michi のひとりごと

日々のつぶやき、あれこれ。

老々介護8年。 100歳になった母を見送りました。
こちらは重度の難聴。

『天使の返却』   〔メルマガ〕

2009-06-24 07:47:13 | Weblog
タコ社長のにんげん観察日記』というメルマガ。

いつもは、お腹を抱えて笑っちゃうような ♪♪♪
それでいて、身につまされるようなお話が多い。

でも、今回は、とっても素敵でした。
『天使の返却』というタイトルです。

リンクしたので、
是非読んでみてください。
 

素敵な感性の子どもと、
そのお母さんのお話です。

う~ん、私が そのお母さんだったら、
どうするかな・・・?




リンクのところは最新号だけのアップ、ということなので、
読めない方のために――、
  こんなお話です。


   ****************



第644話  天使の返却、の巻

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東京メトロ丸の内線荻窪駅であります。





この荻窪駅は始発でありますが、
昼間のホームは閑散としております。





タコが乗り込んだ車両には、
幼稚園児くらいの男の子とお母さんだげが乗っていた。






「お花、きれいね、
アジサイっていうんだよ」





「・・・・・」





男の子は薄紫のアジサイの花を、
掬い上げてきたように両手に載せている。






「ノブアキが拾ってよかったね。
ウチに持って帰って飾ろうね。」






男の子は黙って、
手のひらのアジサイをジッと見つめていたが、







「今日はいいことあったね、ついてるね」


と、お母さんが言うと、






「いいことじゃない!」


と怒り出した。






「このアジサイさん、、、泣いている」

と口をへの字にして、
自分まで今にも泣き出しそうだ。






彼の手のひらに包まれたアジサイのひとかたまりは、

確かに「アジサイさん」ともいうべき、
薄紫色をした天使の頭部のように見えてくる。






「どうして泣いているのかな?」



お母さんは察したように、
ノブアキ君に聞いてみる。






「みんなと離ればなれになったんだ、



だから、ぼく、

家に持って帰るのはいやだ」






感受性の高い子供である。





「あらーきれいねー」と言うが早いか
ボキッと手折って、

涼しい顔をして持ち帰るそのへんのおばちゃん、
と、えらい違いだ。







「どうしようか?」



お母さんのこの一言に、
ノブアキ君の顔がアジサイより明るくなる。






「さっきのところ!」


そして、両手から「アジサンさん」をこぼれ落とさないように
お尻を左右に何度もずらしながらシートを降りると、


改札に向かう階段をもう駆け上がっていた。






「フッ、、、」

お母さんは小さいため息をついたが、




「・・・・・ま、いっか」


と、リセットしたように呟き、
階段を上っていった。




丸ノ内線池袋行きの電車は、


ノブアキ君のお母さんが纏っていた、
仄かな香水の香りだけを乗せて発車したのでした。






●本日の教訓
子供が育つのは、自我を尊重してあげた時。



●本日のアドバイス
引き返すことが無駄でないこともあります。



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【 編集後記 】

なかなか出来ないことだと思いましたよ。切符を買って乗車したのに、子供の
「わがまま」に付き合うのですから。でも、お母さんはこのわがままが嬉しかった
に違いありません。

梅雨の晴れ間のような有難い気持ちになれる風景でした。




コメント (2)
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