NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

第6回土岐川・庄内川源流 森の健康診断(9月25日)

2010年09月27日 | 協力
快晴の空の下、参加者スタッフ合わせて200人近くの森を愛する人々が集まり、
「第6回土岐川・庄内川源流 森の健康診断」が開催されました。
我々は間伐体験チームの指導者として横井さん、鬼頭さん、宇井さん、森岡の4人が参加しました。



間伐体験受講者は14名。
9月12日のリーダー研修を行なった佐々良木の森林で間伐実習を行ないました。
人工林の土壌流出の危険性、間伐の必要性、それがなかなか進まない現状等を途中の間伐現場を参考に説明後、実習現場で混み具合調査を行なっているところです。


午後から各自間伐体験を行ないました。


短い時間でしたが、森林の現状と対策の一端を覗いていただきました。

今年の森の健康診断で「土岐川・庄内川源流 森の健康診断」は6回目となりました。
内容は少しずつ変化し、昨年から一般的な森の健康診断コースと、自然をより深く理解出来る自然観察コース、人工林の実際の手入れの方法を体験する間伐体験コースと内容が多様になって来ています。
スタッフとしての中部大学の役割も大きくなり、年を追う毎に充実しています。
今後は、参加者が実際に継続的に人工林の手入れを行い、豊かな森林に変わっていく様子を観察しながら長い年月に渡って森に関わって行けるメニューを加え、いつまでもこのイベントを成長させ続けて行きたいものです。
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佐々良木山林間伐一区切り(9月20日)

2010年09月22日 | 間伐
あと1日では終わらなかったのですが、佐々良木伊保中切で始めた山林の間伐がとりあえず一区切りつきました。


しかし作業の手を休め林内を眺めていると、まだあそことあそことあそこを間伐したいなという場所が次々に見えてきて、本当はなかなか区切りがつけられません。
でも大分良くなりました。
そしてそんな気持ちになった時を自分なりの基準で一区切りとしています。
でも「良くなった」って随分あいまいな基準ですね。
スギやヒノキの人工林では、相対幹距Sr20を間伐の基準としています。
それに従うと大体30%から40%の間伐となりますが、間伐材を搬出出来ず利用できない現場では心情的になかなか数字通りまで間伐出来ません。
しかし4,5年で広葉樹との混交林を目指すなら30、40%どころか50%以上の間伐が必要でしょう。
どこまで手を入れたら森はどう変化していくのでしょう。
人工林の環境改善の結果を確信するにはもちろんの事、変化の兆しを見つけるだけでも4,5年では足りません。
今は間伐の結果を一生懸命想像力で補うだけです。
「良くなった」という感覚は、想像力を一生懸命働かせて豊かな森がイメージ出来た時に訪れる感覚です。
今はまだこの感覚を頼りに作業をしています。

追伸
作業をしている内に気付きました。
この現場は、以前間伐した他の現場の小さな尾根を越えた直ぐ隣でした。
点状の小さな作業が結びついて、面に広がりました。
隣の現場
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猪の運動会?(9月19日)

2010年09月21日 | 自然農
猪の脅威を甘く見ていました。
猪の仕業と決め付けますが、畑が盛大に荒されました。
涼しくなってはしゃいだのか、元気一杯縦横無尽に畑を掘り起こした様です。
猪の喜びの雄叫びが聞こえてきそうです。

確か小カブや豆を播いてあった場所です。
畝の跡形もありません。


サツマイモも掘り返されていました。
近くにあったピーナッツは、豆だけでは無く茎までも見当たりません。
よっぽどおいしかったのでしょう。


サトイモは少し掘り返した跡がありましたが、無事でした。
お好みではないようです。


ネギしか植わっていない場所も掘り返していて、どうやら気まぐれにあらゆるところを掘り返しおいしい物があればそこで饗宴を繰り広げたようです。
容赦がありません。

ところが、入った形跡はあるものの下の段のサツマイモは無傷でした。
そこで、まだ早いような気がしますが、このまま猪にやられてしまうよりはと収穫する事にしました。


予想外に大きなサツマイモが沢山収穫できました。
猪のショックも少し和らぐ満足な出来です。


沢で土を落とし、横井さんと分け合いました。


午後からは谷側に傾いてしまっていた小屋をチルホールで立直し、筋交いで補強しました。

来月になればここで焚火をして暖を取る事になるでしょう。

春のジャガイモは無事だったのに、今回は見事にやられました。
猪が畑に慣れて来たのか、猛暑で山でも食べ物が不作なのかは解りませんが、我々のつたない畑でもとうとう猪の被害に遭いました。
今年恵那では熊の目撃情報が多数寄せられて、最近夜になると頻繁に防災無線で熊に対する注意が呼びかけられています。
実際今月の初め、東濃牧場で雄熊が捕獲され殺されました。
いつの間にか猪や鹿や熊が里に出没して農作物や人にまで頻繁に被害を与えるようになりました。
特に熊の出没は尋常な状況ではありません。
山里では野生動物と人間が頻繁に遭遇するようになり、人は電気柵や囲いで防御するか銃や罠で殺すかの、守るか殺すかの二者択一の対策に追われています。
しかし、三番目の共生という方法も検討すべきでしょう。
これが人と獣の永遠に続く不毛な戦いを終わらせる唯一の手段です。
それには先ず、里山を囲う見渡す限りの人工林を半分以上自然林に換えることです。
自然林の持つ豊かな土壌、多くの動物を育む多様な植生を回復させる事です。、
森林の多様性、動物の多様性を維持していく大切さは、今身近のところで我々に突きつけられています。
日本の不自然な人工林の問題は、COP10では話題になるのでしょうか?
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土岐川・庄内川森の健康診断リーダー研修(9月12日)

