ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

テレビで見た千住真理子氏

2006年05月16日 | 見る聴く感じるその他

 
 昨夜、もう寝ようかなと思いながら、何気なく新聞をあちこち見ていました。すると、テレビ欄を見た瞬間、「千住真理子」という文字が目に飛び込んできたんです。
 23時20分からの日本テレビ系の番組「さしのみ」。みのもんた氏がホストを務める対談番組です。
 時計を見ると、なんと23時22分。まさに番組が始まったばかり。
 これは、「この番組を見なさい」という神様の命令(^^)だと思って、すぐにテレビの電源を入れました。


     


 以前、「千住家にストラディヴァリウスが来た日」と「千住家の教育白書」(いずれも千住文子・著)を読んで感銘を受けたので、いつか真理子氏自身からヴァイオリンに対する思いを聞くことができればなあ、と思っていたんです。
 

「デュランティー1716」300年の目覚め


     


 不思議な運命を辿って真理子氏自身のところへやってきた「ストラディヴァリウス・デュランティー」については、「いったん履くと踊りをやめられない赤い靴と同じで、弾くのをやめられない」と語っていました。「楽器に支配されている感じ」とも。でも、「恐れている」というより、幸せそうな言葉でした。
 みの氏が「結婚は・・・?」と水を向けると、「結婚なんて考えたら、この楽器、どこかへ行っちゃう」と笑って答えていたのが印象的でした。
 ストラディヴァリに支配されているというより、ストラディヴァリを「人格のある」自分の人生の大切なパートナーだと思っているのでしょうね。


     


 天才少女ともてはやされていた真理子氏は、20歳頃から2年間、まったく楽器を弾くのをやめていました。その時は、もう一生ヴァイオリンを弾かないつもりになっていたんだそうです。
 「天才少女」のスタンスを保つためにどんなことがあろうとも1日14時間の練習を欠かさなかったのですが、そんな生活を続けていては「生きてゆけない」と思ったのがその理由です。


 ある日真理子氏は、ボランティアでホスピスに呼ばれました。末期患者の「最後に千住さんの演奏を聴きたい。それが叶わないならせめて本人に会いたい」という願いを耳にして、ひさしぶりに楽器を手にしたのです。
 演奏後、その患者は「最後に千住さんの音を聴くことができて良かった。生きていて良かった」と喜んだそうですが、真理子氏は、自身の演奏のできのひどさにとても喜ぶことはできなかったそうです。
 「その人の人生は残り少ないのに、自分は最悪の演奏を聴かせてしまった」・・・。
 この後悔が彼女を変えたんだそうです。
 「聴きたいと思ってくれる人のために演奏しよう」
 それからの彼女は弾き方も変わり、幸せを感じることができるようになったそうです。


 ほんとうは、このへんの人間くさい葛藤をもっと突っ込んで聞きたかったんですけどね。


     


 番組中、バッハの「2つのメヌエット」とエルガーの「愛のあいさつ」の2曲をピアノの伴奏で聴かせてくれました。
 テレビを通じてなので、とても本来の音質で聴くことはできなかったのですが、実際に聴くとどんなに素晴らしく聴こえるのだろう、と思わずにはいられなかったです。


 心身ともに絶不調が続いてるぼくなんですが、見ているうちにいくつかのヒントを頂いたような気がしました。
 この番組に気づいたのは、何かの巡り合せだったんでしょうか。
 もしかして神様のお導きか!?(^^)


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コメント (7)
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