実は来月の[Jazz Today]というフリーペーパーに、私はオーネットについてのエピソードを書き、掲載される予定なのだが、オーネットに会えたら話したい事が山ほどあった。問題は英語力だけだ。
「はい、ではこの部屋でお待ちください。お時間も限られておりますので、手短にお願いします。テーブルの右側がオーネットの関係者、左側は山下さんの関係者と2つに別れて座ってください。」なんだそりゃ?囚人の面会じゃないぞ、と思いながら通された部屋はまるで「取調室」のようだった。
グレッグ・コーエンの友人であるS君は「俺たち、どこに行けばいいのかなあ・・・?」「あは、オーネットと山下さん以外はその他なんだね。」楽屋も山下様、オーネット様、バンド、って分けられていたらしい。なんて会話をしていると、遂に山下さんがレナードと共に登場。会場でもスタンディングオベーションで拍手喝采、まだまだその余韻をひきずっている私たちは、いっせいに暖かい拍手で迎える。「いやあ、さっちゃんに鍛えてもらったお陰でなんとかオーネットと共演ができましたよ。」なんてジョークをとばしながら、レナード・コールマンに私たちを紹介してくれた。「彼女がオーネットの曲を僕に沢山教えてくれたんですよ。」それを聞いたレナード「そうなんだ!僕も教わりたいなあ。」いえいえ、turn around とアンコールのLonely Womanくらいしか知らなかったんですけど・・・(汗)。
遂にオーネットが入って来た。まだ着替えていない、うす水色のスーツのままだ。レコードジャケットでいつも感心するのだが、常に彼はおしゃれだ。目がハート型になって舞い上がっている私はオーネットにめちゃくちゃな英語で今日の演奏の素晴らしかった事を伝え、自分のCDと朝書いたラブレターを渡すので精一杯。山ほどあった話、聞きたかった事などすっ飛んだ。くっそ~、英語がもう少しできたら・・・。誰だ、英文科出ているのは?
利樹も感想をオーネットに伝えると「今日は本当に素晴らしい演奏だったよ。」って満足げに答えたらしい。よっぽど嬉しかったに違いない。終始ニコニコ。私たちとの記念撮影にも快諾。やさしいお父さんって感じだった。75才とは思えない。足は少しよたよたとしていたけれど、サックスの音などは全く若々しいまま。「まったく歳は感じないね。まだまだ元気だよ。日本が大好きさ。」今日のお客さんの反応にオーネットはすっかりご機嫌。「ぜひ来年も来て下さいね。本当はもっと小さなライブハウスで聴きたいんですけど。」とうてい叶わぬ夢・・・?
感激してぼーっとしていたら他のミュージシャンや面会人たちがいつの間にか帰ってしまった。私と利樹、そしてオーネットだけが・・・。するとオーネットは私に近づき「書くものをだしてごらん。君に教えてあげよう。」なんだ、なんだ・・・?あわてて汚い手帳を引っ張り出すとオーネットは何やら書き出した。「harmolodic」と書いてから、何だか暗号のようにc,e.g.b.Eb,Gb,Db、、、、と書き、一所懸命私に説明をしはじめた。英語力もなく、ジャズ理論もあまり知らない無能な私は最初メールアドレスかと思った(バカ)。せっかく、あの<harmolodic>を自ら伝えようとしてくださっているのに、神様の言葉が虚しく響く・・・。隣で利樹も必死に英語を聞き取ろうとしているので、ま、とにかくあとで2人で解読してみようと思いつつ、おばかな私は「あ、サインもしてくださ~い。」わかってね~な、こいつ、と思ったかどうか知らないが、オーネットはくるくるっとペンの試し書きのようなサインを残してくれました・・・。<馬の耳に念仏、さちの耳にハーモロディック>とほほ、誰か教えてくれ~。日本語で!
