★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『ゴーン・ガール』

2014年12月15日 | 映画鑑賞記
先週の木曜日、公開前夜祭で見て来ました、映画『ゴーン・ガール』の感想を♪

公開前夜で見たので、映画上映前に、主演俳優さんの
「日本で一番最初の、この映画の観客になってくれてありがとう」
というメッセージ映像が流れたりして、ちょっとおトクな気分も味わえました~。

映画、とても怖かったですが、面白かったですよ☆


■映画『ゴーン・ガール』予告編



この作品、原作小説があるのですよね!

上下巻に分かれた文庫本で、今、本屋さんの特設コーナーに平積みされているのをよく見かけます。
ちょっと読んでみたい気もしますが、映画でストーリー分かっちゃったしなA^^;;

でも、アメリカでもベストセラーなサスペンスとのことですし、日本の「このミステリーが凄い!」の海外作品部門にもランクインしている作品なのですよね。

これは、やっぱり、原作小説も読みたいかなp(^^)q


物語は、まさに、予告編で十分に分かる通りです。

ニックとエイミーは、順調な結婚生活を送っている、誰もがうらやむ仲の良い夫婦。
元々、2人はニューヨークに住んでいたのですが、ニックの母親が病気になったりで、ニューヨークの家を引き払い、ニックの故郷の田舎町での暮らしを始めていました。

が、結婚5周年の記念日に、ニックが帰宅したところ、エイミーの姿が見当たりません。

ひっくり返ったガラステーブルなど、部屋に不審な点が多く、ニックは警察に通報。

警察も、事件性があるとみて、捜査を開始します。

室内にルミノール反応が出て、しかも、大量の血痕をふき取った跡だったと分かったり、エイミーが生存している可能性は限りなく低そうな様子。
そして、失踪から何日経っても、一向に見つからないエイミー。

また「私は愛する夫に殺されるかもしれない」・・・と恐怖を書き綴ったエイミーの日記が見つかり・・・。

捜査を進めれば進めるほど、ニックがエイミーを殺害したのではないか・・・という疑惑が深まっていきます。

更に、どんどん加熱していくマスコミ報道。

世間では、ニックを妻殺しの男として見るようになっていきます・・・。


確かに、不可解なニックの言動、嘘、秘密。

次第に崩れていく、誰もが羨むようなニックとエイミーの完璧な夫婦像。


果たして、ニックは本当に妻を殺害したのか? していないのか?

ニックを待っている結末とは・・・・・??????



・・・というようなサスペンスです。

いや、もう、めっちゃ怖かったです(>_<)

猟奇的なシーンや痛そうなシーンも若干あるのですが、それは、そこまででもなくて(いや、ちょっと目は瞑っちゃったけどラスト)、何が怖いかって、精神的にじわりじわりと来る怖さですね。

人間の心の闇の部分を抉るように描かれているっていうか。
実に後味が悪いです。

傍から見て理想的な夫婦であったはずの、ニックやエイミーの心の闇だけでなく、この事件に関係ない人たちの心の闇の部分も、また、怖かった。

はっきりとした証拠がある訳でもないのに、あたかもニックを妻殺しの容疑者として過熱報道していくマスコミ。
それを信じ切って、ニックに疑惑の目を向ける世間の人々。

・・・これは、ちょっと、今年の邦画『白ゆき姫殺人事件』も思い出しちゃいました。

頭も性格も良い、誰からも慕われる、完璧な美女が殺害(この映画の場合、エイミーは失踪・・・ですが)されるという事件を、勝手にドラマティックに仕立てあげて、興味本位な報道をするマスコミや、それに追従する世間とか。『白ゆき姫殺人事件』も、そんな感じでしたものね。

そして、真偽のほども分からないのに、「犯人」と名指しされる者の地獄も。。。

人って、こんなにも誰かに対して残酷になれるんだなぁって。
集団心理の怖さとかも感じました。

でもでも。

この映画で、一番怖い心の闇は、やっぱり、ニック&エイミー夫婦。

傍から見ると、本当に幸せそうで、完璧な仲良し夫婦。誰もが憧れる理想的な夫婦像。

でも、それは、あくまでも、「傍から見れば」であって。

彼らの真実は、物語が進むにつれ、どんどん明らかになっていきます。

そして、終始、ニックの言動が怪しい。

確かに、最初は、この事件、彼の自作自演なのではないか・・・とも見えてしまいます。


でもでも!
でもでもでも!!

