銅版画制作の日々

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ダイアナの選択:THE LIFE BEFORE HER EYES

2009-05-27 | 映画:ミニシアター


これは現実?それとも夢なのか?

「どっちを殺す?」
彼女の答えが引き金になり、
新しい人生が始まった、はずだった。

最後のドンデン返しに正直驚いた。それまではこの物語を素直に捉えていた。ところが、そうではなかった。ダイアナは本当に存在したの?(物語の中では存在しているのだが)という疑問が湧いてきた。映画は、フィクションやノンフィクションがある。このお話もむろんフィクションなのだが、フィクションの中に現実に存在しない主人公がいたと想像するような感じである。

物語には3人の女性が登場する。


17歳のダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド
アクロス・ザ・ユニバースでの彼女が印象的♪


30代のダイアナ(ユマ・サーマン
キルビルは観ていませんが・・・・。


ダイアナの親友モーリーン(エヴァ・アムリ
女優スーザン・サランドンの娘さんだそうです。

お話

まずは17歳のダイアナ

コネチカット州のスモール・タウン、ブライアー・ヒル。地元のヒルヴュー高校に通うダイアナは17歳の女子高校生。退屈な町の暮らしになじめない彼女の胸には、つねに鬱屈した感情が渦巻いていた。自分の未来への希望は?シングルマザーの母のように、自分もこの町に閉じ込められたまま、一生終わっていくのか?モヤモヤした思いを反抗的な態度にぶつけ、学校ではトラブルメーカーのレッテルを貼られていた。そんな彼女に親友と呼べる存在ができた。

ある春の日、ロッカールームでタバコを吸っていたダイアナに先生が見回りにやって来ると教えてくれたのがクラスメイトのモーリーン。彼女は毎週の礼拝を欠かさない品行方正な少女だった。

MAYAKUのBAININと交際しているダイアナとは違い、同じクラスの男子に片思いを寄せる内気な女の子だった。
二人にはたった一つ共通点があった。ともにシングルマザーの家庭で育ったこと。それ以外は何もないが、2人はたちまち意気投合!何でも打ち明け合う仲になった。

 

綺麗ですよね

夏休み。留守中の家に忍び込み、プールで泳ぐ二人。
だらしないダイアナの交友関係をめぐって、2人の仲が険悪になることも。
しかしモーリーンの歩み寄りによって和解、友情の絆はさらに堅箇になったように思えた。

ところがあることが、2人の運命を狂わせる。あの忌まわしい事件が起こるまでは・・・・。

その日、授業開始の前に女子トイレに入った二人は、いつものように他愛もないおしゃべりに興じていた。話題は、もっぱらお互いのボーイフレンドのこと。
モーリーンは、片思いの彼からデートに誘われたと言って大喜び。
一方、問題の彼と少し前に別れたダイアナは、今は別の男性に思いを寄せていた。相手は先生にすすめられて講演を聞きに行った哲学教授のポール・マクフィーだ。
彼が話した「未来は自分をイメージすることで、現在を前向きに生きられる」その言葉に感銘したダイアナは自分の人生も無限の可能性があることに気づく。何とかポールに連絡を取ることから新しい人生をスタートさせようとしていた。

ところが、耳に遠くの教室から断続的な叫び声が!続いて鳴り響く銃声。発砲しているのは、クラスメイトのマイケル。昨日ダイアナの前で「クラス全員を殺す」と息巻いてた。

 

凍りつく二人の前に、ついに銃を持ったマイケルが姿を現した。「どちらかひとりを殺す。死ぬのはどっちだ?」
残酷な問いかけをしながら、二人に銃口を向けるマイケル。恐怖で金縛りになったダイアナは、「私たちを殺さないで!」と叫ぶモーリーンの叫びを聞いた。咄嗟にモーリーンの手を握るダイアナ。次に選択するのはダイアナの番だった。永遠に感じられる時間が流れる中で、ダイアナは思わずモーリーンの手を離し、「殺さないで」とつぶやく・・・・・。

32歳のダイアナ

ブライアー・ヒルの閑静な住宅街で、ダイアナは大学教授の夫ポール(ブレット・カレン)とともに幸福な家庭を築いていた。小学校に通う娘のエマ(ガブリエル・ブレナン)がひとり。かっての自分に似て反抗的なところがあるエマに、少々手を焼いていたが。それでも子育ては美術教師の仕事と同様に生きがいを感じさせてくれるものだった。


しかし、その充実した日々にあっても、15年前の銃乱射事件の光景はダイアナの心に暗らい影を落としていた。

ジョギングをしていても、料理をしていても、ふと心に浮かんでくるのは、あの17歳の日の“選択”。そして、自分がモーリーンの手を離した一瞬の悪夢を思い返しては、「私には生きる資格がない」と、涙で頬をぬらすのだった。

