NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

森の健康診断 (10月12日)

2013年10月16日 | 学習
第9回土岐川・庄内川源流森の健康診断が開催されました。
朝の天気は申し分無し。


森造り体験コース班は13人の参加者と我々3人の計16人。
中部大学グランドでの開会式の後、森の入り口へ移動して日本の人口林の現状と問題点を座学。
その後再度車で移動し、峠近くの手入れされていない人工林に入り現状を観察。
午前中はここまでで、森の入り口に戻り昼食。


寒くは無かったのですが、思い切って今シーズン初めての焚火をしました。
少し汗ばむほどにもかかわらず、なんとなく皆が焚火の炎をいつの間にか見つめてしまいます。
木漏れ日で輝きながら昇っていく焚火の煙も見飽きません。
お湯を沸かしてカフェオーレを飲んだり、ムカゴを採ってフライパンで火を通し食べたりしている内にのんびりした時が過ぎて行きました。
一応間伐体験もメニューにありましたので、希望者を募って小屋の周りの司会の妨げになっていたヒノキとスギを伐採しました。
間伐作業は、丁度森の入り口脇を閉会式に戻る他の班の注目の的となりました。
我々も急いでグランドに戻りましょう。

グランドに戻り、ゴヘダとイノシシ汁をご馳走になり、閉会式です。
森造りコース参加者の皆さんです。

盛り沢山な一日が無事終了しました。
皆さん、今日森で一日を過ごした事で少しは森が身近なものになったでしょうか。
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今年も森の健康診断が10月12日に開催されます。

2013年10月02日 | 学習
今年も「第9回土岐川・庄内川 源流森の健康診断」が10月12日に開催されます。
美濃の森造隊は、森造り体験コースを担当します。
内容は、森の入り口で森のあれこれの学習と間伐体験と焚火をしながらのおしゃべりです。
(*焚火はその日の天候によりしない場合があります。)
参加申し込みはお早めに。
申込方法等の詳細は、下記チラシを御覧下さい。

森の健康診断の詳しい内容はこちら、 (チラシ表面) (チラシ裏面)
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竹細工講習 補講 (1月13日)

2013年01月15日 | 学習
竹籠造り講習は前回で終了しましたが、途中来られなかった受講生の為に、先生の発案で補講を行うことになりました。
ですから、今回は最後の工程の復習でした。


口枠部分の補強用竹ヒゴの長さを測って切断します。
内側は口の外周長足す14cm、外側は12cmです。

次は、3mの長さの幅広の竹ヒゴで、枠をはめた口部分を枠ごと巻いていきます。


そしてなんとか3時前に完成。
途中何度も挫けそうになりながら、先生や仲間に励まされ助けられて完成までこぎつけました。
竹細工は繊細さと集中力と辛抱強さが必要でした。
なんでもやってみなければ判りませんね。

篭は出来た
山菜の名前も覚えた
場所の当たりは付いている
後は春が来るだけだ



講習終了後、新しい竹藪を見に行きました。
良い真竹がたっぷりあります。
これからは材料に不自由しません。
次は何を作ろうか。
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第8回土岐川・庄内川源流 森の健康診断親子間伐体験 (10月20日)

2012年10月23日 | 学習
昨年の雨を償うかのような晴天に恵まれ、第8回土岐川・庄内川源流森の健康診断が行われました。



受付を初め、準備から運営、後片付けまで全てを中部大学学生さんが行ない、NPO主体で始まったこの森の健康診断も今や中部大学のイベントと行っても過言ではありません。
中部大学関係者、学生の皆さんの熱意と努力には敬意を表したいと思います。
しかし今回も一般参加者が少なく、森の現状を沢山の人に知ってもらい、現状の改善に役立てたいという当初の目的が達成出来ていない現実が浮かび上がりました。
次の手立てを考えなくてはいけません。

美濃の森造隊は親子間伐体験コースを受け持ちました。
4組の親子が参加してくれました。

手ノコで間伐し、シンプルプーリーシステムで掛り木の処理を行ないます。


自分で間伐した木の年輪を調べて人工林の成り立ちを考えます。
この林の林齢は約25年でした。
親御さんにはチェンソーを使った間伐を体験してもらいました。

あっという間に間伐体験が終了し、グラウンドに戻って閉会式に臨む間伐体験班です。

イノシシ肉10kgを使ったイノシシ汁とゴヘダを戴きながら、子供達と小枝でキーフォルダーを造りお土産としました。
子供達に今日の一日が楽しい思い出として刻まれるますように。
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金環日食 (5月21日)

