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近鉄奈良駅前には行基さまが立っていらっしゃいます。言わずと知
れた天平時代の大僧正です。弘法大師と役の行者とともに、日本中
この方の建てたお寺とか、開いた温泉とか伝わっている所が無数に
ありますが、なんといっても本拠地は東大寺のお膝元の奈良。久し
ぶりに訪れた奈良で真っ先に出迎えてくださって、うれしくなりまし
た。後ろのポスターとの対比がシュールですね。
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古い奈良の風情を残しているというので人気の奈良町界隈を散策し
ました。昔もこんなだったかなあ?書道の墨屋さんなんかが多かった
ような気がするのですが、今はちょっとしゃれた雑貨屋さんや食べ
物屋さんが増えています。年末のことで、お目当てのカフェは閉まっ
ていましたが。落ち着いた昔ながらの格子戸の家々がいい感じでは
ありました。京都の町々に比べると、やはりどことなく素朴だし。
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奈良町にある元興寺。蘇我馬子建立の飛鳥寺を奈良に移したお寺で
その昔は東大寺や興福寺をしのぐほどの大寺だったそうですが、今で
は慎ましやかな小寺です。人間もそうですが、後の運命など分からな
いものです。でも、そこは古い歴史を誇る奈良のお寺。衰退したと言
えど、飛鳥時代の瓦やら建物やら塔やら、国宝がごろごろあります。
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奈良町から餅飯殿通り、東向き通りという奈良のメイン・ストリート
を北へ通り抜けると猿沢池に出ます。その向こうは興福寺。猿沢池
は天平時代に作られた人工池なんですって!
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奈良観光といえば、この興福寺の五重の塔のあたりと東大寺、それ
はつまり奈良公園ということですが、ここに来ない人はいないでし
ょうね。鹿とも触れ合えるし。興福寺の国宝館で阿修羅像を含む八
部衆像や金剛力士像など見て何故となく豊かな気持ちになりました。
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散策の締めくくりに、さらに北へ歩き奈良女子大学の辺りまで行き
ました。昔ここで2年ほど非常勤ですがドイツ語を教えていたので
すが、見覚えがあるような、ないような。若くて充実した楽しい時
期だったはずなのに。人の記憶なんてぼやけてしまうものなんで
すね。どうでもいいようなことは覚えていたりするのに。とはいえ、
そこはかとなくノスタルジックな気分になって帰途につきました。
年末のすてきな奈良散歩でした。