春よ来い 早く来い 歩き始めたみいちゃんが
赤い鼻緒のじょじょはいて おんもへ出たいと待っている 童謡
今の季節にぴったりの歌です。それにしても草履や下駄をいう「じょじょ」なん
て言葉、もう使いませんね。「紅緒のかっこも緒が切れた」の「かっこ」なんて
言葉も。だいたい七五三の時か浴衣を着たときでもないと下駄なんてはきま
せんからね。靴でもズック靴なんていう言い方もなくなりました。今なら、ス
ニーカーかローファーか?いえ、ビーサン(ビーチサンダル)?
この「春よ来い」という童謡を思い出すたびに、モーツアルトの「五月の歌」
も一緒に思い出します。歌詞がとてもよく似ているんです。日本語の歌詞は
それはそれで名詩です。
楽しや五月 草木は萌え 小川の岸にすみれ匂う
やさしき花を見つつ行けば 心も軽しそぞろ歩き 詩:青柳善吾
でも原詩は決して五月を歌った歌ではありません。「春よ来い」のみいちゃんと
同じく、ちっちゃいロッテちゃんが、春が来るのを待ちわびている歌です。
Ach, lieber Mai,wie gerne einmal spazieren geh'n!
(ああ、大好きな五月、早く散歩に出かけたいな!)