銀閣寺は正式名を東山慈照寺と言い、元々は足利義正の山荘。左京区東山
の鹿ケ谷の辺りにあります。後白河上皇が平清盛打倒の陰謀を企てた、あ
の鹿ケ谷です。もちろん後白河上皇の時代は、300年以上前で、この銀閣
寺など影も形もなかったころの話です。
訪れたのは絶好の時期でした。木々は色づいていますが、緑も残る、美し
い銀閣を見ることができました。平日でしたが、大勢の観光客、特に遠足
の小学生でごったがえしていました。ガイドさんが、声をからして説明して
いましたが、子どもたちは聞いているのかいないのか。
銀閣と呼ばれているのは二層の観音殿で、全体が漆塗りだったとか。それ
が雨に濡れると銀色に光ったので、銀閣と呼ばれるようになったそうです。
観音殿と横にある東求堂が昔のまま残る建物で国宝です。折しも本堂と
東求堂の特別拝観が行われていて、普段は見ることのできない襖絵が
拝観できました。与謝野蕪村と池大雅の襖絵、それに現代の画家奥田
元宋の鮮やかであでやかな襖絵。すばらしかった!
本堂の縁側からは、竜安寺の石庭のように砂を美しく慣らした銀沙灘と
富士山をかたどったという向月台を眺めることができます。
赤い紅葉の散り敷く、苔むしたお庭を少し上ると観音殿を見晴らす高台が
あります。そこからの眺めが何とも美しい。
これぞ、京都の秋という風景でした。