信者たちを前に、祈りにも似たゴスペルナンバーを力強く演奏しはじめる。

 

 ジャックとのことを語るアリス。

今でこそ、ゴスペルは広く知られるようになり、ひとつのジャンルとして確立されているけれど。きっかけはこんな素晴らしい教会音楽を世に送り出したフォークシンガー たちが伝承したことクリスチャン・ベイル、歌が上手いので驚き

 

 

リチャード・ギアが西部開拓時代のアウトロー、ビリーを演じます。

ボブ・ディランは66年にバイク事故を起こした後、ニューヨーク近郊の田舎町、ウッド・ストックに身を隠すようにこもり、生活していたそうです。このころにレーコディング音源はのちの75年に「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」として発表された。ビリーがたどり着いた開拓時代の西部の町、リドル(Riddle=「謎なぞ」の意味)はディランの曲中にしばしば登場する“アメリカの神話世界”の象徴となっている。この中に「パット・ギャレットとビリー・ザ・キッド」がある。

ビリーは犬ヘンリーともに町“リドル”の人里離れた一軒の小屋で隠居生活を送っていた。ある日、久しぶりに町に出ると住民たちに退去命令が出され、棲家を追われていた。中には自殺者も出ているという悲惨な状態だったこの黒幕は、町の権力者にして、自分の宿敵でもあるギャレット長官であることを知る。汚職にまみれたギャレットの悪行を声高く非難したビリーは牢獄に入れられる。このことがきっかけで、町民たちは自らの権利を守るために一斉蜂起を開始するビリーは仲間の助けによって脱走果たした。そして新たな旅先へ向かうこと決意し、貨物列車に飛び乗った彼が抱えた古びたギターケースには「ファシストを殺すマシーン」と書かれていた。

 

 

 

ハリウッド・スター/偽りの結婚生活ではヒース・レジャーが新人俳優、ロビーを演じています。

ここではボブ・ディランの私生活に触れています。ボブには彼の人生に大きな影響を与えた二人の女性がいたそうです。彼女たちは、彼の歌詞のモデルとなったと言われています。スージー・ロトロ、(フリーホイーリン・ボブ・ディラン)という彼の有名なアルバムジャケットで、ボブに寄りかかっている女性。そしてサラは65年~77年にかけてディランと結婚した元妻。ディランとの間に4人の子どもがいる。

 

 クレア

 

そんな彼の恋愛をここではロビーという俳優の人生と重ねています。クリスチャン・ベイルが演じたフォーク・シンガーのジャック・コリンズを題材にした映画で、ロビーは主演する。そんな彼がフランス人の美大生クレア(シャルロット・ゲンズブール)と出会い、たちまち恋に落ちてしまい・・・・・。すぐに結婚しかし順調な結婚と思われた結婚生活は・・・?ロビーは俳優として成功を収め、クレアは二人の子育てに追われるにつれ、少しづつ破綻しはじめるふたりの間には感情のすれ違いが多くなってしまう。73年、おりしもベトナム戦争で米軍が撤退したというニュースをテレビで見ていたクレアはロビーとの9年に及んだ偽りの結婚生活に終止符を打つことを決心するロビーの初主演映画「砂の粒」の中でジャックがフォーク・シーンとの訣別をアリスに告げるシーンが写っていた。

 

自らをアルチュール・ランボーと名乗る象徴詩人をベン・ウィショーが演じます。

 

19世紀フランスの象徴詩人として知られるアルチュール・ランボーはときに難解とされるディランの作詞世界に大きな影響を与えたらしい。ベンが演じるランボーは劇中でカメラに向かって語る多くは、65年のディランのインタビューで記者たちに煙を巻くかのように答えたものを引用しているそうだ。

