minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

今どきの中学生

2006年03月08日 | 家族の日常
 今日はぽかぽか小春日和。そして多田雄幸さんの命日でもありました(おもいっきりテレビで多田さんの事がでる、というのにビデオ録画するの忘れちゃった、ごめん、コージロー!)。

 三鷹市立某中学校「卒業お祝いコンサート」。とっても立派な中学校で市立とは思えない建物にびっくり。もの凄ーく広い体育館でPAシステムもないまま、120名の3年生を相手に演奏する事になった。こんなに暖かいのに、体育館はヒンヤリ・・・。生音だから、ステージから降ろしてまわりを囲むようにして生徒たちに聴かせたかったが、どうしてもピアノをステージからおろせない、と先生方に言われたのでピアノをステージの端っこ、ぎりぎりまで運び、みんなが生音を楽しめるようにセッティング。下から見上げる形でピアノの裏からでる音を聴くという経験もなかなか貴重ですね。コスマスもピアノの生音にそうとう気を使って小物系パーカッションを駆使してくれたお陰で、バランスもよく、迫力もある演奏がなんとかできた。

 まず会場に案内され体育館の外で待機していると、受付のお母さんがバタバタ走ってきた。「しまった、うちの子に逃げられた!先生、息子が脱走したようです。」「他のお母さんたちが体育館の入り口は見張っているはずですが・・・」そんな物騒な会話が飛び交う。「車を体育館のそばにおいているといたずらされる危険がありますので、奥に移動させてください。」「え~?大丈夫でしょ?いたずらされても困るような車じゃないですから。」とコスマスが言うと「いいえ、2、3日前に校舎の2階から自転車を落とされたばかりなんですよ。」げ~!慌ててコスマスも車を移動しに走る。いったいどんな学校なんだろう。ざわざわしていてきっと音楽なんてあほらしくって聴いてられね~っていう子もいるんだろうなあ、と少し覚悟して入場。

 「ご卒業おめでとうございます。」と言っても無反応。脱走者らしき連中がぞろぞろと1曲目の始まったとたん入ってきた。「楽器とか、バンドの経験ある人はこの中にいますか?」とコンサートの途中で話しかけてもし~ん。「みんな眠たいのかな?」と聞いても・・・。のれんに腕押し状態だ。恥ずかしさが先行する難しいお年頃なんだよなあ、それでも演奏が終わるたびに熱い拍手がきちんと返ってくる。うるさいよりはずっといい。後ろ向いているワル餓鬼、こっち見ろよ、とサックス吹きながらテレパシーを送る。気配を感じたのか、目があうと恥ずかしそうに下を向いた。かわい~。

 たっぷり1時間のコンサート終了後、PTAの代表のお母様が「みなさん、なにか質問がありましたらどうぞ。」あれあれ、この状態で誰も質問なんかしないよね~、と黒田さんと顔を見合わせていると「はい!」と立ち上がる男子生徒。「どういうきっかけでジャズをやるようになったのですか?」これにはメンバー全員がびっくり。一人一人ていねいにお答えすると、またほかの女子生徒からも質問が。「ジャズって難しい音楽だと思っていました。どうやったら、ジャズを演奏できるようになりますか?」鋭い質問が次から次に出てくるではないの。みんな熱心に聴いてくれていた証拠ですね。最後には「あなたにとってジャズとは?」むむむ?どこかで聞いたような質問だが・・・困りながらもみんな必死に答えました。コスマスは「わっかんな~い。」って大声で叫び、会場も爆笑。本当に楽しかった~。楽器を片付けていると可愛い女の子が2人近づいてきて「今日はありがとうございました。私ピアノ弾いています。途中で使っていた、ジャラジャラした楽器は何ですか?」などと質問までしに来てくれて・・・な~んだ、みんな素直でいい子たちばかりじゃん。

 帰るときに音楽の先生から「素晴らしい演奏ありがとうございました。みんな生の迫力ある音に感動したようです。やっぱり生の演奏はいいですね。子供達がこんなに熱心に鑑賞してくれるとは思いませんでした。実は3年の授業でバンドを組ませて、全員がドラム、ベース、ピアノなどを演奏させたんです。ですからプロの出す音はやはり違うな、って一生懸命聴いていたんでしょう。」中学3年でバンドを組ませてもらうなんて、音楽の先生が素敵で本当によかったね。

 今日、出会った子供達の中に「ジャズってこんなに楽しい音楽なんだ!」ってミュージシャンを目指す子供がひとりでも現れてくれたらこんなに嬉しい事はないんだけどな。卒業おめでとう!!