きのうご紹介した『こころと人生』。
河合隼雄さんは、
誰にでも分かる平易な言葉で、優しく語りかけてくれるんです。
この雰囲気がとても心地よい。
も、各所にユーモアが溢れ、ケタケタ笑ったりしながら、
「どう生きていったら良いのか」
「本当の幸せとは」
といったテーマに深く入っていく。
それは、壇上からの有難いお話、ではなく、
隣り同士座って、共に真剣に語り合う という感じ。
この中で、「第二章 青年期の悩み」に、
「羊男」というのが出てくる。
これは、村上春樹さんの『羊をめぐる冒険』に登場するのだそうですね。
「腹の底にいて何かモヤモヤと言っている」
――こういう感じ、あるんですよね、もうと~っくに青年期は過ぎてもね。
そして、ユングの「自分とは」が出てきて、
心理学を分かりやすく読み解いてくださいます。
読み進めていくと「自分なりの世界をもつこと、これが大事です」とある。
「たとえば、俳句でも絵でも、盆栽でも、
なんでも良いから自分なりに味わえる、楽しめるものをもつことです」と。
これはとても大事なことだですよね。
流されない。 評価を気にしない。
自分の今の気持ちにピッタリくる、この思いを表現できるものを見つけ、味わう、
自分なりに――。
以前、私はヘタなりに短歌を毎日のように作って、というか、
浮かんでくる時期がありました。
悲しいにつけ、嬉しいにつけ、短歌に表す というより生まれてくる。
辛いときでも、その 感じ をそのまんまピッタリ表せる作品ができると、
ヘタは承知だけど
それなりに こころが しっくり落ち着いてくるんですよね、不思議と。
なんだか、とりとめのないおしゃべりになってきちゃいましたが、
この本、キラリと光る宝石が各所に散りばめられているようで、
またしばらくしたら読み返したいナ。
なんだか、あったかい大きな手を肩にのせてもらったような感じがしています。