そんなある日、エマの学校から呼び出しを受けた後、娘を連れて町へ向かったダイアナは、夫が若い女性と連れだって歩いている姿を目撃!呆然として車道に飛び出したダイアナは車にはねられ病院に運ばれる。奇跡的に助かった彼女だが、心に負った傷は大きかった。

自分が生き残ったことへの罪悪感。それを必死に抑え込みながら、ダイアナは理想の人生を築き上げてきたつもりだった。しかし今それが危機にさらされているのだ。

ヒルヴュー高校で銃乱射事件の犠牲者の追悼式が行われた日、ダイアナは過去の自分と真正面から向き合おうとするかのように学校へ向かった。持ってきた花を一輪ずつ、かって学んだ教室にたむけていくダイアナ。次に向かったのは、すべてが終わり、すべてが始まった女子トイレだった。その扉に手をかけた瞬間、鳴り出す携帯電話のベルの音。かけてきたのは、エマの学校の教師だった。エマが行方不明になったというのだ。ダイアナは、森の中へ足を踏み込む。雨の中、必死に娘の姿を探し続ける・・・・・。

2人のダイアナの話が交互に映し出される。印象深いのは、女子トイレでマイケルに銃を向けられる二人のシーンだ。いつもダイアナが選択を迫られるところで、シーンは切れてしまう。一体どうなるのか?と少々ジレンマを起こさせるような感じだ。

結末は見えているとかってに思っていた。普通ならこうなるだろうと・・・・。ところが意外な結末にえぇ~?と。正直混乱した。これが本当の結末?それともダイアナの苦悩を昇華するための理想の結末?分からない

いくつかその結末を解くようなシーンも出てくる。ダイアナの夫が若い女性と歩く姿。ここでダイアナはショックを受ける。ところが、ダイアナが倒れているのを見つけた夫は、実際は誰とも歩いていなかった??彼女の幻覚?そしてダイアナに見えた若い女性は、何と17歳のダイアナなのだ。これは何を記しているのか。

そしてダイアナが高校の追悼式に出かけた際、女性が彼女に聞いたこと。「生存者の方ですか?」との質問に、「いいえ」と答えている。何故?生存者だと答えなかったのか。ひょっとして認めたくなかったのか?ダイアナの罪への逃避となのか。
それともやっぱりダイアナは、あの事件の犠牲者となったからなのか?う~ん(汗)わけがわからなくなる~~~。


墓標に刻まれた名前は、15年後のダイアナの娘と同じ名前、エマ。

そしてふたりのダイアナの大きなギャップにも注目。

あまりにも違うじゃないか!高校生のダイアナと主婦(教師)のダイアナ。

高校生のダイアナ 美貌で周囲をやきもきさせたり、反抗ガンガン。不満いっぱい!

大人になったダイアナ 教師となって、主婦としてもきっちりしている模範的な女性。

何でこんなに変われるのか?努力??のたまものなのか。だけど娘エマの反抗的なところは、やっぱり若き日のダイアナの兆候かも・・・・。

そんなダイアナ、あの15年前の事件で、やっぱり親友を見捨てたのだろうか?良~く考えると彼女の選択はやはり・・・・?だったのかもしれない。意外な方向で終わる結末はそんな彼女が再度リセットをしたいという思いを伝えているのか?鑑賞後、色々考えた。解決出来ぬあのときの彼女の選択をもう一度、選択し直したいと思ったのでは?なんて・・・・・。

それにしても、ふたりのダイアナ、あまりにも違うけど、そんなに違和感感じなかったな。上手く溶け込んでいたと思います。絶妙でした。
それにしても分からないことだらけでした。現在はどれ?未来はどれ?頭の中でグルグル回っていた。ダイアナと一緒に・・・・。

 多感な高校時代に銃乱射事件に遭遇し、犯人に自分の命か親友の命かという過酷な選択を迫られたヒロインのその後の人生を見つめる衝撃のヒューマン・ミステリー。「砂と霧の家」のヴァディム・パールマン監督がローラ・カジシュキーの『春に葬られた光』を映画化。ヒロイン、ダイアナ役には「キル・ビル」のユマ・サーマンと「サーティーン あの頃欲しかった愛のこと」のエヴァン・レイチェル・ウッド。共演に「セイブド!」のエヴァ・アムリ。(allcinemaより抜粋)

 

監督・製作:ヴァディム・パールマン

原作:ローラ・カジシュキー 『春に葬られた光』(ソニーマガジンズ刊)

メディア 映画
上映時間 90分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(デスペラード=日活)
初公開年月 2009/03/14
ジャンル ドラマ/ミステリー
映倫 PG-12
「どっちを殺す?」

オフィシャル・サイト
http://www.lifebeforehereyes.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.cinemacafe.net/official/diana-sentaku/

 

 

 

 

Comments (2)
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