2012年05月29日 | 学習
通勤途中で金環日食に出会いました。
路上に落ちた小さな木漏れ日一つ一つが、月に隠された三日月形の太陽の姿になっていました。

ありふれた日常の裏では何億年も前から太陽と地球と月が動いているし、月に遮られた太陽からこぼれる光だけでもまぶしくて熱い。
そうだったんだ。
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三郷小学校5年生間伐体験学習 (3月13日)

2012年03月15日 | 学習
三郷小学校の5年生19人が午前中を使った課外授業で間伐体験をする事になり、そのお手伝いをしました。
この課外授業は恵那市林業振興課の出前講座で、子供達に森林の大切さを知ってもらうことを目的としています。
スタッフは林業振興課から3人、県の林業課から一人と私の5人です。
先生に引率された子供達は朝一番に学校から車で10分の工業団地脇に集まり、先ずは林業振興課の小栗さんから恵那市の人工林についての説明と、熊や猪の危険性についての説明を受けました。



猪の牙や詳細な資料で猪の危険性が説明されました。

その後直ぐ近くの人工林に移動し、私が担当して間伐を体験してもらいました。




間伐作業は手鋸を使い、掛木処理は梯子とロープと滑車を使いました。
ところが手鋸での作業は意外と手間取り、手持ち無沙汰の他の子供達が遊び始めてしまいました。
子供達が倒したヒノキの樹冠に潜り込んだり、枝を拾って枯れ枝を叩き落としたり、倒した樹の幹を危なっかしく歩いたりし歓声を上げるのを見て最初は焦りました。
しかし、子供達は何でもない物で自由に遊びを作り出し、楽しんでいたんですね。
大人になるといつの間にか失われてしまう何でも楽しんでしまう柔らかな心が、そこには溢れ出ていました。
もしかしたら、そんな心でのこの場の自由な体験の方が、大人が用意した体験より子供達の心に残り、得られるものが大きいのかもしれません。
教科書では森林の働きや大切さに触れていますが、例として挙げられている森林が白神山地であり、そこは林業が行われる事をかろうじて阻止して守られた森林なのに、一方では林業だけが森林を守るための活動として取り上げれたりしていて、今の日本の森林が抱える問題は複雑です。
これからの森林の守り手である子供達には、先ずは森林での遊びを体験してもらい、自分の頭で森林の問題と対処方法を考え実践してもらいたいものです。
そのために何が出来るのかを考え続けたいと思います。

お昼までの短い間伐体験は、無事に終了しました。
色々考えさせられる体験でした。
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森の健康診断、雨で中止 (10月22日)

2011年10月23日 | 学習
「第7回土岐川・庄内川源流森の健康診断」は、雨のため屋外活動は中止となっていまいました。
しかし、一応雨だった場合の屋内での講習が用意してありましたので、中部大学恵那研修センターに参加者は集合しました。

とりあえず、記念撮影。
森は、その中に身を置くだけで五感の全てに沢山の言葉を囁いてくれます。
その機会を生かせず、集った皆さんに森の素晴らしさを何も伝えられないと思うと残念でなりません。

中部大学講師陣による講義が午前中行われました。
今から思えば、一方向からの講義ではなく、テーマ別の小グループで自由に語り合うのも面白かったかもしれません。
恨めしい雨でした。
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阿部家訪問 (3月21日)

2011年03月23日 | 学習
昨夜からの雨がしっかりと降り続いています。
町は軒並み灰色で物憂げです。
明知線飯沼駅の踏切を渡り急な上りに差し掛かると、霧が出てきて、知らない所に迷い込んだようです。
こんな時には小さな暖かな炎が欲しくなります。