私のオーネットとの出会いはこうして終わったわけですが、山下さんはあと2回(大阪、札幌)と共演なさるそうなので、この「harmolodic」についての謎解きを山下さんに託して雨の中、帰ってきました。「私があと2回でわかった事は全部さっちゃんにつたえましょう。」山下さん、なにとぞ宜しくお願いしまぁす。
「はい、ではこの部屋でお待ちください。お時間も限られておりますので、手短にお願いします。テーブルの右側がオーネットの関係者、左側は山下さんの関係者と2つに別れて座ってください。」なんだそりゃ?囚人の面会じゃないぞ、と思いながら通された部屋はまるで「取調室」のようだった。
グレッグ・コーエンの友人であるS君は「俺たち、どこに行けばいいのかなあ・・・?」「あは、オーネットと山下さん以外はその他なんだね。」楽屋も山下様、オーネット様、バンド、って分けられていたらしい。なんて会話をしていると、遂に山下さんがレナードと共に登場。会場でもスタンディングオベーションで拍手喝采、まだまだその余韻をひきずっている私たちは、いっせいに暖かい拍手で迎える。「いやあ、さっちゃんに鍛えてもらったお陰でなんとかオーネットと共演ができましたよ。」なんてジョークをとばしながら、レナード・コールマンに私たちを紹介してくれた。「彼女がオーネットの曲を僕に沢山教えてくれたんですよ。」それを聞いたレナード「そうなんだ!僕も教わりたいなあ。」いえいえ、turn around とアンコールのLonely Womanくらいしか知らなかったんですけど・・・(汗)。
遂にオーネットが入って来た。まだ着替えていない、うす水色のスーツのままだ。レコードジャケットでいつも感心するのだが、常に彼はおしゃれだ。目がハート型になって舞い上がっている私はオーネットにめちゃくちゃな英語で今日の演奏の素晴らしかった事を伝え、自分のCDと朝書いたラブレターを渡すので精一杯。山ほどあった話、聞きたかった事などすっ飛んだ。くっそ~、英語がもう少しできたら・・・。誰だ、英文科出ているのは?
利樹も感想をオーネットに伝えると「今日は本当に素晴らしい演奏だったよ。」って満足げに答えたらしい。よっぽど嬉しかったに違いない。終始ニコニコ。私たちとの記念撮影にも快諾。やさしいお父さんって感じだった。75才とは思えない。足は少しよたよたとしていたけれど、サックスの音などは全く若々しいまま。「まったく歳は感じないね。まだまだ元気だよ。日本が大好きさ。」今日のお客さんの反応にオーネットはすっかりご機嫌。「ぜひ来年も来て下さいね。本当はもっと小さなライブハウスで聴きたいんですけど。」とうてい叶わぬ夢・・・?
感激してぼーっとしていたら他のミュージシャンや面会人たちがいつの間にか帰ってしまった。私と利樹、そしてオーネットだけが・・・。するとオーネットは私に近づき「書くものをだしてごらん。君に教えてあげよう。」なんだ、なんだ・・・?あわてて汚い手帳を引っ張り出すとオーネットは何やら書き出した。「harmolodic」と書いてから、何だか暗号のようにc,e.g.b.Eb,Gb,Db、、、、と書き、一所懸命私に説明をしはじめた。英語力もなく、ジャズ理論もあまり知らない無能な私は最初メールアドレスかと思った(バカ)。せっかく、あの<harmolodic>を自ら伝えようとしてくださっているのに、神様の言葉が虚しく響く・・・。隣で利樹も必死に英語を聞き取ろうとしているので、ま、とにかくあとで2人で解読してみようと思いつつ、おばかな私は「あ、サインもしてくださ~い。」わかってね~な、こいつ、と思ったかどうか知らないが、オーネットはくるくるっとペンの試し書きのようなサインを残してくれました・・・。<馬の耳に念仏、さちの耳にハーモロディック>とほほ、誰か教えてくれ~。日本語で!
私のオーネットとの出会いはこうして終わったわけですが、山下さんはあと2回(大阪、札幌)と共演なさるそうなので、この「harmolodic」についての謎解きを山下さんに託して雨の中、帰ってきました。「私があと2回でわかった事は全部さっちゃんにつたえましょう。」山下さん、なにとぞ宜しくお願いしまぁす。