『
NHK介護百人一首』の作品では、
「今日もまた」という表現に、よく出会います。
ちょうど5文字だし、使いやすいのでしょうけど、
ちょっとナ…なんて思うこともありました。
でも考えてみたら、
毎日毎日、昼も夜も。
そして、心を籠めてお世話していても、
報われることは少ない。。
この状態がいつまで続くのか。
さらに、症状は、徐々に進んでいく。
そんな毎日――。
そんな中で、
日々の暮らしや想いなどを短歌に綴ることで
「さ、今日も
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」となったりするのでは、
と思うようになったんです。
今日は、5首、ご紹介。
朝も夕も春も冬をも忘れいる
母の爪切る掌の温かさ
――8人の子を育て、いつも農家で苦労していました。
手は黒くて大きかった。
朝顔の数当て競争楽しみに
妻は車椅子を窓辺に寄せる
――朝顔のつるが庭木に這いのぼり、毎朝たくさんの花を咲かせます。
ゴミの日は気を使います
近所の手前目立たないようかさばらないよう
――紙おむつを使うようになって、週2回のゴミの日はグーンと量が増えた。
出来るだけ小さく小さくまとめ、朝早く出すよう心掛けております。
みじろげぬ子の血吸いたる蚊を打ちぬ
音さながらに血しぶきのたつ
――意識回復のないまま臥している息子、
その腕の吸血鬼を見つけて思い切り叩きました。
施設などで、大勢のお年寄りの介護をしておられる
介護士さんからの作品も
多く寄せられるようになったそうです。
「あっちいけ。」怒鳴られた後考える
押しつけ介護自分のエゴだ
――実習の時、リハビリ中の人のお手伝いをしたくて手をとった時、
怒鳴られたことが。
相手が望む介護をしなければ、押しつけになってしまうと感じました。
わたしは、読ませて戴くだけなんですが、
感心したり、希望の光を感じさせてもらっています。