原題:あなたに私の両目をあげる
京都駅ビルにて、第7回ラテンビート映画祭が開催されています。この映画祭、現在東京、横浜、京都の3ヶ所で行われてます。京都会場では新作17本、旧作11本の上映が行われるそうで。今回は、旧作・2本を鑑賞して来ました。
その1本目がこの作品、「テイク・マイ・アイズ」です。スペインの作品で、内容はDVもの。主人公ピラ―ルが夫アントニオの暴力に耐えられなくなり、取るものとりあえず逃げ出す。
一人息子は可愛い♪
妻ピラールへの愛情が歪んでいます。独占欲の塊とでもいいましょうか。仕事で携帯の電源を切るだけでアントニオは怒り狂うのです。繋がらない苛立ちから携帯をたたき壊す。という異常な愛です。このシーンは後半に映し出されるものです。ピラールが思い余ったのがこういうことなんですね。
冬の夜、ピラールは家から逃げ出した。わずかな手荷物をまとめて、一人息子のフアンを連れて。結婚して9年、夫のアントニオの暴力に忍従してきたが、それはもはや変わらないと彼女は悟ったわけで、、、、、。
結局重逃げ出すのですが。
身を寄せたのは妹のところです。
妹な姉の憔悴しきった姿に驚きます。何とか姉を救わなければ、、、、。
急いで逃げて来た姉は何とスリッパのまま。姉に頼まれ、自宅へ衣類を取りに行きます。タンスの中には姉の怪我の診断書が!夫の暴力で目を失明していたらしいのです。
さて アントニオはすぐにピラールを捜し回ります。彼女のことを愛していると彼は言う。なにものにも代えがたいと。ピラールは俺の太陽だ、あいつは俺に自分の目までくれたんだ!なんて、、、、。
夫アントニオです。ジェイソン・ステイサム似?
『Te doy mis ojos』がスペイン語のタイトル。日本語で「家族の秘密」という意味らしい。これはどの家庭でも見にくい大きな蜘蛛の巣ようなものに主人公ピラールが囚われているというようなニュアンスだそうです。
その後アントニオの熱い希望で一旦戻ることになりますが、幸せな時は一瞬だけ。またアントニオの執拗な愛に振り回され、苦悩に陥ることになります。
アントニオはセラピーで治療を受けていましたが、その効果は良い方向になることはなく、、、、、。以前にも増して、ピラールは苦しめられることになるのです。
アントニオの弟の家に手伝いに行った帰りから、アントニオはまたイライラし始める。とうとう爆発!車の中で2人はぶつかりあう。
その後はアントニオとは反対にピラールは仕事を始めたことで、そのことに生きがいを感じ始めるという人生を見つけ出す。このことが、いっそう2人の間に溝を深めるきっかけとなる。
史跡のガイドの仕事が認められたピラールは、ついにマドリッドへ行くことを決意。
そのことに嫉妬したアントニオは、、、、、。大人げない行動に出ますが。
アントニオがピラールを取り戻したいために、取る行動は何と腕を刃物で切ると叫ぶ行為でした。その行動が何とも情けないなあと思いました。精神的に病んでいる以上やはりピラールとの生活はこの先も暗礁に乗り上げるでしょうね。
映画の詳細はReino de Reineというスペイン語の映画紹介から抜粋
・2004年1月31日発表のゴヤ賞で7部門受賞に輝いた作品だそうです。
最優秀作品賞
最優秀監督賞 イシアル・ボジャイン
最優秀主演女優賞 ライア・マルル
最優秀主演男優賞 ルイス・トサール
最優秀助演女優賞 カンデラ・ペニャ
最優秀オリジナル脚本賞 イシアル・ボジャイン、アリシア・ルナ
最優秀音響賞 Alex F. Capilla、Iñaki Diez、Patrick Ghislain、Pelayo Gutiérrez、Eva Valiño
描写もそんなにハードではないので、観やすい作品だと思います。
出演
Laia Marull ... Pilar ピラール
Luis Tosar ルイス・トサール ... Antonio アントニオ (夫)
Candela Peña カンデラ・ペニャ ... Ana アナ (ピラール妹)
Rosa Maria Sardà ロサ・マリア・サルダ ... Aurora アウローラ (ピラール母)
Nicolás Fernández Luna ニコラス・フェルナンデス・ルナ ... Juan フアン (ピラール息)
David Mooney ... John ジョン (スコットランド人夫)
Kiti Manver キティ・マンベル ... Rosa ロサ (仕事仲間)
Elena Irureta エレナ・イルレタ ... Carmen カルメン (〃)
Sergi Calleja セルジ・カジェハ ... Therapist (DV自助サークルの主宰者)