東京の葛飾・柴又といえば、映画『男はつらいよ』の舞台として有名です。この映画の主人公の名が「車寅次郎」、通称「とらさん」で、その妹が「さくら」であるのは言うまでもないほど知られていますね。
ところが、どうも奈良時代にも、この柴又には「とら」と「さくら」が実在していたらしいのです。

車 寅次郎 (渥美 清)
奈良の正倉院が所蔵している「養老戸籍」という当時の戸籍簿に、現在の葛飾・柴又と思われる「葛飾郡(かつしかごおり)大島郷嶋俣(しままた)之里」という地名が記載されていて、その住人の中に「刀良(とら)」という男性名と「佐久良売(さくらめ)」という女性名が見られるということです。

諏訪さくら (倍賞千恵子)
1989年に葛飾区が柴又1・2丁目の発掘調査を行ったところ、古墳時代から奈良・平安時代にかけての土器が出土し、当時このあたりには集落があったことが確認されました。この結果、「嶋俣之里」がやはり柴又である可能性が強まったのです。
『男はつらいよ』の原作者でもある山田洋次監督も、シリーズが始まった1969年当時は、このような戸籍簿があるなどとは全然知らず、映画の主人公兄妹に「寅」「さくら」と名づけたのは、全くの偶然だったそうです。

奈良時代の柴又にも「とら」と「さくら」がいたなんて、なんだか不思議ですね。いったいふたりはどんな関係だったのでしょうか。
やっぱり兄妹だったのかなあ。もしもその頃も、「さくら」が、できの悪い「とら」を心配してたのならおかしいですよね。
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