今日は井口さん、天野さんと阿木の阿部家を訪問します。
阿部家は夫婦と小学生の子供の4人家族。
お父さんは主夫兼木工家具職人、植木職人、として家を守り、お母さんは看護婦さんとして外で働いています。
5年ほど前に阿木に越して来て、小さな住居小屋ひとつから作業小屋兼ゲストハウス、車庫兼家具展示室、氷室と次々に自力で建物を拡張し、まだまだ開拓は続いています。
阿部家を簡単には紹介し切れませんが、大草原の小さな家のインガルス家を髣髴させる魅力的な家族です。
安部家に着いた頃には雨は小降りになり、空も幾分明るくなりました。

阿部家の建物建具は解体された民家からの廃品を多く利用していますが、それが新しさと古さの融合でいい味を出しています。
特に古いガラス類は今のガラスより不均質で厚みがあり、透過する明かりがやわらかくなります。
屋根に載せている温水器も、原子力発電の余剰電力を使ったエコキュートを導入する家庭が増えたことによる廃品で、ここではしっかり役立っています。
福島第一原発の惨状を思うと、便利さと快適さの名の元に墓穴を掘りつつあるような我々の生活の脆さと馬鹿馬鹿しさがこんな所から見えてきます。

ひょっとするとこれから社会の仕組みが大きく変わるかもしれません。
その時目指す社会とは、いったいどんな姿をしているのでしょうか。
社会主義の理想が現実では実現せず、今度は資本主義の夢が危うくなった今、皆で話すうちにおぼろげながら姿を現した仕組みとは、今まで金でしか買えなかった或いは買おうとしなかったサービスや物を皆で融通し合う、GNPでは計れない経済活動を主とした緩やかな共同体のイメージでした。
それが具体的にはどのような形のものか、これから考え続けて行きたいと思います。

私を除いて今回訪問した井口さん、天野さんと、安部夫婦は30代後半から40代のほぼ同年代で、話は弾み尽きることがありませんでした。
おいしい昼食まで頂いて長居をしてしまいました。
さて、4月から井口さんは高山へ、天野さんは新しい職場へと新たな道にまた一歩を踏み出すそうです。
そこにはきっとまた新しい出会いと出来事が待っているでしょう。
今度会った時にはどんな人と出来事に出会ったのか、楽しい話を聞かせて下さい。
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海、山里の交流(11月29日)

2009年12月02日 | 学習
11月29日(日)、「名古屋みなと建設工事安全連絡協議会」の皆さん85名を「中野方まちづくり委員会」と「美濃の森造隊」が迎える形で山里体験・森林間伐体験が行なわれました。
85名の内訳は、子供24名、母親13名、中学生4名を含む大人男性48名でした。
体験メニューは、子供と母親は午前中は工作教室、午後からは笠置山散策です。
大人は午前中に間伐方法の座学、午後から実習です。

最初に「中野方まちづくり委員会」会長である鈴村さんの歓迎の挨拶から始まり
、協議会からは山林と自宅を開放して頂いたお礼としてハスクバーナ440eチェンソーが贈呈されました。
写真真ん中に写っているチェンソーがそれです。


挨拶を終えると早速大人は焚火を囲み間伐方法の座学、子供たちは刈り取りの終わった田圃に広げたシートの上で工作教室を始めました。



皆さん真剣な態度で座学を受けています。
講師はこの態度に見合う中身のある講義が出来たのでしょうか。

座学の後、チェンソーの扱いに慣れるため少し玉切りを行いました。


そしてお昼には賑やかな昼食になりました。

画面左側では豚汁とイノシシ肉汁の大鍋、バーベキュー、芋捏餅焼き、五目おにぎり、松茸おにぎり、漬物がふるまわれ、真ん中では数か所で夫々中身の違うバーベキューです。
更に画面右側では、早くも午後の焼き芋の準備を始めています。
色々な食材を味見するだけでも広い敷地を歩き回らなくてはなりませんし、種類が多いのでとても全てを口にすることが出来ませんでした。
ところがすっかり寛いでいると、雲行きが少しあやしくなって来て雨粒が落ちて来ました。
雨粒はこの時だけで夕方まで持ちましたが、残念ながら昼休みは少し早めに切り上げ、大人は間伐実習、子供達とお母さんは別にチャーターしたマイクロバス2台で笠置山散策に向いました。

