キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

2012-11-14 10:40:05 | 季節
           

           色づいた柿の葉に包まれた柿の葉寿司がふるさとから届きました。

           若葉の頃の柔らかい黄緑の葉もいい香りですが、まさに柿色に色

           づいた葉に包まれた鯖寿司ほど、秋を感じさせてくれる食べ物は

           他にないかもしれません。

           

             里古りて柿の木持たぬ家もなし

           という芭蕉の句がありますが、ふるさとのわが家の裏にも大きな

           柿の木がありました。柿の葉寿司を作るために取ってきた柿の葉

           を布巾で拭いてきれいにするのが、小さい頃の私の仕事でした。

           それで鯖寿司を包んで、深い木箱に入れ、重しをして1、2日置くと

           食べごろです。海の遠い山国の保存食だったんですね。

           

           柿の葉はともかく、柿の実は甘柿も熟柿も吊るし柿も、昔はよく

           食べた気がしますが、このごろはあまり人気がないようですね。

           あのぬるっとした感じが嫌だという人が多いようです。「ほこたて」

           という番組で、改良を加えた柿で、柿嫌いの人が柿好きになるか

           どうかで、春香・クリスティーンというスイス生まれの女の子と柿農

           家のおじさんが対決していました。結果はおじさんの勝ちでしたが、

           作る側も大変です。

              柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺         正岡子規

           柿といえば、やはりこの句を思い出します。
コメント
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