世界でいちばん有名な大統領は、世界でいちばん寂しい人でいた。
ブッシュが、パパを「パピー!」と呼んでいたのが印象的だ。
お分かりのとおり、ジョシュ・ブローリンとジョージ・W・ブッシュ 大統領はあまり似ていません。でも彼はブッシュに近限りなく近づいているって感じ?なんです。そのことをオリバー・ストーン監督はこう話しています。「そっくりさん」ではなく、「似ている感じ」を目指したのだと。特にジョシュにはいくつかの補助具身につけ、似させたという。なるほどそうなんや。その微妙さがいいのかもしれないなと・・・・・。
ということで、このところ、色々な映画で活躍中のジョシュ・ブローリンが今度はあのブッシュ大統領になってスクリーンに登場しました。
ブッシュ政権は、色々な課題を残して終わりました。そしてオバマ政権にチェンジされたわけですが。そんなオバマ大統領に重くのしかかっているのは、ブッシュ大統領が残した大赤字をこの大不況克服するために公共事業の投資を強いられているという厳しい現状。果たしてアメリカはオバマさんによってこの不幸な現状を乗り越えられるのでしょうか?
さてさてアメリカに不幸をもたらしたと言われるジョージ・W・ブッシュの物語がオリバー・ストーン監督が描かれた作品「ブッシュ」についてのレビューを紹介しながら、ブッシュさんの人物像に迫っていきたいと思います。
私もこの作品を観るまでは、ブッシュさんのことはあまり知りませんでした。お父さんが第41代アメリカ大統領ジョージ・H・W・ブッシュだったということは皆さんもご存じだと思います。何と合衆国史上二組しかいない「父子大統領」だったんですね。驚きですよね。
歴史上、親子で大統領に就いたというのは本当に稀なことなのだということも何か凄いんですが・・・・。彼の足跡を見ると、更に驚きます。大統領になるような優秀な人だったわけでもありません。父と同じ名門エール大学に入学していますが、どうもレガシー・ティップという特権で入っているらしく。その後もそのような特権やパパ・ブッシュのコネでハーバード大学入学したり、徴兵逃れをするという、呆れた過去があるようです。仕事も長続きしなかったようで、結局政治家の道を志すことになったようですが。やはりパパ・ブッシュの影響力の傘の下でぬくぬく生きて来たというのが、彼の本来の姿?のようです。しかし彼はパパ・ブッシュの頭を悩ます子供でもありました。与えられた仕事も満足にやり遂げられず、40歳になるまで、酒とパーティに明け暮れるダメ息子。名門一家に居場所がなく、大好きな野球場が唯一の安らぎの場所だったようで、親子関係も上手くいってなかったのも本作で語られています。
STORY
「お前にはあと何回チャンスをやればいいんだ? 優秀な弟を見習え!」
数々の政治家を輩出し、アメリカを代表する名門ブッシュ家。その跡継ぎジョージ・W・ブッシュ(ジョシュ・ブローリン)を、人はW(テキサス訛りで「ダブヤ」)と呼ぶ。
Wの行く手には、いつもパパ・ブッシュの影があった。66年、Wはパパも卒業した名門エール大に入学。アメフトの応援でハメをはずして逮捕されるも、パパの力で釈放。卒業後はパパに仕事をあてがわれるも、根気がなく職を転々。口説いた女に妊娠話も浮上し、パパが揉み消すはめに。「お前は何様だ! ケネディか? お前はブッシュ家の人間だ。それらしくしろ!」
次男に目をかけるパパにとって、Wは家名を汚す不肖の息子だった。Wは「本当にやりたいのは野球の仕事だ」とパパに訴える。野球場のセンターフィールドが唯一、彼の心安らぐ場所だった。「お前にはガッカリさせられっぱなしだ」とパパは失望を隠さない。
「いつかはボクも、パパに認められたい…」
72年、ままならないWは酒に溺れはじめた。ある夜、酔ったWはパパと言い合いになる。「Mr. パーフェクト」とパパに厭味を言うWに対して、パパはハーバード大ビジネススクールのWの合格も自分のコネだったと言いつのった。
77年、そんなWも遂に「家業」を継ぐことを決意。地元テキサスの下院議員選で共和党候補を目指す。ある日、Wはパーティでローラ(エリザベス・バンクス)と出会った。図書館司書の彼女が気に入り、当選したら教育アドバイザーになって欲しいと口説いた。が、選挙戦は散々。
86年、Wの40歳の誕生パーティでパパから祝いの電話が入る。86年の大統領選を目指すパパは、「選挙戦を手伝ってくれ」と声をかけてきた。どうせ弟の代わりだろうとも思うが、歓びがわいてきた。
「本当はパパなんて負けてしまえば良かったんだ…」
88年、Wの策略がハマってパパは大統領選に勝利。でも、Wは一緒に祝う気になれない。「ボクは父の陰にいるだけ。大統領の子供なんて誰も覚えていないんだ」と妻ローラに愚痴を言う。「本当はパパなんて、負けてしまえばよかったんだ…」
4年後、パパの任期は1期で終わり、ビル・クリントンが次期大統領に。「湾岸戦争でフセインに止めを刺していたら、パパは2期目も勝てたのに!」 父を力づけ、弟よりも自分を認めさせたい。フロリダ州知事に立候補する弟と張り合うように、Wはテキサス州知事選に立候補。Wは当選したが、パパは落選した弟を残念がるばかり。「一体いつになったら、ボクを見てくれる?」
「お前が大統領になるのだ――」
そんなあるとき、Wは神の預言を聞いたのだった。「本当は、僕は大統領選に名乗りを挙げたくはない。でも、天の啓示を受けた。お前が、大統領になるのだ――と。アメリカはボクを必要としている」。
そして遂にWは第43代大統領になる。だが世界の運命を変えた9.11同時多発テロが、Wとパパとの関係をも永久に変えてしまうのだった…。
ジョージ・W・ブッシュ大統領を支えるホワイトハウスの面々。輝いておりますね
ブッシュさん
2002年の大統領執務室でに集まった側近との「悪の枢軸」会議から、「イラク開戦」までの政治の舞台裏が縦糸に、66年の名門エール大学友愛会の入会試練から、「神の予言」として大統領選出馬を決意するまでのWの精神的形成に至る過去を横糸に綾なされている。何か軽い乗りでの会議がちょっとどうなの?と思うところも。「悪の枢軸」という言葉を発案した大統領補佐官、こんなのありと怒りとバカげていると感じてしまう。
さて皆さんもテレビで時々登場して見憶えあると思うブッシュさんの側近の方々ですが、以下その主な方たちです。似ているか?どうかチェックしてね。
この方がその大統領補佐官、デヴィッド・フラム氏。
コリン・ハンクス
副大統領 ディック・チェイニー 氏(詳細は名前をクリック)
リチャード・ドレイファス おぉ~懐かしい。映画「ジョーズ」にも出てました。
国防長官 ドナルド・ラムズフェルド 氏(詳細は名前をクリック)
スコット・グレン
国務長官コリン・パウエル 黒人初の国務長官ジェフリー・ライト
国家安全保障問題担当大統領補佐官コンドリーザ・ライス
タンディ・ニュートン
国防副長官 ポール・ウォルフォウィッツ (デニス・ボウトシカリス)
CIA長官 ジョージ・J・テネット
ブルース・マッギル
当初、ブッシュ役にはクリスチャン・ベイルが配役されていた。撮影は2008年5月12日ルイジアナ州、シュリーブポートから始まり、10月17日に全米公開された。
オフィシャル・サイトhttp://www.bush-movie.jp/