滴りに乱調のなき深山かな 岡本紗矢句集「向日葵の午後」より
深い山の静謐さを表した佳句だと思います。とても好きな句です。
でも、俳句はたった十七文字。全く作者の意図を取り違えている場合
もあるかもしれません。だからかえって自由に想像できる、そこが良い
所でもあります。
青々としていた山々も今はもうすっかり色づいているでしょう。
朝晩冷え込むようになりました。
裏山の静けさ蒲団重ねをり 岡本紗矢句集「向日葵の午後」より
これも好きな句です。晩秋のふるさとの夜。裏山からしんしんと寒さが
忍び寄ってきた過去の記憶が蘇ります。
火ばさみで拾ふぎんなん山颪 岡本紗矢句集「向日葵の午後」より
お宮の大いちょうは冷たい風にたくさんの銀杏を落としていることでしょう。