ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

翼の折れたエンジェル

2007年11月08日 | 名曲

 今日、一枚のCD-Rを貰いました。友人が、1980年代のJ-POPをピック・アップしてCD-Rにプリントしてくれたんです。
 中森明菜やアン・ルイス、松田聖子、渡辺美里など、女性シンガー特集ぽく編集してありました。その中でも好きだったのが、中村あゆみの「翼の折れたエンジェル」です。
 当時はシングル・レコードを持っていたけれど、今は音ネタは持っていないので、たいへん有難かったです。


 中村あゆみ嬢は、1984年に「Midnight Kids」でデビューしました。
 翌85年にリリースした3枚目のシングルが「翼の折れたエンジェル」です。この曲は日清カップヌードルのCMに起用されたことで火がつき、最終的に約38万枚(追記:2016年12月時点でレコード・CDの売り上げは50万枚以上)を売り上げ、オリコン・チャートも4位にまで昇りました。
 今でこそミリオン・セラーは珍しくありませんが、80年代はシングルでミリオン・セラーとなった曲はあまりなく、50万枚も売れると「大ヒット」だと言われていました。このことから考えると、「翼の~」も大ヒットした、と言えるでしょう。実際、この曲はテレビやラジオでよく流れていたし、カラオケなんかに行くと、たいてい誰かがこの曲を歌っていたのを覚えています。


     


 なんと言っても元気いっぱいでハスキーな歌声が強烈に印象に残っていますが、デビュー以前のあゆみ嬢は自分の声にコンプレックスを持っていて、音楽の授業では歌を歌うこともなかったために、成績は最悪だったそうです。
 しかし高校の時にカラオケでサザン・オール・スターズの歌を歌ったところ、周りの友人たちの絶賛されたそうで、これがきっかけとなって自信を持ったということです。


 「翼の~」は、ティーン・エイジャーの微妙な心の動きを歌ったことが大きな共感を呼んだのだと思います。
 ミディアム・テンポのエイト・ビートに乗って歌うあゆみ嬢の歌は、とてもパワフルですね。
 サビの部分がとても切なく響いてきます。バックのサックスの音色もとても印象的でした。
 歌詞の「みんな翔べないエンジェル」の部分は、ライヴでは「いつか翔ぼうぜエンジェル」に変えて歌われていたようです。


 「翼の~」以降のあゆみ嬢は、「ちょっとやそっとじゃCan't Get Love」(1986年カネボウ)、「ともだち」(1989年カナダドライジンジャーエール)、「Brother」(MIZUNO)など、CMとタイ・アップしたヒット曲をコンスタントに放ち続けます。ところが、一時は「中村あゆみといえば『翼の折れたエンジェル』と言われるのがとてもイヤ」で、歌うのを拒否していた時期もあったそうです。しかし、長く歌手活動を続けるうちに、「歌手としてヒット曲を持つのはたいへんな確率、『翼の~』を歌って、と言われれば何度でも歌います」という気持ちになっていった、ということです。


     


 あゆみ嬢は1990年代の半ば頃以降は歌手活動から遠ざかっていましたが、2004年に加山雄三さんのイベントに出演したことがきっかけとなって歌手活動を再開、現在でも積極的にライヴを行っています。
 また、「翼の~」は、最近では大黒摩季嬢によってカヴァーされているということです。



[歌 詞]


翼の折れたエンジェル
  ■歌
    中村あゆみ
  ■シングル・リリース
    1985年4月21日
  ■作詞・作曲・編曲
    高橋 研
  ■チャート最高位
    1985年オリコン週間チャート 4位
    1985年オリコン年間チャート 13位
  ■収録アルバム
    Be True(1985年)



コメント (8)
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