NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

間伐講習会(3月23日)

2008年03月25日 | 間伐
「美濃の森造隊」が活動を始めて1年になりました。
新たな気持ちで活動を再開する区切りとして、安全な間伐技術を身につけるための講習会を行いました。
講師にはウッズマンワークショップの水野さんをお迎えしました。


午前中はいつもの場所でいつもの方法で作業をする我々の作業を水野さんに一人ひとりチェックして頂く方法で講習が行われました。
チェックを受けた項目を箇条書きにすると
(1)チェンソー始動時のチェンソーの固定
(2)正確な受け口の作成
(3)必ずツルを残す事
(4)作業位置、姿勢
当たり前で簡単そうな事ですが、意外と確実に精度高く実行するのは容易ではありません。




そこで技術を高めるための心構えや方法を指導して頂きました。
(1)伐倒時の精度は先端で10cm以内を目指すこと
*伐倒1本1本に常に精度を求める。作業精度の向上は安全な作業を行う為の必須条件であることを意識する事。
(2)等高線に沿って倒す事
*我々が作業している現場ではほとんどのヒノキが谷側の枝が大きく成長しているため谷側に荷重がかかっています。そこで伐倒方向はほとんどが谷側です。そうするとある程度山側から追い口を切り込むと木が倒れ始めます。そして結果的にツルが残った状態で伐倒する事が出来ます。しかし等高線に沿って倒した場合には木は自然に傾いてくれませんので、注意しないとツルを切り過ぎます。ですから等高線に沿った伐倒は谷側への伐倒より注意が必要です。木が倒れていくのと木を倒しているのとでは技術力がまったく違うという事を意識しなくてはなりません。
そして追い口を切る際は山側から行う事。傾斜が急な場合、山側での作業が窮屈な気がして谷側から作業しがちですが、谷側に加重がかかっている木で山側のツルを切りすぎてしまった場合には、谷側にいる自分に木が倒れ掛かってくる危険があります。
また倒した木の跳ね上がりも予想し、安全な位置での作業、待避可能な姿勢を意識する事。
(3)受け口、追い口を切る際には必ず途中で作業を止めて切り口の精度を確認する事
*山側、谷側に向っての作業は傾斜に惑わされてソーバーを水平に保つ事がより難しくなります。困難な状況ではより技術力に差が出るため自分の技術レベルが判りやすい。

どんな体勢でもソーバーを水平に保ち精度の高い受け口を作るためにこんな練習もしました。


午後からは便利な道具の説明とロープワークを指導していただきました。
クライミングの道具とロープワークでチルホールと同じように軽い力で引っ張る事が出来ます。






道具は格段に軽量化されます。
またオリジナルの木登り器には感心させられました。




現場は林道から近い場所ばかりではない訳ですから、道具の軽量化は重要です。
道具を色々考えるのも楽しそうです。

講習は16時過ぎまで行われました。
それ程身体を動かしていたわけではありませんが、隊員皆疲労感と充実感を味わいました。
今回指摘を受けた点を忘れずにこれからも安全な間伐作業を続けて行きたいと思います。
水野さん清藤さん隊員の皆さんありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする