近年は熊野古道で人気の和歌山県熊野地方には、日本国創世神話に遡る
三神社、熊野三山があります。その中心をなす神社が「熊野本宮大社」です。
檜皮葺の屋根屋根をはじめ、落ち着いた茶色の色合いが周囲の深い緑と相
まって、思わず手を合わせたくなる荘厳な雰囲気のお宮です。
高野山から十津川村を通りこの神社にいたるまでの巡礼道は「小辺路」と
呼ばれ、中辺路、伊勢道などと並ぶ、代表的な古道です。なかなかに険し
い道ですが、人気です。外国人も多いようです。軟弱な私は車で楽々と到
着しましたが、歩いて得るものはきっと大きいのでしょうね。スペインのサン
チアゴ・デ・コンポステラへの巡礼道とこの熊野古道は世界で二つだけの
道の世界遺産だそうで、二つの道の共通巡礼手帳なるものがあるそうです。
ここは、天照大神から遣わされ九州の高千穂の峰に降り立ったニニギ
ノミコトの曽孫である神武天皇が、日本全国を平定するために東征し、
この熊野の地から北進して大和の国の橿原に最初の朝廷を開かれた
という、日本誕生神話に深く関わる場所です。
その時、険しい山道を行く天皇を案内するためにスサノオノミコトが遣わ
したのが、三本足のカラス「八咫烏」だったということです。三本足は「天、
地、人」を表しているとか。
境内の至る所で八咫烏がフューチャーされていて、黒いポストまでありました。
でも「八咫烏」と聞いてみんなが思い浮かべるのは何といってもサッカー
全日本でしょう。もちろんユニホームとボールも祀られていましたよ。