昭和50年の食事で、その腹は引っ込む なぜ1975年に日本人が家で食べていたものが理想なのか (講談社+α新書) | |
都築 毅 | |
講談社 |
昭和50年の食事とはどんな食事だったのだろうか。
当時、私は10歳。小学校の4~5年生ごろ。
どんな年だったかというと「およげ!たいやくくん」が発売された年。
ゴレンジャーやタイムボカン、フランダースの犬が放映開始されている。
そして「ぺヤングソースやきそば」が発売された年。
貧乏だった我が家ではあるが、祖母が作った野菜を使った料理や魚に肉に納豆などの豆類、そして必ずお味噌汁があった。
お味噌汁については父親のこだわりで、食事の時に汁ものを出さないと夫婦ケンカに発展した。
食後にはテレビを見ながら果物を食べていた。
日曜日の朝は、テレビで「真珠の小箱」「美」「時事放談」を見ながら、トースターで焼いたパンにたっぷりバターを塗って、紅茶と一緒に食べるのが楽しみだった。
本の中では下記のような紹介があった。
1960年ごろは、御飯に1品のおかずに漬物と汁ものと、ご飯でお腹を満たし、魚介類が主なたんぱく源だった。
1975年になると、ご飯と魚介類と海草が多く、まだ欧米の影響は少ないので、カロリーは控えめ。
1990年には、パンの割合が増え、中華料理など多種多様な料理が並ぶようになった。
2005年では、肉類、牛乳、乳製品が多く、脂質の割合が多い。
「和食」に少し欧米化された「スーパー和食」がバランスが取れた素晴らしい食事だと書いてある。
この食事を取ることにより、スリムな体と長寿を手に入れられる。
「少しずつ、いろいろな物をたべる」これは内臓へのストレスが抑えられる。
本の中に「老化の速度は食事が決める」とある。
多くのダイエット法がヒットするがすぐに消えてしまうのは、人は空腹に耐えられないからである。
極端なダイエットは老化を早めてしまう。
自分ひとりの食事では、多くの食材を買ってもダメにしてしまうことが多く、なかなか「スーパー和食」を食べることは難しい。
しかし「スーパー和食」は、難しいメニューを作れと言っているわけではない。
なかなか面白い本だった。