NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

森の手入れは誰がするのか(1月24日)

2010年01月25日 | 間伐
鍋山の三郷町野井の山主さん宅裏山で間伐をしました。
山主さんの家族は春日井に住んでいるのですが、高齢の母親の世話のため自分だけ野井の実家に暮らしているのだそうです。
この山主さんも60代後半です。
休憩時に眼下の大きな民家を見下ろしながら、あそこもあんなに大きな家なのに3人しか住んでいないと説明してくれました。

民家の軒先の大きな柿木と御嶽山です。
空気が冷え込み日の当たらない地面は硬く凍っていました。
間伐日和のとてもいい天気です。

山主さんと一緒に相談しながら間伐を進めました。
大きなヒノキが何本か密植している場合には、真ん中の一番大きな木を木を切りましょうという私の意見と山主さんの意見が分かれて結局はもう少し様子を見ましょうということになるのですが、当然でしょう。
材としての価値が充分過ぎる程ある木は同時に生命力に溢れ、とても簡単に切る気にはなれません。
間伐のためにやむなく切る必要があっても、利用出来なければもったいなさ過ぎます。
木を搬出する手段が人力しか無いのですから。
ここに簡単な林内作業車があれば迷いなく間伐作業が進められます。
こんな森が身近に沢山あります。
そしてこうした森を長年育てて来た志のある山主さんは高齢化して、一人ではもう山の手入れが出来なくなっています。
今こうした人達に一緒に活動出来る仲間と小型林内作業車程度の林業機械が提供されれば森の手入れは間違いなく進みます。
山村の活性化や森林環境の改善は簡単な事です。
境界線の確定が難しいとか採算が合わないとか、森の手入れが出来ない理由を並べ立てているだけの多くの人達に、大規模林業からの発想の転換と簡単で効果的な実際の行動をお願いしたいものです。


山主さんはもう一度森の手入れをするために、ハスクバーナのヘルメットとチャップスを新調しました。
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アバター(1月23日)

2010年01月24日 | 遊び
「アバター」を名古屋駅前ミッドランドスクウェアで観てきました。
噂の3D映画です。
最初の宇宙船内のとんでもなく奥行きのある画面で早くも目の焦点が合わず頭が痛くなりましたが、驚きに気を奪われている内に直ぐに慣れ、専用メガネの装着の違和感も忘れて2時間半を堪能しました。
楽しい時間でした。
この映画は理屈抜きにワクワクする楽しさに溢れています。
冷静に考えるとおかしい展開があっても、画面の現実感と迫力とスピードに圧倒されて押しまくられるといった感じです。
高度感と浮遊感は恐怖を感じるほどリアルです。
ナビィの村の巨木が焼かれるシーンの煙のすさまじさ。
空に浮く山塊の間を行く爽快感。
木の精が漂う美しさ。
子供の頃の空を飛ぶ夢から覚めてもしばらく覚めない少し幸せな時間。
そんな感覚の映画でした。
最近映画から足が遠のいている皆さん、単純なアクション物と馬鹿にしないで観賞をお勧めします。

追伸
シガニー・ウィーバー扮する生物学者が、「この星の価値は鉱物資源なんかじゃなくて、地表を覆う植物の根のネットワークなんだ」と主張しても一顧だにされなかったシーンにははっとさせられました。
地球の森の地下に張り巡らされているはずの沢山の根にも、まだ知らない不思議な世界があるのかもしれません。
そして、ジェームズ・キャメロン監督は「天空の城ラピュタ」と「風の谷のナウシカ」にかなりの影響を受けているに違いありません。
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寒さ続いています。(1月17日)

2010年01月18日 | 間伐
年末以来の寒さが続いています。
朝8時の国道19号線慎ヶ根で-6℃でした。
暖冬の予報が今のところ裏切られているわけですが、このところそういえば秋にはカメムシが多かったと思い出す人が出てきています。
実は私も思い出しました。
今まではカメムシの多さが雪の多さに比例するなどというのは気のせいだと思っていましたが、今は自然界は思っていた以上に未知で奥深いものかもしれないと肌で感じています。
さて、そんな寒さでも「美濃の森造隊」はいつもと変わらず間伐作業を続けています。
今回は中野方での新しい間伐地に挑みました。
鈴村さん裏山の間伐をひとまず終了して、今年から新しい場所で間伐作業を進めます。
そして本日が初日です。

ここは春から利用しようとしている棚田の山側に広がる林です。
棚田への陽を遮っているので間伐することになりました。
雪がこんなに残っています。
当然暖を取るために焚火をしたのですが、生木のヒノキの枝は葉ばかりが燃えてなかなか幹に火がつきません。
燃え上がった炎が持続しません。
乾いた枝をくべればいいのですが、集めるのが大変でどうしても手近にある切ったばかりの間伐材の枝を使ってしまいます。
その結果、最後まで安定した暖は手に入りませんでした。

