春には白やピンクの可愛い花をつける花水木ですが、秋にも美しい木
です。赤く色づいた葉と鮮やかな赤い実が青空に映えます。もう11月
も半ば、昨日は毎月1度の小学校での「読み聞かせ」に行きました。
「読み聞かせ」という言葉、「読んで聞かせてやるぞ」という感じの
上から目線の言い方で、あんまり好きじゃないのですが、じゃあ、どう
いうかというと、良い言葉も思いつきませんが。まあ、呼び方なんてど
うでもいいか。
ざぼんじいさんのかきのき (のびのび・えほん) | |
織茂 恭子 | |
岩崎書店 |
今回は季節柄、柿の話です。ケチンボのおじさんが、自分の甘い柿の
実を人にあげるのがいやで、結局柿の木を切ってしまって、元も子も
なくし後悔するという、なにやら「金の卵を生むガチョウ」のような、お
伽話っぽいお話です。のんびりした感じの絵が秀逸で、柿の実がほん
とにおいしそう。日本の秋の色、秋の風景です。
しっぽのはたらき (かがくのとも傑作集―どきどきしぜん) | |
薮内 正幸 | |
福音館書店 |
打って変わってこれは科学絵本。1冊こういうのを入れると、お話し会
全体の雰囲気がピリッとします。絵が緻密でリアルで、前のページに
しっぽだけを出し、一体何のしっぽかを推測させ、次のページでその
動物の全体の姿を見せるという賢い進め方をしています。人間にも
昔はあったかもしれないしっぽ。こうやって見ると面白いものです。
そういえば、うちのなっちゃん、お散歩に行こうというと、ものすごい
勢いでしっぽを振ります。「犬がじぶんのしっぽを見て歌う歌」という
やなせたかしさん作詞、木下牧子さん作曲の歌があります。「ぼくはな
ぜしっぽがあるんだろ、、、」
へびのクリクター | |
中野 完二 | |
文化出版局 |
最後にドイツのトミー・ウンゲラーの楽しい絵本を読みました。ウンゲ
ラーには、動物を主人公にした素敵な絵本がいくつかありますが、この
へびのクリクターを初め、タコやコウモリなど、あまり絵本の主人公に
なりそうにないちょっと気味悪い動物が多いのが面白いところです。
でもどの動物も気が良いんですよね。賢いやさしいクリクターは人気者
になり、銅像まで作られ、幸せに暮らします。世界中で一番愛されてい
るヘビかもしれません。誰だって主人公になれる、絵本っていいですね。