ネタバレになってしまうので、これ以上は言えませんが、物語は、二転三転と展開を見せるのです~(*><*)


・・・っていうか。

私、事件の真相は、実は予告編から感じられる雰囲気で、予想していた通りだったのですよね(^m^)


なので、後半、とある真相が分かった時も、さほど驚きはしませんでした。
やっぱりねぇ~って感じで。

でも、じゃあ、何に驚いたのかっていうと。
やっぱり、エイミーの心の闇の部分かなぁ。
いや、それはもう、「狂気」です。

エイミーの完全に常軌を逸した行動の数々が、本当に怖いのですよ・・・・・。

それは、ラストのラストまで。

じわりじわり、ひたひたと、真綿で首を絞めるかのように、ニックにも、映画を見て居る観客の心にも、迫って来るのでした。

っていうか、彼女の異常性は何だったんだろう?って考えてみると。

実は、彼女の親が悪かったのではないかなぁって。

エイミーの母親は、児童文学作家で。
自分の娘である、エイミーを主人公にした『完璧なエイミー』シリーズでベストセラー作家になっているのですよね。

自分とは違う、物語の中の「偽物」のエイミー。

世間から、その作品のキャラクターと、ずって比較され続けて来た人生。

『エイミー』の本が出版される度に、「本物のエイミーの方は?」と関心を寄せられる日々。

・・・これは、キツいと思うわ(--;;

でも、彼女の母親は、自分の娘がそんな風に苦痛を感じているなんて、露ほども思っていなかったのでしょうし。

他人や世間から見える部分を飾りたてる、常に、誰からも憧れの的であるように見せる・・・そんな親の元で育ったから、エイミーも、そんな風になっちゃったのかな。そして、それが、段々、異常な域に入って行ったのかな・・・って。

そんな風に感じました。

そして、そういう彼女の態度が、段々、ニックを追い詰め、浮気に走らせたんだろうなぁって。


ちょっと異常な部分のあるエイミー。
そんな彼女を裏切り、浮気をしていたニック。

どっちが悪いか?と問われると。。。。

うーん。

どっちもどっちなのかもしれませんね。

結局、彼らは、仕事にも恵まれ、経済的に豊かだった時だけは、仲良く、上手く行ってて。
不況の関係で、仕事に陰りが出始める・・・つまり、経済的に苦しくなってきた途端、上手く行かなくなる。

結局のところ、楽しい時だけ仲良くて、苦境に立たされた時は、互いに支え合うことも出来ない夫婦だったのですよね。

綺麗ごとかも知れませんが、本当に、信頼し愛し合う夫婦なら、苦しい時こそ支え合えるハズ。
でも、それが出来なかった。
それなのに、表面的には理想の夫婦を演じ続けようとしていた。

そこら辺から、破綻してきたのではないかなぁって思いました。


何でも勝手に決めてしまう夫。
そんな夫への妻の不満。

夫を支配しようとする妻。
そんな妻から逃げようとする夫。

でも、傍目には、仲良く見える夫婦。

・・・いやはや、例え夫婦と言えども、心の中は見えませんものね。

そこが凄く怖かったです。

そして、ニックの迎えた結末。
これを自業自得と取るか、それとも、彼は被害者だと取るか。


わたし的には、エイミーが凄く怖くて、ニックがちと気の毒に感じました。

でも、男性の目から見たら、もっともっと怖いんじゃないかなぁ?(笑)



夫婦であろうが、恋人であろうが、所詮は他人。
つまり、自分とは違う別の人格。

その相手の、目に見えている部分だけではなく、心の中まで・・・自分は果たして、どこまで理解しているのだろうか?って考えさせられちゃいました。

これは、カップルで見ると、気まずくなっちゃうかもしれませんね(笑)


・・・という訳で。

私は、そこまで「衝撃の結末!」とは思わなかったのですが、精神的な恐怖が押し寄せるサスペンスでした。
面白かったですよ~。

原作も読んでみたいです。