minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

文化の街<吉祥寺>~ちょっと固いイラク問題のお話~

2006年03月06日 | ライブとミュージシャンたち
 ヨットマン(故)多田雄幸著「オケラ5世優勝す」ですが、前回のブログを読んで下さった方から連絡をいただき、さっそく入手する事ができました。この場をお借りして、情報提供して下さった方々へお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 さて、昨日は日曜の昼の部<吉祥寺サムタイム>でコスマスと黒田さんの4人。寝起きでまだぼーっとする中、吉祥寺へ向かう。やはり日曜だけあって人が多い。でも渋谷よりも大人の街って感じがする。1セット目が始まると客席は満杯だったのでちょっとびっくり。昼なので小さな子供連れも結構いる。226に来てくれた友人達もいる。年に一度226しか来ない人の多い中で、すぐにまた駆けつけてくれる友人達に感謝。
 1セット目が終わって休憩していると、村松友視さんの奥様がご主人の最新本を持ってやって来て下さった。山下洋輔ファンの彼女はいつも226に顔を出してくれていたのだが、今回はご主人と2人揃って風邪をひいて来れなかったとの事で、お詫びがてらサムタイムに来て下さったのだ。「こんな昼間から素敵な音楽が聴けるなんて嬉しいわ~。じゃ、お宅のガキによろしく!」と言って颯爽とお帰りになりました。上品で美しいお嬢様というイメージから「姫」と呼ばれているのですが本当はとっても面白い人なんだなあ。
 1セット目に奥の方にいた3つくらいの女の子が2セット目にはお母さんたちのもとを離れて、ちょこんとピアノの横の階段に座って熱心に演奏を聴く姿が見られ、嬉しくなった。いいなあ、こういうの。「このバンドは昼間のライブ、あってますね~。ときどきやりませんか?」とマネージャも大絶賛。また6月あたりに昼間やろうと思いますので、日曜の昼しかこれない方はぜひこちらにいらして下さいませ。

 京都から来てくれた友人もいた。彼はもともと大河画伯の友人で、昔一緒に「リングス(前田日明によって作られた格闘団体/現在はない)」を観に行った仲だ。その頃は障害者施設で働いていたが、その後ポルトガルに渡り、2年前から京都に住んで京都外語大学に籍をおいている。
 京都の仲間たちと「イラク人医師シャキール氏を日本で医学を学ばせたい」という趣旨でボランティア活動を開始。ここで一言で説明するのはとっても難しいのだが、イラクの情勢が今とても悪化しており、大学の教授、医師たちが次々と惨殺されている状態でイラクで医師活動をしていたシャキールさんもヨルダンに亡命、そこで医師としてイラク人患者の治療にあたっている。しかしヨルダンもだんだんと情勢が悪化しており(昨年11月にアンマンで起きた爆破事件以降)、ヨルダンに渡るイラク人たちを排除し始めたという。行き場を失いつつあるシャキールさんをなんとか助けたい、というのが発端だが、同じような環境で死に直面しながらも負傷した人たちを助けたいと思うイラク人医師たちを救う窓口が全くないのが現実だそうだ。日本から自衛隊(武力や銃弾)派遣するよりも、民間の力(ボランティア活動)と医療技術、医療品などで協力してほしい、というのが彼らの訴えなのだ。
 政治とかイラク問題など考えた事もなかった私だが、友人の一生懸命な姿を見ていると何かお手伝いできる事はないだろうか、って真剣に考えるようになってきた。シャキールさんは日本人の活動家の女性と知り合い、イラクの現実を訴えるために昨年、日本講演を行ったそうだ。まず、突破口を開くためにシャキールさんの命を守り、日本の医大で学ばせよう、というのが彼らの考え。そのための渡航費用、入国ビザ獲得、滞在費用、入学費用(併せて120万円)を集める活動が始まった。まずはひとりから、という事。

 自衛隊派遣についても人ごとのような気がどこかでしていた私だが、いざ、自分の息子とかまわりで自衛隊に入るような友達とかが出て来たら・・・と思うととても心配になる。日本の、アメリカとの密接な関係を否定する事はできないのだろうが、もっと違うかたちでイラク戦争のしりぬぐいを手助けしなくてはならない時期に来たようだ。私たちも彼らのために、何かをする必要があるのではないだろうか、とまじめに考えさせられる吉祥寺の夜でした。また進展があれば、このブログにもとりあげたいと思います。

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