銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

BIUTIFUL ビューティフル(2010)

2011-07-08 | 映画:シネコン

      “絶望”の中にも必ず“光”は存在する。

東宝シネマズ二条にて鑑賞。

「21グラム」「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督最新作です。今回は群像映画ではなく、一人の男の生きざまに焦点を当てた作品です。

冒頭は白い雪の森の映像が映し出され、父と子の会話が流れます。そしてハビエルさんが演じるウスバルが若い男と話すシーンです。フクロウが死ぬときは毛玉を残すのだと若い男はウスバルに話し、タバコを差し出し吸う。後でわかるのですが、ウスバルの父親ようですね。彼の父は母のお腹にいるときに死んでしまい、、、、。ウスバルは父の顔を知らなかったという設定です。静かな映像の中で娘と父が話すシーン、なかなか良いなあと思いました。

 監督はハビエルさんを思い浮かべて脚本を書いたそうです。君のために脚本を書いたんだ。もし君が出演しなければ、他の俳優が出演するだけ……。もちろん、気に入らなければ、断ってもいいよと言われて脚本を渡されたらしい。そんなことを言われたら断れないよとハビエルさん。

以前からの知り合いだそうですが、、、。一緒に仕事するのは初めてだったんですね。実現出来た作品でハビエルさん、カンヌ国際映画祭で見事に最優勝男優賞を受賞!

148分という長さではありましたが、厳しい裏社会の現実をリアルに描かれていた1本だと思います。シネコンで、こういう作品が上映されるってとてもうれしいことですね。

あらすじ

 

スペイン・バルセロナ。その華やかな大都市の片隅で、厳しい現実と日々対峙して生きているウスバル(ハビエル・バルデム)は、離婚した情緒不安定で薬物中毒の妻を支えながら、2人の幼い子供たちと暮らしている。ウスバル自身も父親の記憶が無かった。彼が幼い頃、父は当時のフランコ政権の圧政から逃れ海外に逃亡。その後まもなく母とは死に別れた。残された兄のティトと2人、彼らは生きるために当たり前のように非合法な世界に墜ちていったのである。

決して裕福とはいえず、生活のためにあらゆる仕事を請け負っていたウスバルは、ときには麻薬取引、中国人移民への不法労働の手配など非合法な闇の仕事も厭わない。しかし、争いごとの絶えない日々のなか、ウスバルはしばしば罪の意識を覚えていた。ある日、ウスバルは末期がんであることがわかり、余命2ヶ月を宣告される。ウスバルは家族に打ち明けることもできず、死の恐怖と闘いながらも、残された時間を家族の愛を取り戻すために生きることを決意する。

そしてウスバルは。。。。


薬物依存症の妻マランブラ。ウスバルは更生しょうとする妻に再び向き合うことを決意をする。

マランブラ役のマリセル・アルバレスはアルゼンチンの舞台女優。本作が映画デビューとなる。マランブラ役はキャスティングが難しく、撮影3週間前まで決まることがなかった。撮影延期まで考えられた時、アルゼンチンの公開オーディションで決まった。

 
娘役も同じく決まらず、、、。アナ役をゲットしたハナ・ボウチャイブは撮影をしていた時、ロケハンをしていた学校で声をかけてきた女の子。ハナの「出たいわ」との答えに出演が決まったそうです。息子役のマテオはギレルモ・エストレラ君がキャスティングされた。

ギレルモ君も良かった!おねしょしてしまったと悲しい表情で訴える姿がとても印象的でした。
ハビエルさん、実生活でもパパだからか?子どもとのシーンでの姿はまさに父親らしい雰囲気だったよね。

母が家に戻ったことに喜ぶ子どもたちの姿にウスバルは最後の幸せを感じていた。生きている間に少しでもお金を残すことがウスバルの死の準備だった。


家族は上手くいきそうな雰囲気だったが、次第に溝が出来る。マテオに摂○するマランブラ、そのことでウスバルともギクシャクしてしまう。
また薬物依存症が再発。

だがそんな矢先、工場で働いていた中国人たちが、ウスバルが買い与えた安物の暖房器具での一酸化炭素中毒により全員死ぬという悲劇に、、、、。寒さを凌げるようにという気持ち、ちょっと手元にお金を残したいという思いがあったため、、、。こんな惨事になったのだ。

遺体は全て水死したと見せかけることにするハイとリウェイたち。こんなことやったら益々ヤバいけど、、、。不法就労させていることも全てばれる。

 本作は、イニャリトゥ監督が敬愛する黒澤明監督(1910~98年)の名作「生きる」へのオマージュでもある。

「生きる」

無気力な市役所課長が胃がんで余命数カ月となった後、公園を作るため懸命に働く姿を志村喬(たかし)主演の名作。

監督は19歳の時、「生きる」をメキシコの映画館で鑑賞。

「一見、単純にみえる物語の中に、人生の大切なものが静かに、しかし確かに存在している不思議な感触があった」と話す。そして、「いつかこんな映画を撮影したい」との思いを胸にしまい込んできたという。


志村 喬が公園でブランコに乗っているシーンとこのハビエルさんのワンショットが何か重なるような?
なんて勝手にそう見えるんですが(笑)

解説(goo映画より)

バルセロナの闇社会で生きる男が余命2ヶ月と知らされ、子供たちのために奮起する姿を描く感動の人間ドラマ。監督は、「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。出演は、「ノーカントリー」のハビエル・バルデム。第63回カンヌ国際映画祭主演男優賞受賞、アカデミー賞主演男優賞・外国語映画賞ノミネート。

メディア 映画
上映時間 148分
製作国 スペイン/メキシコ
公開情報 劇場公開(ファントムフィルム)
初公開年月 2011/06/25
ジャンル ドラマ
映倫 PG12

オフィシャル・サイト
http://biutiful.jp/
オフィシャル・サイト
http://www.biutiful-lapelicula.es/ (スペイン語/英語)

 

 

 

 

 

 

Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする