ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

さよなら

2007年11月18日 | 名曲


 
 今日は町内の資源物ごみ回収の日でした。我が家が回収して回る当番に当たっていたので、朝10時すぎから車で町内各戸すべてを回って、新聞の束、古雑誌、ダンボールなどを集めて回りました。量はさほどでもなかったので、1時間足らずで終了、その後は髪をカットしに行ってきました。頭もさっぱりして気分もスッキリしたという感じです。
 日中は陽が射していたのですが、それでも今日は冷たい風が強く吹いていて、秋の終わりを感じさせました。


 秋の終わりから冬にかけて聴きたくなるのが、オフ・コースの「さよなら」です。この曲は、オフ・コース17枚目のシングルとして、1979年12月にリリースされました。同年暮れから翌80年にかけて70万枚以上を売り上げる大ヒットを記録し、オリコン・チャートでも最高2位を記録しました。1980年の年間チャートでも9位にランクされています。
 「さよなら」はオリジナル・アルバムには収録されていませんが、ベスト・アルバム「Selection 1978-81」に収められています。


     


 オフ・コースは「さよなら」をリリースする前は、一部では高い評価を得ていたものの、どちらかと言えばマイナーな存在でした。
 オフ・コースはフォーク・グループとして1970年にレコード・デビューしました。当時からその実力は評価されながら、ヒット曲には結びつかず、長い間下積み生活を続けます。しかし1979年8月に松尾一彦、清水仁、大間仁世を正式メンバーに加えてからはロック色を強めたバンド・サウンドを指向、これが実を結んで徐々にセールスも上向きます。「さよなら」の前々作「愛を止めないで」が約10万枚、前作の「風に吹かれて」が約4万枚とセールス的にも健闘しています。


 「さよなら」は小田和正によって書かれた作品です。小田氏は「これまで以上に売れることを意識して書いた。とにかく次のステップに進むためにはぜひ大ヒットが必要だった」と語っていますが、思惑通りヒットに繋げた小田氏の力量には唸らされるばかりです。
 「さよなら」の大ヒットで、オフ・コースは当時のニュー・ミュージック・シーンを代表するグループのひとつとして大きな人気を得ることになります。


 もともと美しいハーモニーを得意としていたオフ・コースですが、この曲も極上のメロディーと、小田氏の透明感のある歌声、そして美しいハーモニーが雰囲気を形作っています。洋楽のエッセンスを取り入れたバックのサウンドも歌詞にぴったりマッチしていると思います。
 イントロのピアノはまるで落ち葉が舞い落ちるかのような儚げな雰囲気をかもし出しています。ギターのアルペジオが聴こえてくると、別れの寂しさがつのってくるような気がします。
 サビのコーラスはとてもドラマティック。切なさと少しばかりの甘さが胸を締め付けてくるようです。


 切ない、といえば、この曲の歌詞もそうですね。ストレートで、印象的な言葉の数々が切なさを強く印象づけていると言っていいでしょう。
 はじめ、歌詞はハッピー・エンドだったそうです。しかし歌入れの時に何度繰り返してもサビの部分で「さよなら」の言葉がどうしても浮かんでしまうため、最終的に「さよなら」という言葉を生かすよう、歌詞を全面的に手直ししたそうです。


    


 1983年には英語版の「SAYONARA」が録音されています。これは、オフ・コースが全米進出を企図して制作したデモ・テープに収められていますが、公式発表はされませんでした。しかし、この英語版をもとにアメリカのロック・バンド「KBC BAND」が同名アルバムでカヴァーしています。


 オフ・コースは1982年にオリジナル・メンバーの鈴木康博氏が脱退し、その後は4人編成で活動を続けます。そして、デビュー20年目の1989年に解散しました。
 解散後も小田氏は日本を代表するメロディー・メイカーのひとりとして、多くのヒット曲を生み出しているのはご承知の通りです。しかし、もしぼくが小田氏の代表曲を訊ねられたなら、真っ先にこの「さよなら」が浮かんでくるでしょう。そして、小田氏の代表曲であるばかりでなく、J-POP史上に残る名曲のひとつだと思うのです。


[歌 詞]



◆さよなら
  ■シングル・リリース
    1979年12月1日
  ■作詞・作曲
    小田和正
  ■プロデュース
    オフ・コース
  ■収録アルバム
    SELECTION 1978-81(1981年)
  ■録音メンバー
    オフ・コース
     小田和正(vocal, piano)
     鈴木康博(guitar)
     松尾一彦(guitar)
     清水 仁(bass)
     大間"ジロー"仁世(drums)
  ■チャート最高位
    1980年オリコン週間チャート  2位
    1980年オリコン年間チャート  9位


コメント (12)
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