銅版画制作の日々

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悪人(2010)

2010-09-21 | 映画:シネコン


なぜ、殺したのか。
なぜ、愛したのか。

ひとつの殺人事件。引き裂かれた家族。誰が本当の“悪人”なのか?

東宝シネマズ二条にて鑑賞。本作で、深津絵里さんがモントリオール映画祭で主演女優賞を獲得。凄いですね。ところで深津さん、もう37歳にもなられていたとは驚きです。いつまでもお若いイメージがあり、、、、。実は深津さんの作品ってあんまり観てません。確か三谷幸喜さん監督作品で一度観ただけかな?


監督はあの「フラガール」の李相日。フラガールは本当に感動作でしたね。今回はまったく違ったティストなので、どんな感じかしらと観る前からわくわくしていました。
悪人というタイトルなので、犯人である主人公が裁かれるような話かななんて思っていたら、予想を覆した作品なので驚きました。加害者と被害者の周囲の人々との絡みもまったくと言っていいほどなくて、、、、。これは意外性のあるものでした。
原作を読んでいたら、少しはわかるところなのでしょうが(笑)まあこれだからえぇ~こんな話だったんだ!と観た時の驚きが味わえるんでしょうね。


主人公清水祐一にはブッキーこと妻夫木聡君。今までのイメージとはがらりと違い、
何と金髪。健全なイメージがお似合いだっただけにちょっとびっくり。

冴えない男というのも何かブッキーさんのキャラではないような、、、、?タイトルの悪人ってのも何かね。でもなかなか見事に汚れ役を演じていました。


紳士服店の販売員、馬込光代 役には、深津絵里さん
孤独な人生を送っていた彼女は、出●い系サイトで祐一と出会うことに、、、、。

2人の孤独な魂が引き寄せられるのだが・・・・。しかし祐一には彼女に話せない秘密があった。実は祐一、とんでもない事を仕出かしていたのだ。

STORY(キネマ旬報より拝借)

土木作業員の清水祐一(妻夫木聡)は、長崎の外れのさびれた漁村で生まれ育ち、恋人も友人もなく、祖父母の面倒をみながら暮らしていた。佐賀の紳士服量販店に勤める馬込光代(深津絵里)は、妹と二人で暮らすアパートと職場の往復だけの退屈な毎日。そんな孤独な魂を抱えた二人が偶然出会い、刹那的な愛にその身を焦がす。だが祐一にはたったひとつ光代に話していない秘密があった。彼は、連日ニュースを賑わせている殺人事件の犯人だったのだ……。数日前、福岡と佐賀の県境、三瀬峠で福岡の保険会社のOL・石橋佳乃(満島ひかり)の絞殺死体が発見された。事件当日の晩に佳乃と会っていた地元の裕福な大学生・増尾圭吾(岡田将生)に容疑がかかり、警察は彼の行方を追う。久留米で理容店を営む佳乃の父・石橋佳男(柄本明)は一人娘の死に直面し、絶望に打ちひしがれる中、佳乃が出●い系サイトに頻繁にアクセスし、複数の男相手に売●まがいの行為をしていたという事実を知らされる。そんな折、増尾が警察に拘束されるが、DNA鑑定から犯人ではないことが判明、やがて新たな容疑者として金髪の男、清水祐一が浮上する。幼い頃母親に捨てられた祐一をわが子同然に育ててきた、祐一の祖母・房枝(樹木希林)は、彼が殺人事件の犯人だと知らされ、連日マスコミに追い立てられていた。一方、警察の追跡を逃れた祐一は光代のもとへ向かい、佳乃を殺めたことを打ち明ける。光代はその事実に衝撃を受けるが、警察に自首するという祐一を光代は引き止める。生まれて初めて人を愛する喜びを知った光代は、祐一と共に絶望的な逃避行へと向かうのであった。やがて地の果てとも思える灯台に逃げ込んだ二人は幸福なひとときを迎えるが、その逃避行が生んだ波紋は被害者の家族、加害者の家族の人生をも飲み込んでいく……。


石橋佳乃役にはあの満島ひかりちゃん。出番は少なかったですが、本作の核心となる人物で登場。ブッキー君に殺されてしまう。


そしてこの人、岡田将生君、かなり人気の若手俳優ですが、今回はかなり軽くて自由気ままなどうにもならない大学生増尾を好演。


事件の発端は増尾が佳乃を道路に置き去りにしたのが、最大の原因。
佳乃は増尾に惚れていたが、、、、。体よくあしらわれてしまう。


被害者石橋佳乃の父佳男役には柄本明

死んだ佳乃の男性遍歴を知って愕然ときた佳男だが、、、、、。殺された娘への辛い思いをどうしてもはらしたいという気持ちは消えることはなかった。


あの時、増尾が佳乃を置き去りにしなければ、殺されることはなかった!
増尾への憤りをぶつける父佳男だった。

連日マスコミに追いかけられる。
加害者の祖母清水房枝役に樹木希林
いやあこの方は本当に凄い女優さんです。いつ見ても見事に演じきるかただと思います。自然な演技です。罪を犯した祐一、でも房枝にとっては天塩にかけて育てた大事な息子だった。

石橋佳乃殺人事件を軸に、加害者そして被害者、それぞれの家族に友人たちの人生が思わぬ方向へと壊れて行く姿を描き出している。大切なものを思う気持ちを持つというのがどれだけ大事なことなのかも教えられる。




もっと早く出会えれば、、、、。出口のない逃避行を続けることになる2人。それでも愛する喜びを知った2人にとっては幸せなのかも。

何処までも、、、、、。

※原作は第1章から第4章まで石橋佳乃を彼女に例えてサブタイトルとしているが、最終章では「私が出会った悪人」となっている。

解説(allcinemaより拝借)

芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーを「涙そうそう」の妻夫木聡と「博士の愛した数式」の深津絵里主演で映画化したヒューマン・ミステリー・ドラマ。長崎の漁村で孤独な人生を送り、ふとしたことから殺人者となってしまった不器用な青年と、そんな男と孤独の中で出会い許されぬ愛に溺れた女が繰り広げる出口のない逃避行の顛末を、事件によって運命を狂わされた被害者、加害者それぞれを取り巻く人々の人間模様とともに綴る。共演は満島ひかり、岡田将生、樹木希林、柄本明。監督は「フラガール」の李相日。

メディア 映画
上映時間 139分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(東宝)
初公開年月 2010/09/11
ジャンル ミステリー/ドラマ
映倫 PG12


体当たりのシーンも必見ですよ。ブッキーファンはどうかな?

オフィシャル・サイト
http://www.akunin.jp/
 
追記:松尾スズキ演じる悪徳商法の販売屋が房枝を脅すシーン、現代の世相を表す印象的なものでした。
 
Comments (6)
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