少年の運命は12人の陪審員に委ねられた。
来年から始まる裁判員制度と同じだ。人の運命を左右する大事なことをもしかしたら、自分が決めることになるかもしれない。それって何かお、恐ろしいものがあるよね。ましてや無罪なのか?有罪なのか?審判するなんて、やっぱり何か凄い重圧感を感じるのだ。
ところでこの作品はリメイク版だそうです。下記にそのことが紹介されています。
ヘンリー・フォンダ主演で知られる法廷劇の傑作、『十二人の怒れる男』(57)が、ロシア映画としてリメイク。緊迫感溢れる展開と計算しつくされた演出、そして個性溢れる12人の陪審員たちによる時代の風潮を色濃く表したディスカッションを、ロシア人監督ならではの解釈で焼き直した。体育館から出られないという密室劇でありながら、ダイナミックなカメラアングルと緊迫感で1秒も飽きさせない。オリジナルへの敬意を忘れず、かつ自らの演出で、現代の社会主義国の現状から日本を含む世界の経済状況も投影させている。監督のニキータ・ミハルコフ。日本では、『太陽に灼かれて』(94)、『シベリアの理髪師』(99)などで知られている。(goo映画より抜粋)
『十二人の怒れる男』←(57年)詳しくはこちらからご覧下さい。
STORY
ロシアのとある裁判所で、センセーショナル殺人事件に結論を下す瞬間が近づいていた。被告人はチェチェンの少年、ロシア軍将校だった義父を殺害した罪で第一級殺人の罪に問われていた。検察は最高刑を求刑。有罪となれば、一生、刑務所で拘束される運命だ。3日間にわたる審議も終了し、市民から選ばれた12人の陪審員による評決を待つばかりとなった。
彼らは改装中の陪審員室代わりに指定された学校の体育館に通されて、全員一致の評決が出るまでの間、も没収されて幽門されるのだ。バスケットボールのゴールや格子の嵌められたピアノといった備品に囲まれた陪審員たち。冷静にことを進めようとする男に促されて、12人の男たちは評決を下すためのテーブルを囲んだ。審議中に聞いた隣人たちによる証言、現場に残された証拠品、さらには午後の予定が差し迫っている男たちの思惑もあって、当初は短時間の話し合いで有罪の結論が出ると思われた。
乱暴なチェチェンの少年が世話になったロシア人の養父を惨殺したーーーそのような図式で簡単に断罪にしようとする空気があり、挙手による投票で、ほぼ有罪に至ると思いきや、陪審員1番がおずおずと有罪に同意できないと言い出した。
陪審員1(セルゲイ・マコヴェツキー)
陪審員1は自信なさげに結論をだすには早すぎるのではないかと疑問を呈し、手を挙げて終わりでいいのか?と男たちに問いただした。話し合うために、再度投票を行おうと提案。その結果、無実を主張するのが、自分ひとりだけであったら有罪に同意すると言い出した。無記名の投票の結果、無実票が2票に増える。新たに無実票を投じたのは穏やかな表情を浮かべる陪審員4(ヴァレンティン・ガフト)だった。ユダヤ人特有の美徳と思慮深さで考え直したことを前置きし、裁判中の弁護士に疑問が湧いたと語る。被告についた弁護士にやる気がなかったと主張。この“転向”をきっかけに、陪審員たちは事件を吟味する中で、次々と自分の過去や経験を語りだし、裁判にのめりこんでいく・・・・・・。
白熱化した審議状態は、喧嘩にまでなることも・・・・・。無罪、有罪を主張する理由も筋道が通っているようにも思えないような?かなり感情的なところもあり。主観的なものの捉え方もあったり・・・・。
さてさて有罪に挙手していた人がだんだんと減っていきます。結局最後はこの陪審員長を務める陪審員2(ニキータ・ミハルコフ)、ただ一人が有罪という審判でした。
ニキータ・ミハルコフ 監督と脚本をしています。
彼が有罪とした理由は、無罪ということになれば、自由にはなるけど、必ず少年を暗殺する人間がいると話す。彼の身を守るには、有罪となって、刑務所にいるほうが安全と言うことだったのだ。なるほど、陪審員長の有罪の意味はそこにあったのだ。
ミハルコフ監督の映画は多民族国家ロシア描き出す構図となっている。
本家ルメット監督作品と違うミハルコフ監督の特徴は、被告の少年の過去により多くにのスポットが当てられているところ。チェチェンでの生活や両親の惨殺といった過去がフラッシュバックの形で何度も描かれているところである。(沼野充義 東京大学・ロシア東欧文学者)
出演: | セルゲイ・マコヴェツキー | 陪審員1 |
ニキータ・ミハルコフ | 陪審員2 | |
セルゲイ・ガルマッシュ | 陪審員3 | |
ヴァレンティン・ガフト | 陪審員4 | |
アレクセイ・ペトレンコ | 陪審員5 | |
ユーリ・ストヤノフ | 陪審員6 | |
セルゲイ・ガザロフ | 陪審員7 | |
ミハイル・イェフレモフ | 陪審員8 | |
アレクセイ・ゴルブノフ | 陪審員9 | |
セルゲイ・アルツィバシェフ | 陪審員10 | |
ヴィクトル・ヴェルズビツキー | 陪審員11 | |
ロマン・マディアノフ | 陪審員12 | |
アレクサンドル・アダバシャン | 廷吏 | |
アプティ・マガマイェフ | ウマル |
監督: | ニキータ・ミハルコフ | |
製作: | ニキータ・ミハルコフ | |
レオニド・ヴェレシュチャギン | ||
脚本: | ニキータ・ミハルコフ | |
ヴラディミル・モイセイェンコ | ||
アレクサンドル・ノヴォトツキイ=ヴラ ソフ |
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撮影: | ヴラディスラフ・オペリヤンツ | |
美術: | ヴィクトル・ペトロフ | |
音楽: |
http://www.12-movie.com/
上映時間 | 160分 |
製作国 | ロシア |
公開情報 | 劇場公開(ヘキサゴン・ピクチャーズ=アニープラネット) |
リメイク版だが、ロシアカラーを上手く出している素晴らしい作品だと思った。それにしても、この手の映画はいっそうを誘うんだよね。でも頑張って最後まで鑑賞しました。
※10月27日、京都シネマにて鑑賞