今日はとってもよく晴れた、気分のよい一日でした。
秋の青空を見上げると吸い込まれそうになるくらい気持ちが良いですよね。
そういえば「ブルー・スカイ」という曲がありました。
ひとつはジャズのスタンダード、もうひとつはチューリップのヒット曲、そしてエレクトリック・ライト・オーケストラ(以下E.L.O.)の「ミスター・ブルー・スカイ」です。
その「ミスター・ブルー・スカイ」が収録されているのが、E.L.O.の7作目(ベスト・アルバムを除く)のアルバム、「アウト・オブ・ザ・ブルー」です。
「アウト・オブ・ザ・ブルー」はロックやポップスのエッセンスとストリングスが見事に融合した傑作だと思います。
このアルバムは予約だけで400万セットを超え、全米チャート、全英チャートとも4位を記録したE.L.O.最大のヒット作です。この中から「ターン・トゥ・ストーン」(全米13位、全英18位)、「スウィート・トーキン・ウーマン」(全米17位、全英6位)、「ミスター・ブルー・スカイ」(全米35位、全英6位)、哀愁の果て(全米75位)、ワイルド・ウェスト・ヒーロー(全英6位)の5曲のヒットを生み出しています。
とても親しみやすいメロディ、ぬくもりのあるストリングス・アンサンブル、効果的に使われるキーボード群、幾重にも折り重なった分厚いファルセット・コーラス、躍動感のあるリズムなどがサウンドの特徴で、その壮大な音楽性は、レコードの帯にもある通りまさに「スペース・ロック・ドリーム」です。
長岡秀星の作である宇宙船のイラスト・ジャケットもそのイメージを作り出すことに貢献しているかもしれません。しかし、それは無機質な冷たいものではなく、人間の体温が感じられるやわらかくて優しいものだと言えるでしょう。
このアルバムをE.L.O.の最高傑作に推す声も多いです。
1曲目に収録されている「ターン・トゥ・ストーン」は、心地よくはじけたこのアルバム最高の曲だと思います。「スウィート・トーキン・ウーマン」はノスタルジックな雰囲気のポップスです。今日の天気そのものの歌詞を持つ「ミスター・ブルー・スカイ」の軽快さも楽しい。
以下、派手なソロこそありませんが、やや哀愁を帯びた甘くて絶妙なメロディーが目白押しです。とくに「雨の日のコンチェルト」と題されたコンセプト・サイド(10~13曲目)の出来栄えは、かのビートルズの「アビイ・ロード」B面に匹敵する、という評価もあるほどです。
E.L.O.のメロディー・メイカー、ジェフ・リン
前作「オーロラの救世主」あたりから、次作の「ディスカヴァリー」までがE.L.O.の全盛期でしょう。リーダーであるジェフ・リンのポップ・センスが全開です。そのうえアレンジャー、プロデューサーとしての才能も花開いた感があります。
ジェフが見せてくれるE.L.O.ワールドは1曲1曲がとてもポップで、思わず口ずさみたくなるようなメロディーのオン・パレード。楽しさ満点のラインナップです。このアルバムは「E.L.O.スタイルの音楽がたどり着いた最高到達点」で、まさに「スーパー・ポップ・ミュージック」だと言えるでしょう。
◆アウト・オブ・ザ・ブルー/Out Of The Blue
■リリース
1977年10月3日 (日本=1977年11月)
■歌・演奏
エレクトリック・ライト・オーケストラ/Electric Light Orchestra
■プロデュース
ジェフ・リン/Jeff Lynne
■録音メンバー
【エレクトリック・ライト・オーケストラ/Electric Light Orchestra】
ジェフ・リン/Jeff Lynne (vocals, guitars, electric-piano, synthesizer, percussion)
リチャード・タンディ/Richard Tandy (acoustic-piano, electric-piano, synthesizers, mellotron, clavinet, guitar)
ケリー・グロウカット/Kelly Groucutt (bass, percussion, vocals)
ベヴ・ベヴァン/Bev Bevan (drums, precussions, vocals)
ミック・カミンスキー/Mik Kaminski (violin)
メルヴィン・ゲイル/Melvyn Gale (cello)
ヒュー・マクドウェル/Hugh McDowell (cello)
■収録曲
A01 ターン・トゥ・ストーン/Turn to Stone ☆
02 哀愁の果て/It's Over ☆
03 スウィート・トーキン・ウーマン/Sweet Talkin' Woman ☆
04 国境の彼方/Across The Border
05 ナイト・イン・ザ・シティ/Night in The City
B06 スターライト/Starlight
07 ジャングル/Jungle
08 ビリーヴ・ミー・ナウ/Believe Me Now
09 ステッピン・アウト/Steppin' Out
C -雨の日のコンチェルト-/ -Concerto for a Rainy Day-
10 雨にうたれて/Standin' in The Rain
11 ビッグ・ウィールズ/Big Wheels
12 サマー・アンド・ライトニング/Summer And Lightning
13 ミスター・ブルー・スカイ/Mr. Blue Sky ☆
D14 スウィート・イズ・ザ・ナイト/Sweet Is The Night
15 ザ・ホエール/The Whale
16 バーミンガム・ブルース/Birmingham Blues
17 ワイルド・ウェスト・ヒーロー/Wild West Hero ☆
※全作詞作曲 ジェフ・リン/Jeff Lynne ☆=シングル・カット
■チャート最高位
1978年週間チャート アメリカ(ビルボード)4位、イギリス4位、日本(オリコン)32位
1978年年間チャート アメリカ(ビルボード)18位、イギリス7位