懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

黍(きび)

2016年11月29日 | 日記
私の住んでいる近くに三軒借家がある。
その真ん中に80代の女性が一人で住んでいる。
結婚していたのか家族はいるのか一切わからない。  
その人がどんな人生を送ったのかも分からない。
近所の人も個人の家庭事情まで詮索しない。
家内は庭の掃除や新聞取に行ったときによく話をしているがそんな深い話はしない。

私は自分で外に出る事がないので三度ほどしか会話をしていない。
その家の小さな花壇に玉蜀黍(とうもろこし)の様な物を植えていた。
しかし、一向にトウモロコシがならない。
家内と不思議だなあと話題にしながらその成り行きを見守った。
背の丈はトウモロコシの大きさになった。トウモロコシならとっくに葉が枯れているのに10月末になっても葉は青々している。
そのうち先端から穂が出てきた。

こりゃあ黍じゃないか、黍を何にするのだろう黍餅にするのか黍箒にするのか家内との話題になった。
家内と車で出かけるときに丁度女性がいたので長年の疑問を聞いてみた。
これは何を植えているのか何に使うのかと聞いた。
植えているのは黍で鳩の餌にするそうだ。鳩を飼っているのかと聞いたら飼っているわけでも
ないが春に生まれたばかりのヒナが二羽巣から落ちていたので拾って帰った。
幼鳥の時は練り餌を与え次第に小鳥の餌を与えて成鳥にした。
自然界に二羽とも放して飛び去ったが。翌日一羽が電線に止まり家の玄関に歩いてきたそうだ。
玄関を開けたら家に入ってくた。毎日放すが必ず帰ってくる。
鳩は伝書バトのように帰巣の本能があり幼鳥からかわいがったので懐いたのであろう。

鳩との生活がこの女性の生き甲斐になっているのだろう。

黍は五穀豊穣の五穀のひとつでもある。米麦黍粟稗が五穀であろうか 七穀、十穀という言葉もある。トウモロコシ、豆、蕎麦なども穀物のひとつ
世界の三大穀物は麦、米、トウモロコシだそうだ。南米やアフリカはトウモロコシが主食の国も多いのだ。
黍の仲間に高黍がある。満州ではコーリャンと呼ばれていた。


私の昭和鉄道遺産 その14

2016年11月29日 | 私の昭和鉄道遺産
撮影場所 岡山県 伯備線新見機関区

新見機関区は伯備、姫新、芸備の三線の機関車がはいるのでにぎやかであった。
こんな風景は昭和47年3月で終わった。

同じ岡山県にいながら通ったのは三回程度、一日機関庫や駅構内にいて撮影する日がほしかった。新見駅のホームで停車する列車の写真など一枚もない。今となっては乗客の服装やどんな人が利用していたかがわかったと思う。
機関庫の後ろに町並みが見える町並みも随分変った。新見には古い街並みや民家、水路が今も残っている。世間遺産として観光客の誘致に努めている。
昭和40年代という時代は今からすれば随分懐かしい風景だった。インフラの整備はされておらず道は狭いまま建物は古いままだった。

機関車が並んだ風景だけの風景だが私にとっては唯々懐かしい。

写真を撮る人は一か所にとどまらず各地を歩き回る。一か所にとどまるのは鳥
や雲海、日の出を撮る人ぐらいのものか 一日同じ場所で定点撮影する日もほしいものだ。