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映画『64-ロクヨン- 後編』

2016年06月29日 | 映画鑑賞記
今日は先日見た、映画『64-ロクヨン- 後編』の感想を(*^^*)

前編がとても気になるところで終わってしまったので、「後編」、公開されてわりとすぐに見てきました~。

前編の感想はコチラ↓↓↓
【2016年6月10日 映画『64-ロクヨン- 前編』

■映画『64-ロクヨン- 後編』予告編



たった7日間で幕を閉じた昭和64年。

その時に起こった、少女誘拐殺人事件。

未解決のまま14年が過ぎ、いよいよ、時効まであと1年・・・というところで新たな少女誘拐事件が発生。
しかも、手口が14年前の事件と全く同じ。
まるで、何者かが14年前の事件をなぞって居るかのような・・・。

県警広報官の三上は、かつて自分も捜査に関わった通称「ロクヨン」の模倣事件について、詳しい情報を求めるものの、捜査本部から彼に与えられる情報はごく僅か。

せっかく歩み寄りを見せていた記者クラブとの関係も、また悪化してしまいます。

捜査本部とマスコミの板挟みになった三上は、自ら単独で動き、模倣事件の真相に迫ろうとするのでした・・・。



前回が、警察組織の内部争いや、隠蔽工作、そして、マスコミとの確執がメインなお話だったので、すっかり忘れていましたが・・・。
この作品、ミステリだったのですよね!!それも、推理物!!

よ~~く考えたら、犯人、推理出来たのじゃないかしらん??

色々と手掛かりはあったと思うのです。

三上の家にも掛ってきていた無言電話。
被害者の父親だけが聴いていた犯人の声。
逆探知の失敗を隠蔽した警察。
そして、それを報告しようとした結果、警察という職を辞すこととなった幸田。
その幸田は、被害者の父親と交流があった(前編で三上が二度目に被害者宅を訪ねた時、お仏壇に「幸田」と書かれた御仏前袋がお供えしてありましたものね)。
今回の誘拐事件について、やたらと情報を出したがらない捜査本部。

これらを総合して考えると、一見、何の接点もないように見えた、新たな誘拐事件の被害者が・・・14年前の事件に凄く濃厚に関わっていると分かるのですよね~。

でもでも、そこまで、全然思い至りませんでした。

誘拐犯はなぜ、小学生の次女ではなく高校生の長女の方を誘拐したのか? そして、その長女の素行・・・などなども、事件の真相に辿り着くヒントですよね。

最初は、ただただ、謎でしかなかった模倣事件。
少しずつ少しずつ、真実が明らかにされ、犯人とその意図が分かった時は、とてもビックリして、「なんとっ!」っ震えました。

うーん。
でも、ミステリ好きとしては、これはネタバレされる前に推理して気付きたかったなぁ。

この真相が明かされるまでが、とにかく謎が多く、とても緊迫していて面白かったです。


そして。
14年前、結局、警察が犯人を逮捕してくれなかった少女誘拐殺人事件。

犯人を見つけられないどころか、その時の捜査の失敗まで隠蔽してて・・・。

だからこそ、被害者の父親は執念で真犯人を追ったのでしょうね。

「自分だけが知っている情報」だけを頼りに。
14年という気の遠くなるような歳月を使って。
その間に、妻までもが病に倒れ、亡くなってしまった・・・というのに。

その執念を想像すると・・・本当に、鳥肌が立ちました。

被害者の父親は、もう、真犯人を追う事のみに、自らの人生を捧げたのでしょう。

あんな事件さえなければ、この家族は、今も幸せに暮らしていたかもしれない。
そう思うと、14年前の真犯人に対しては憤りしか感じませんでした。

そして。

14年前の真犯人は、その罪の報いをまさに今受けた・・・というような結末。

一番最悪な形での、過去の罪の露見は、凄く後味が悪かったです。

まだ小学生の次女の前で明るみになってしまった14年前の犯行。

父親の犯罪を知った時の少女の悲鳴がいつまでもいつまでも耳に残りました・・・。

悪いことをしたら、いつかきっと報いが来る。
けれども、それが自分ではなく、娘の方に来てしまったという惨い結末・・・。
いや、それは、娘だけでなく、犯人自身にとっても、一番惨い報いだったのかもしれませんね。

なんか本当に・・・。

事件の真相は、後味が悪過ぎました。

それでも。
解決して良かった・・・と私は思ったのでした。

真犯人がどんなに不幸になろうとも、被害者は決して、幸せにはなれない。
殺された娘は帰った来ない。

それでも、真犯人に辿り着いて、報復したかった被害者の父親の気持ちが胸に来ました・・・。
明るみにしてやりたいですよね。

そこら辺の心理が、あの後味の悪さなのだろうなぁと思いました。


前編は、ミステリというより、警察内部のゴタゴタやマスコミとの確執などの人間ドラマで、そして、後編は一気にミステリ色が強くなっていき・・・という展開、面白かったです。

そして、前半に引き続き、相変わらずの隠蔽体質の警察や、マスコミの在り方については、少々ウンザリ。
・・・意外とリアルだったりして!?

ただ、物語の全てが解決って訳ではないのですよね。

三上の家出中の娘については、結局、解決しないままですし。

ラストシーン、どんど焼きの時に、三上の留守宅で鳴っていた公衆電話からの着信。
もしかしたら、あれが娘からの電話で、彼ら親子の確執の雪解けを意味していたのかもしれませんが・・・。
なんとなく、すっきりしなかったかな。

でも、なんだかんだで結局、「ロクヨン」関係者は、三上も含め、皆、たった7日間の昭和に取り残されていたのでしょうね。ずーっと。
そして、事件の解決によって、皆、囚われていた昭和から抜け出せたのかもしれません。

14年前の失敗を悔いて、ずっと引き籠りをしていた日吉が部屋から出て来たのは、唯一の「救い」だったような気がしました。

主役級の役者さん勢揃いの豪華キャストでの映画。
迫力の演技の数々は、実に圧巻でした。

前後編通して、面白かったです。