銀閣寺から哲学の道とほぼ平行に南へ伸びている風情ある細い道を数百
メートルも行くと、法然院があります。銀閣寺より格段に質素な苔むした茅
葺屋根の門が出迎えてくれます。
門から中のお庭を見た写真。もう少し紅葉が進んで、もう少し写真の腕が
良ければ、素晴らしい写真になると思うのですが。
門を入るとすぐ、左右に砂で作られた白砂壇があります。これは水を表し
ていて、お寺の浄域に入るために、この間を通り身を清めるのだそうです。
シンプルな静寂に包まれた山門をくぐるだけで、身が清められるような
気がします。
お庭の苔の緑が美しい抹茶色。京都の色です。
裏門を出ると法然院の縁起の書かれた立札がありました。法然院はその名
の通り浄土宗の租である法然上人にちなんでいますが、前の安楽寺のとこ
ろでも書いたように、弟子の安楽・住蓮の両上人が後鳥羽上皇の後室の女
房であった松虫・鈴虫を出家させたため、上皇の逆鱗に触れ、弟子の両上
人は斬首、法然上人は讃岐の国へ流罪になり、草庵は荒れ果てていたので
すが、江戸時代の初めに再建されたとか。後鳥羽上皇って、なかなかに激情
型の人だったのですね。そんなことで、貴いお坊様の首をちょん切るなんて。