懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

蒸気機関車  案山子と蒸気機関車

2012年10月07日 | 蒸気機関車
撮影場所  岡山県倉敷市 伯備線倉敷郊外

伯備線も倉敷駅を一キロも走ると田園地域に出る。
秋の案山子と蒸気機関車を一緒に撮ろうと出かけた。
写真の右側にクラレ(この頃は倉敷レーヨンと呼ばれレーヨンを製造していた)の煙突と研究所の建物が見える。
このクラレの工場も市街地にあるため工場移転した。
撮影した場所がどのあたりだったか探すが道路もよくなり民家が立ち並び田圃など全く姿を消している。
倉敷の北側は道路も悪く商業施設もなく北側には駅の改札口も無かったので開発が遅れていた。
私はただ蒸気機関車が走る風景を撮っただけであるが経過した時間が語ってくれる。
これが写真のもつ力でもあろう。
先週のテレビ東京系の「美の巨人」で木村伊兵衛氏の代表的な作品「板塀」を取りり上げた。秋田県秋田市金足の豪農、奈良家の外塀を馬の後ろだけ写つた写真である。
奈良家は秋田の大地主であったが農地解放で衰退していく。
写真の解説者が次のように言った。
写真は「未来を見て未来に向けてシャッターを切るのが写真の本質である」といった。
実際は未来が見えたら誰でも写真を撮り残す、評論家だからこんな結果論的な事を言えると聞いていた。しかし、私も昭和の写真を整理しながら過去を振り返りよくそのように思う事がある。
過去には戻れないしこれからの老い先を考えても私にはこれから取り組むには難しい課題である。

未来を見る事は難しい携帯電話やインターネットが普及しコンビニや大型スーパーが町の商店を食いつぶす事は想定できなかった。
未来は想定できなくても風景には1.大きく変わるもの、2.変化が小さなもの、3.ほとんど変わらないものがある。
撮影記録するものは大きく変わるものを見つけ出してテーマとすることである。
大きく変化するには理由がある。現在使われていないもの、機能していないもの、前時代のもの時代に合わない物、人手がかかるもの、効率の悪い物、老朽化したものや劣化しやすい物、不便な物、見た眼が古いもの、補修や改修、維持する人がいない物等