昨日はなにも予定がなかったので、夜は家にこもるつもりで、午後は買い物に行き、早めに夕食をとった。
食後に、暇な時に見るつもりだった映画をゆっくりと楽しんだ。その後、借りていたCDを録音しつつ、たまっていたMDを整理。それから、のんびりコーヒーを飲む。ジャズを聴きながら。
もう夜中といっていい時間から聴き始めたのが、このビル・エヴァンスの「パリ・コンサート」だ。"エディション2"は持っていたが、ついこの間、ようやく"エディション1"を買ったので、2枚続けて聴いている。
どこかで犬の鳴いているのが聴こえる。
もうみんな寝静まっている時刻だ。
ぼくの部屋からは
エヴァンスの弾くピアノがただ聴こえるのみ。
ジャズと、一杯のコーヒーがぼくを寛がせてくれる。
至福のひととき、ってこういう時間のことなんだろう。
「Bill Evans The Paris Concert Edition 1」
「Bill Evans The Paris Concert Edition 2」
この2枚のCDには、1979年11月26日にパリのエスパース・カルダンで行われたライヴの模様が収められている。
エヴァンスの弾くピアノは、まさに「語っている」。
ピアノは流麗だが、語っていることはどこか訥々としたところも伺えるのが面白い。
脇を固めるマーク・ジョンソンのベースと、ジョー・ラバーベラのドラムスは、エヴァンスのピアノに触発されて自由度を増しているような感じだ。
ふたりの演奏に触発されたエヴァンスは、彼らとの楽器を通じての会話を、さらに発展させようとしているようだ。反面、自分の語りたいことを懸命に語ろうとしているようにも感じられる。
例えば、見事な絵を見た時や、素晴らしい文章に接した時に湧いてくるさまざまな情景や感情、こういうものを感じられるのが、ジャズの楽しいところでもあるのだ。
言葉にすると難しくなるけれど、ほんとうは、三人の奏でる音にただ身を委ねるだけで良いのかもしれない。
彼らもただ一心に音楽を生み出しているだけなのだから。