ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード

2006年05月26日 | 名盤
♪自分的名盤名曲105


 今夜は久しぶりにジャズのライブを聴きに出かけるので、昨夜からいろいろとジャズのCDを聴いているうちに、いつしかコルトレーンのこのアルバムを繰り返して聴いていました。


     
■ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード
 [Coltrane "Live" At The Village Vanguard]

■録音…1961年11月
☆ジョン・コルトレーン(ts,ss)
☆エリック・ドルフィー(bass-cl ①)
☆マッコイ・タイナー(pf ①②)
☆レジー・ワークマン(b)
☆エルヴィン・ジョーンズ(drs)


 ジャズの醍醐味はライヴにあるということを再認識させてくれるアルバムだと思います。
 コルトレーンを中心としたバンドの熱気の高まりが、聴いているこちら側をいやがうえにも興奮させてくれます。CDを聴いてこうなんだから、実際にライヴ・ハウスにいたら、どれだけ興奮し、熱狂するでしょう。


     


 エリック・ドルフィーを交えたクァルテットで演奏される「スピリチュアル」は、黒人霊歌をモチーフにした曲だそうです。モーダルなこの曲、粘っこいジャズ・ワルツで静かに演奏されるのですが、静謐感の中にも、タイトル通りのスピリチュアルなエネルギーが燃え続けるのを感じ取ることができます。
 2曲目はスタンダードの「朝日のごとくさわやかに」。
 コルトレーンが登場するまでは、「マッコイ・タイナー・トリオ」での演奏です。まさに「朝日」のような、クールでしかも力強い演奏が繰り広げられています。コルトレーンのソプラノが入ると、一気にバンドのテンションが高まります。とてもスウィンギーな演奏です。


 3曲目の、ピアノレス・トリオでコルトレーンが吹きまくる「チェイシン・ザ・トレーン」は、コルトレーンの本領発揮、という感じがします。この演奏、後年スピリチュアルな方面へ傾いてゆくコルトレーンを彷彿とさせる、官能的で、熱くて、激しいものです。ただただ自分の音楽を追求してゆこうとする真摯な姿勢を、まざまざと見せ付けられるような気がします。


     


 夜中に聴いていると、コルトレーンの放出する異様なエネルギーに引き込まれてゆくのを実感します。
 昼間でも、聴いているうちに、自分のいる部屋だけが真夜中になったかのような錯覚に陥ります。なんとも不思議なエネルギーを持ったアルバムです。


 夜中から濃いジャズ・アルバムに浸ったので、自分の中もジャズ・モードに切り替わったようです。この高まりのまま、今夜のライヴを楽しんでくることにします。


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コメント (2)
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