ベンの出番はそんなに多くない。そのかわり、この映画のナレーター的な役割を務める。観客からは見えない“背広姿の男たち”から「何故?プロテスト・ミュージックを書くのをやめたのか?」という質問を受け、アルチュールは、詩人のヴィジョンでモノローグを語り続ける。ーーーーその言葉は“他の5人のディラン”が繰り広げる事件のバックグラウンドを解き明かすためのキーワードでもある。

 

 “ウディ・ガスリー”という名の11歳の黒人少年。

マーカス・カール・フランクリンが、ウディを演じます。

おぉ!ウディ・ガスリーやあ~~。懐かしい名前に・・・・・。そうフォークシンガーなんですよね。ボブは62年にデビューしたんだけど、そのデビュー前の若きディランは、ウディ・ガスリーをはじめとするフォーク・シンガーやロバート・ジョンソンに代表される黒人ブルース・シンガーの歌をコピーして、ソングライティングの技術を学んでいた。アメリカ各地を旅しながら、オリジナルのヴィジョンを模索していた時期だったらしい。

1959年、「ファシストを殺すマシン」と書かれたギターケースを抱えた黒人の少年が貨物列車に飛び乗る先に無賃乗車していたふたりの放浪者に向かい、ウディは自分のこれまでの半生を語り始める。黒人のブルースシンガーのに転がり込んだウディは、「過去の世界ではなく、今の世界のことを歌いなさい」という老母の言葉にショック受け、再び貨物列車で放浪の旅に出る。そんなウディは列車内で強盗団に襲われるあわよく白人女性に助けられ、その家族や友人から“天才ギター少年”と持ち上げられるそのとき、ミネソタ州の鑑別所から一本のが。実はウディ、その鑑別所の脱走者だったのだ過去を背負って生きることが嫌になったウディは、次のステージへ進むために、病床にいた本当のウディ・ガスリーの元を訪れる決意をするのだった。

 

 (解 説) 

「エデンより彼方に」「ベルベット・ゴールドマイン」のトッド・ヘインズ監督が、アメリカ音楽シーンの生ける伝説ボブ・ディランの激動の半生を映画化した音楽伝記ドラマ。ボブ・ディランのさまざまな側面をフィーチャーした6人のディランが登場、それぞれクリスチャン・ベイル、ヒース・レジャー、リチャード・ギアら6人の俳優たちが演じ分ける実験的なスタイルが話題に。同役に女優で唯一キャスティングされたケイト・ブランシェットがヴェネチア国際映画祭で女優賞を獲得するなど賞賛された。
 詩人のランボーに傾倒する青年が男たちにプロテスト・ソングを止めた理由を問われ、詩人らしい言葉で応じていく。ウディ・ガスリーに憧れる黒人少年が放浪の末に一人のブルース・シンガーの家に転がり込むが…。その他、プロテスト・フォークの世界で時代の寵児となる新人シンガー、仕事の成功と裏腹に結婚生活で破綻を迎える映画スター、フォーク・ソングと決別し観客から裏切り者と罵声を浴びるロックスター、田舎で隠遁生活を送るアウトローといった様々な人格のボブ・ディランが登場し、彼の多面性と波乱に富んだ人生が多彩なスタイルで描かれていく。(allcinemaより)

 

60年代~70年代の記憶がうっすら蘇る。ボブ・ディランは日本のフォークシンガーにとっても、崇拝される神様ような存在だった。彼の名をグループ名にしていた“ディランセカンド”、吉田拓郎も彼のことを歌にしていたと思う。そしてこの時代の歌は宗教的、政治的、哲学的な要素を含んだメッセージソングのようだった。これも、ボブ・ディランの大きな影響を受けていると思うのだ。時は流れ、時代は変ってしまい・・・。今ではフォークソングも聴かないけど。この時代に生きた私にとっては、懐かしさを感じる。今まさに、6人の俳優によって、再びボブ・ディランが蘇ったのかも。

 

 

アイム・ノット・ゼア(英語)のサイトです。

 

 

 

 

Comments (4)
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