以前から、川柳なんか作れたら良いナ…って思っていたところ、
図書室で『川柳でんでん太鼓』という本を見つけました。
田辺聖子さん著で、
カットは灘本唯人という方。
最初の章は、
“天高く月夜のカニに御座候”で、
こんなカットなんです。
クスッと笑っちゃったけど、
ちょっと微妙な表情ねぇ。。
以下、抜粋です。
『この句、私にはなつかしくもおかしい。
終戦後まもなしに復興した夕刊新聞の一つが、焼跡で意気消沈している大阪市民を景気づけようと、川柳を募集したときの、一位になった句である。』
『浪花庶民、
「タハハハ……」
と腹を抱えて笑いあったものだ。月夜のカニに身(肉)はないという。』
『「月夜には、蟹や貝類は月光を恐れて餌をあさらないので、やせて身(肉)がつかないと言われている」そうである。
折りしも、みのりの秋。
天は高く食欲もあるのに、たべるものがないのである。』
『誰もみな痩せて栄養失調である。』
『ホンマに月夜のカニである。<天高く月夜のカニに御座候>、この口調にはえぐい怨みも自嘲もなく、
「いや、お互いに、えらい目ェにあいまンな」
「さっぱり、ワヤですワ……」
と笑い合うところがあって、大いに浪花庶民に受けた。
これこそ川柳の功徳というものであろう。焼土の大阪で、ギスギスしていた人々の心にゆとりをとりもどす。ほんの小さなキッカケになったかもしれない。その句を一読した人々は、ほかの人との会話にそれを挿み、また、まだ知らない人にも口うつしに教えたりして、笑いを共有するという、たのしい作業に心弾んだかもしれない。
しらべもなだらかで「御座候」という、いかめしい昔風な候文もよく利いている。』
こういうの、好きですねぇ~。
人間って、良いなァ~、
って、しみじみ――。
自分も、自己流で作って、
ひとり クスッ、苦笑い、とか
できたらなァ・・・。
図書室で『川柳でんでん太鼓』という本を見つけました。
田辺聖子さん著で、
カットは灘本唯人という方。
最初の章は、
“天高く月夜のカニに御座候”で、
こんなカットなんです。
クスッと笑っちゃったけど、
ちょっと微妙な表情ねぇ。。
以下、抜粋です。
『この句、私にはなつかしくもおかしい。
終戦後まもなしに復興した夕刊新聞の一つが、焼跡で意気消沈している大阪市民を景気づけようと、川柳を募集したときの、一位になった句である。』
『浪花庶民、
「タハハハ……」
と腹を抱えて笑いあったものだ。月夜のカニに身(肉)はないという。』
『「月夜には、蟹や貝類は月光を恐れて餌をあさらないので、やせて身(肉)がつかないと言われている」そうである。
折りしも、みのりの秋。
天は高く食欲もあるのに、たべるものがないのである。』
『誰もみな痩せて栄養失調である。』
『ホンマに月夜のカニである。<天高く月夜のカニに御座候>、この口調にはえぐい怨みも自嘲もなく、
「いや、お互いに、えらい目ェにあいまンな」
「さっぱり、ワヤですワ……」
と笑い合うところがあって、大いに浪花庶民に受けた。
これこそ川柳の功徳というものであろう。焼土の大阪で、ギスギスしていた人々の心にゆとりをとりもどす。ほんの小さなキッカケになったかもしれない。その句を一読した人々は、ほかの人との会話にそれを挿み、また、まだ知らない人にも口うつしに教えたりして、笑いを共有するという、たのしい作業に心弾んだかもしれない。
しらべもなだらかで「御座候」という、いかめしい昔風な候文もよく利いている。』
こういうの、好きですねぇ~。
人間って、良いなァ~、
って、しみじみ――。
自分も、自己流で作って、
ひとり クスッ、苦笑い、とか
できたらなァ・・・。