普段はあまり経験の無いスギの中径木の伐倒です。
木が動き出したら早目の待避をします。

午後からは二班に分かれて、もう一班は少し離れた場所を間伐しました。

写真はもう何度もブログに登場している現役女子大生西田さんです。
最初に教えたとおりに手間隙を掛けて正確に作業しようとしています。
少し慣れてくると作業が雑になる傾向がありますが、彼女はまったく最初と変わりません。
こんな人がもう少し体力をつけてくれば、間違いなく優秀な杣人になれるでしょう。
これからも是非この活動を続けて行ってもらいたいものです。

本日の作業は私以外の参加者は全員長靴を履いていたのですが、私だけいつものブーツを履いて作業しました。
当然ブーツの簡単な防水機能は役立たず、直ぐに水が沁みてしまい一日中足が濡れていました。
これはかなりつらく、午後には足先の痛みが耐え切れない程になりました。
焚火がうまく行かず、足を乾かす事が出来なかったのも誤算でした。
冷え切った足先はどうやらひどい霜焼になったようです。
雪の中の作業では冬用のスパイク付防水長靴を用意する必要がありますね。

棚田の山側の林はすっかりきれいになって、正面の笠置山の眺望が開けました。
ここで農作業に疲れた身体を休め景色を楽しむのはいいかもしれません。
これから忙しくなりそうです。

追伸 
前日16日の恵那山と中央アルプスです。
久しぶりにきれいに雪化粧しました。


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あけましておめでとうございます。そして今年1年の抱負(1月10日)

2010年01月12日 | 間伐
遅くなりましたが、みなさんあけましておめでとうございます。
1月10日に「美濃の森造隊」としての今年最初の活動を三郷で行ないました。
年末から年始に掛けて恵那も雪に見舞われ、標高の高い所では林道や林床に雪が残っている事も予想されたので、10日の現場は拓志館近くの里山を選びました。
ところが前日の雲ひとつ無い穏やかな晴天とはうって変わり、10日の朝はまたもや雪に見舞われました。
しかし雪は昼頃までと予報されていたので、予定通り作業をする事にしました。


こんな日の現場で最初にする事は、焚火ですね。

以前に切り倒した杉の枝払いで出た枝が沢山あったので、それを積み上げ火をつけました。
しかし生木は盛大に煙を上げるだけでなかなか炎を上げてくれません。

やっと炎を上げ始めました。
焚火の場所はアスファルトが切れたほんの道路沿いです。
街中では当然ですし、田舎でも普通はこんな所で焚火ははばかられるのですが、山主さんの了解も得て思い切って火を焚きました。
焚火でもなければ、こんな寒い日の外での作業は意気が上がりません。
勢い良く燃え上がる炎の火力は強く、寒さに凍えていた身体が今度はあっという間に火傷しそうになる程です。

今回はいよいよ道路側に面した大きなスギを切り倒す事にしました。
日を沢山浴びて道路側にしっかりと枝をつけています。
荷重が道路側にかかっているのを間違いなく、反対側に倒すためにロープで牽引し、楔も使って慎重に切り倒ス事にしました。

写真左手が直ぐに道路に面しています。
スギはヒノキより破断しやすいので、ツルは多めに今回は5センチ程を残しました。


無事伐倒し、切れ味を常に保つために切り株を使って目立てをしています。
倒した材は玉切り、枝払いをし、枝払いした枝はせっせと焚火に運びました。
以前倒した材の片付けも行い、現場が随分すっきり片付きました。
慎重に作業したのと、焚火の世話と片付けで忙しく、午前中は道路沿いのスギを3本切り倒しただけで終わりました。

午後からは少し林に入り、日を遮っている大きなヒノキを伐倒しました。

このヒノキはどうしても山側に倒さなくてはならず、面倒な掛木になりましたので、楔を使って伐倒木を谷川に滑り落としました。
滑り落ちる際には瞬間的に伐倒木が動くので、下敷きにならない様に動き出す方向と距離を慎重に見極める必要があります。

14時を過ぎると足が少々悲鳴を上げ始めました。
現場はたいした斜面ではありませんが、短い距離でも結構上ったり下りたりしていますので運動量は多いと思います。
そんな訳で本日の作業は終了する事にしました。
焚火も大量の枝がすっかり小さな白い灰の一山に変わっています。

今年もこうして込み合った人工林に太陽の光と新鮮な風を届けて行きたいと思います。
しかし最近は切り倒した間伐材の処理が気にかかります。
山主さんは間伐材といえども自分で育てた木には愛着があります。
山主さんと何度も一緒に作業していると我々も何とか間伐材を搬出して利用出来ればという想いが強くなってきました。
やはり山の手入れは、間伐、搬出、利用というサイクルで気持ち良く完成するように思います。
このサイクルで一番困難な搬出作業を、林内作業車と簡易索道の組み合わせで行い、今年はこのサイクルを何とか完結するような一レベル上がった山の手入れを進めて行きたいと思います。
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