箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

ひきこもり支援のいま

2024年11月22日 05時34分00秒 | 教育・子育てあれこれ
80代の親がひきこもり状態などにある50代の子を養う「8050(はちまるごーまる)問題」がクローズアップされてきています。

そして、養ってくれたあと自宅で亡くなった高齢の親の遺体を、同居する中高年の子が死体遺棄で逮捕されたというケースが散見されるようになってきました。

ひきこもりは、学校や職場の人間関係でつまずいたり、傷つくなどした自分を守るため家に避難している状態という考え方ができます。


ひきこもりは「甘え」や「怠け」といった世間の偏見にさらされ、「社会から必要とされていない自分は生きていても仕方がない」と思い込まされている人もいます。


また、8050問題の当事者は不安や困りごとがあっても助けを求めようとしない傾向があります。


行政の支援のあり方にも課題があります。


国は全国の都道府県や政令市などに「ひきこもり地域支援センター」という専門の窓口を設置しています。


就労や自立のための訓練を強要するのではなく、社会福祉士や精神保健福祉士らが中心となって相談に応じたりしていますが、本人や家族にその存在や趣旨が思うように伝わっていません。


また、民間の支援団体には、就労を目的化しているようなところもあります。


団体としての成果を上げるため「半年以内に就労しましょう」と期限を設けるケースもあります。


人には「生きたい」という思いさえあれば、本人は自然と自分に合った仕事や生き方を見つけたり信頼できる仲間と出会ったりして、感情を表に出せるようになります。


とはいえ、就労とひきこもり状態を行ったり来たりする人も少なくありません。「いつ戻ってきてもいいから」と言ってくれる伴走者がいれば、気が楽になり、社会への参加を続けようとするのです。







ノーベル平和賞受賞の意味

2024年11月21日 06時29分00秒 | 教育・子育てあれこれ

戦後約80年になる今、原爆、核兵器の被爆体験を語る(「証言」する)人が高齢になり、実体験を語れる語り部がもうすぐいなくなります。

今回、ノーベル平和賞が日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に与えられることは、核被害の当事者には特別な意味があります。


今回の平和賞は、被爆者の声を「今こそ聞け」という警告です。


また、核軍縮・核廃絶の問題に関心のある人を力づけるでしょう。


2023年5月には広島市で主要7カ国首脳会議(C7サミット)が開かれました。


この会議では核軍縮に重点を置いて議論されまさした。


核兵器を保有するアメリカ、イギリス、フランスとその同盟国の首脳らが原爆資料館を見学しました。


各首脳が原子爆弾被爆の実相に触れた意味は大きかったといえます。


しかし、会議後に出された文書は核抑止に基づく政策を打ち出していて、核軍縮に向けての行動計画はとても不十分でした。


日本は核兵器禁止条約に不参加でありますが、被爆者医療の経験があり、核禁条約が締約国に義務づける核被害者への援助などの分野で貢献できる。


今回の平和賞は、唯一の戦争被爆国が取るべき姿勢を厳しく戒めているのです。




飾らない心を表す花

2024年11月20日 09時16分00秒 | 教育・子育てあれこれ

洋ランはもともとは海外から輸入されました。

胡蝶蘭、カトレア、そしてシンビジュームなど、さまざまな種類が日本やってきて、国内では新しい品種がつくり出されてきました。

一昔前では、どれも高価でしたが、組織培養の技術が発達し、多くの人びとが親しむことができるようになりました。

なかでも、シンビジュームは日本の園芸文化のすばらしさを引き出している花のひとつです。

色合いは控えめで姿かたちは品格を放ち、かすかな芳香を漂わせます。

飾らない心、素朴、高貴などが花言葉になります。

シンビジュームは1850年代に長崎に初めて持ち込まれました。

花の色は、淡い黄色、白、ピンク、オレンジ色、緑色などたくさんあります。

寒さにも強いため、冬季は室内で育て、春から秋には日陰に置いて水を十分与えると、次の年も花を咲かせます。

女性の年金問題

2024年11月19日 07時23分00秒 | 教育・子育てあれこれ


今年度50歳になる世代が65歳で受給し始める場合の年金月額は男性で平均14万1000円です。

しかし、女性の場合は平均9万8000円で、4万円以上の差があるそうです。

また、月10万円未満の人の割合は、50歳男性では約2割ですが、50歳女性では約6割になると考えられています。

男女の年金額の差が大きいのは、女性が正社員などとして厚生年金に加入していた期間が短いのが主因です。


そのほか、現役時代の賃金水準に大きな男女

格差があることが要因です。


とくに現在の中高年女性が若かった頃は、長時間労働が当たり前で、仕事と育児の両立が難しかった時代でした。


これまで働き続けてきた女性も、職務範囲が狭く、人材育成を受けた経験が少なく、管理職経験者もわずかであることが、年金額の男女差を生んでいるのです。


月10万円未満というレベルは、相対的貧困の状態にあたります。


ただ今後の見通しでは、女性の年金水準は、若いほど改善していきます。


40歳女性の年金額は平均9万9000円、30歳10万7000円、20歳女性は11万6000円という試算です。


しかし、だからといって若い女性の老後は安心と言える水準では到底ありません。


女性が老後、貧困に陥らないためには、現役時代のうちに、たくさん働き、賃金を上げることが重要です



近年は、企業で女性活躍の取り組みが進んでいます。若い女性にはぜひ、出産・育児などの人生を通して働き続けることと、キャリアアップし続けることが大事になります。


そのことが、賃金水準と年金水準の向上につながるからです。


非正規雇用も、無視できない要素です。非正規雇用が長いために、厚生年金の被保険者期間が短かったり、賃金水準が低かったりすると、年金水準も当然、低くなります。


国や行政は、財政確保の視点という全体最適だけではく、非正規雇用の人たちの老後の生活をどうするかという、一人一人の生活者の視点に立った個別最適となる雇用攻策を合めて考えてほしいと思います。







創造する喜び

2024年11月18日 06時16分00秒 | 教育・子育てあれこれ
人間にとっての大きな喜びの一つに、「創造する」ということがあげられます。

わたしは学年主任、人権教育担当の役割をしているときには、学年経営や学校運営に新しい取り組みを進めて、いま振り返っても大きな充実感を得ていたことを思い出します。

その期間は、上司から命じられることを、ただ忠実に行ってばかりいるのではなかったです。

アイディアを練って、新しい取り組みを上司や保護者、地域にどんどん提案していきました。

そのように、自分から新しい仕事を創造していくことがモチベーションを上げることになるので、結果的には生徒への教育活動に反映されていきます。

おしなべて、熱中して何かを創造しているとき、人はもっとも生きている喜びを深く味わうことができるのではないでしょうか。


まさに「生命の躍動」を感じることができるのです。


創造的な仕事をしてこそ、働くことに大きな喜びを感じられるようになります。