間伐実習で裏山に向う皆さんです。
昨年も感じましたが、いつもは静かな森にこんなに大勢の人が集うのは何だか不思議な光景です。


人数が多いので3班に分かれて実習を行ないました。
3班が互いに姿が見えないくらいまで離れて作業出来る程鈴村さん宅の裏山は、とても広いのです。

実習の様子です。
受け口を作る二つの切断面、追い口を作る一つの切断面を正確に切るのは簡単そうで難しいものです。
しかし、間伐の基本は正確な伐倒ですので時間を掛けて行ないました。


心配していた雨も昼の一時に落ちてきただけで後は降られる事も無く、3時過ぎには山から下りてきた子供達と合流して皆で暖かな焼き芋を頂きました。
こうして盛り沢山の一日が無事終了しました。
今回参加者がかなり多かった事で色々心配しましたが、打ち合わせをほとんどしていないにもかかわらず、協議会の阪本さん他参加者側のスタッフの方々、鈴村さんを始めまちづくり委員会の皆さん、工作教室講師の赤尾さん、そして森造隊の隊員の皆さんの積極的な働きで予想以上にうまく行ったように思います。
とてもいい経験になりました。
また皆さん一緒に楽しいイベントを企画しましょう。
参加するのを楽しみにしています。


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大雨の現地調査(9月12日)

2009年09月15日 | 学習
梅雨時から続いている天候不順で雨の少ない初秋が心配されていたのに、12日の現地調査の日に限って大雨の予報が出ました。
今回の現地調査は、10月24日に行なわれる「第5回土岐川・庄内川森の健康診断」の自然触れ合いコースの下見です。
天然林、手入れされた人工林、手入れされていない人工林を見て回って、森のあるべき姿を探ってみようというのが自然触れ合いコースの趣旨なので、あまり森に馴染みの無い人でもゆっくり歩いて種類の違った森を体験出来る場所を下見しておくのが目的でした。
メンバーは森の案内人として山内さんと杉野さん、生徒として「美濃の森造隊」メンバーの鬼頭さん、青島さん、そして私です。
場所は岐阜県恵那市三郷町鍋山の土岐川現流域です。
多少の雨は覚悟していましたが、調査のために歩き出した途端に雨脚が激しくなりました。

手入れされた人工林に行く途中の湿地の植物を調べています。
湿地の植生は豊かです。
そしてそこで見つけたものは。

猪の足跡です。
体重は100kgを超える大物だと推理しました。
見回すと湿原を中心に放射状に獣道が周りの森に沢山続いていました。
猪は増えているようです。

場所を移動し、土岐川源流の手入れされていない人工林の中で濁った沢を辿っていくと

ついさっきまで猪が遊んでいたヌタ場を見つけました。
しかもこれが源流です。
写真が暗いのですが、これが実際に目に感じた明るさです。
雨は激しくなるばかりで、簡単な雨具のメンバーはずぶ濡れです。
それでもまだ現地調査は続けます。

手入れされた人工林では下層植生が豊かで、クリ、サクラ、リョウブ他が背の高さほどに生い茂っていました。
調べればもっと沢山の樹木を発見できたでしょうが、雨が酷く先を急いだためゆっくり落ち着いて観察できませんでした。

自然林に入るとナラ、ミズナラがゆったり枝を広げて落ち着いた空間を作っていました。
ただその中を流れる恵那市の水道源流の沢に濁り水が流れていました。
自然林上流の僅かな人工林で表土が流れ出しているようです。
確かに雨脚は強いのですが、降り始めからたいした時間が経っていないのに流れ出した表土と元になった人工林の面積を考えると、いったいどれだけの量の表土が見える範囲の森から流れ出しているのでしょう。
恐ろしくなります。

こうして何とか現地調査は終了しました。
しかし雨で写真を撮る余裕がありませんでした。
今度は晴れた穏やかな秋の日に同じコースをゆっくりと巡りたいと思います。

さて、サルトリイバラは猿がその実を取るのでそう呼ばれるのか、逆にサルを取る(捕まえる)のでそう呼ばれるのかどちらでしょうか。
植物の名前の由来はよく観察すると確かに腑に落ちます。
解らないという皆さんは一度森でサルトリイバラをゆっくり観察してみて下さい。

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