今日は朝からオリヴィア・ニュートン・ジョンを聴いています。
爽やかな5月の朝に合う音楽をかけたかったので、オリヴィアの初期ベスト・アルバム(『アーリー・オリヴィア』)をCD棚から引っ張り出してきたんです。
透明感のあるきれいな歌声が、澄んだ空気に気持ちいい。
かつて朝の情報番組で流れていた『カントリー・ロード』が大ヒットしたこともあって、ぼくには「オリヴィアの歌には朝が似合う」というイメージがあるんです。
オリヴィアは清楚な雰囲気に満ちた美貌の持ち主でもあり、ぼくはウットリしたものでした。
彼女は、ぼくの子供時代のアイドルだったんです。
1966年にイギリスでデビューしたオリヴィア・ニュートン・ジョンの長い歌手生活の中でよく知られているのは、ジョン・トラボルタと共演した映画『グリース』、ELOと共演した『ザナドゥ』、ダンス・ミュージックを大胆に取り入れた『フィジカル』などですが、ぼくが一番好きなのはアメリカでのデビュー(1971年)から『グリース』(1977年)以前までのオリヴィアです。
初期はカントリー・フレイバーあふれる歌を歌っていたオリヴィアには、どこか土の香りのする、ナチュラルな雰囲気がありました。オーストラリア育ちで、動物好きということも、そのイメージに拍車をかけたのだと思います。
デビュー当初は、ボブ・ディランの『イフ・ノット・フォー・ユー』やジョージ・ハリスンの『美しき人生』、クリス・クリストファースン作でジャニス・ジョプリンが歌った『ミー・アンド・ボビー・マギー』など、カントリー・アンド・ウェスタンにポップ・ロックをミックスしたような明るい曲が多かったような気がします。
1970年代中頃には、ソフトでメロウな良質のポップスをたくさん歌っていますが、ナチュラルで透明感のある美しい歌声は、この時期の曲にとてもよく似合っているような気がします。
とくに『そよ風の誘惑』は、タイトル通りやわらかな風かそっと吹き抜けていくような気持ちよさに満ちた名曲だと思います。
少しせつなくて、より澄み切ったアコースティックなバラードの『愛の告白』も忘れることができません。
ジョン・デンヴァー作の『カントリー・ロード』も、よくギターを弾きながら歌ったし、『ジョリーン』や『レット・ミー・ビー・ゼア』は深夜放送でよくオン・エアされていたような記憶があります。いずれも、オリヴィアのレパートリーの中では大好きで、よく聴いた曲です。
当時は、洋楽女性シンガー・ファンの中では「オリヴィア・ニュートン・ジョン派」と「リンダ・ロンシュタット派」の二大勢力があり、雑誌などでもそのふたりを対比させる形で紹介している記事が多かったようです。
ぼくは、最初はもちろん「オリヴィア派」だったのですが、どことなく悪女っぽくて、愛らしいタヌキ顔のリンダのこともすぐ好きになりました(もちろん歌も含めて、です)。
今になって思いますが、われながら節操がないですねえ。。。(;^ω^)
オリヴィアの祖父はノーベル賞を受賞したドイツの物理学者、マックス・ボーンであることはよく知られていますが、彼女が歌手活動のほかに動物愛護や環境問題などにも大きな関心を寄せているのは、こうしたことも無関係ではないのかもしれません。
アメリカでは、社会問題にも積極的に発言する大スターは珍しくありませんが、オリヴィアのそうした姿勢も、まだコドモだったぼくの目には眩しく映りました。
1992年には乳ガンの手術を受けてファンを心配させましたが、1994年には見事にカムバック。
2000年のシドニー・オリンピック開会式で「Dare to Dream」を歌うなど、以後も着実に歌手として活動しているようです。
年齢を重ねても、とても魅力的なオリヴィア。
まだまだ彼女の歌を待っているファンも多いようですね。
もちろん、ぼくもそのうちの一人です。
【2022.8.10追記】 2022年8月8日、オリヴィア・ニュートン=ジョンは、がんのため73歳で死去しました。