2010年09月13日 | 協力
暑さの勢いは何時までも衰えず、本日も酷暑です。
しかし、スケジュール通り稲は実り、恵那では稲刈りが始まりました。
写真は本日の土岐川・庄内川森の健康診断リーダー研修の現場入り口の棚田の稲刈り風景です。
遠くの田圃も黄金色に変わり一見穏やかな秋の風景に見えますが、暑いです。
夏ばて気味の身体にこの暑さはこたえます。
つい泣き言をこぼしてしまいます。


しかし暑さにもめげず、25日の森の健康診断でリーダーやサブリーダーを務める一般参加の3名を含めた中部大学の学生さん総勢33名が、現場研修で佐々良木の山林に入りました。


これだけの人数が一度に山林に集まるのは、年に何度もありません。
ここで参加者は5班に別れ、夫々の班が本番と同じメニューで健康診断を行ないました。
それを我々のメンバー三宅さん、横井さん、助太刀をお願いした中野方の山主さん鈴村さんと私の4人でチェックを入れながら御手伝いします。


樹高は24m程、昨年の現場と比べるとかなり背の高いヒノキの人工林です。


釣竿を使って100㎡の範囲内の立木本数と胸高直径を計測します。
結果は1400本/ha Sr=14 で超過密。
Sr=20に導くには900本/haまで間伐。
35%の間伐率でした。

そして午後から間伐実習を行ないました。
出来るだけ楽に安全に間伐を行なうには、掛木にならない様に正確に伐倒が大切という事で、正確な受け口、追い口の切り方、ツルの残し具合を指導しました。

伐倒したヒノキの木肌の手触りを皆で確認しました。
皆さんひんやりと少しぬめる象牙色の木肌がお気に召したようです。


3時には山を下り、拓志館に戻って反省会を行ないました。
どうやら参加者は、計測したデータの意味をもう少し掘り下げて理解する必要がありそうです。
それにはもっと森林に触れ合う機会が必要です。
これからは、森の入り口まで来た人達が間伐を含む森林体験を、何年にも渡って継続的に行なえる場所と機会を作り上げる必要があります。

追伸
前日、今回の実習現場の近くの山林に入りました。
広葉樹と針葉樹が高さを競っています。
どちらかというと広葉樹が優勢です。
この場合、この山林の管理方法と未来の姿はどの様なものでしょうね。
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中央アルプス空中散歩(8月30日)

2010年09月01日 | 遊び
今年も遅い夏休みを取って山に登ってみました。
今回は手近な中央アルプスにしました。
一日目は木曽の奈川ダムから木曽殿山荘へ上り、2日目は空木岳、南駒ケ岳、越百山を縦走し、奈川ダムへ下る1泊2日のコースです。
1日目の行程は5時間半、2日目は11時間半でした。
木曽殿山荘は、百名山の一つである空木岳に上る駒ケ岳から縦走して来る宿泊客が70人以上あって、布団一つに二人という有様でした。
寝付けず夜中に外に出てみると、満月に近い月明かりでも満天の星が輝き、天の川は天空を横切り、夜明け間近には、冬の星座の代表格のオリオン座が空木岳の上に上ってきました。
山上での雄大な星空を味わえただけでも山に登る価値がありました。

出発間際の木曽殿山荘から見た5時15分の御来光です。
明日からは右手に見える空木岳の斜面に隠れて、水平線からの日の出は見ることが出来ません。


空木岳山頂、後方には御嶽山。
ここで賑やかな100名山登山ツアー客と別れて一人だけの縦走が始まります。


赤梛岳から見た南駒ケ岳です。
真っ直ぐに行けそうですが、途中に150m程のアップダウンがあります。


仙涯嶺です。


行程最後のピーク、越百山です。
ここから右手に下ります。


今回の山登りでは、改めて100名山への登山客の集中を思い知りました。
100名山を目指して山登りを続ける登山者は、概してピークを極めるだけを目的としてせわしない印象です。
何だかもったいない気がして、もう少し違った楽しみ方もあるのではと余計な心配をしてしまいます。
ともかく、次回の山登りはテント泊を検討しなくてはなりません。
今回は、空木岳からの静かな山歩きが特に印象的でした。
その余韻は、3日経っても気持ちのいい気分とふくらはぎ、太腿の筋肉痛として残っています。
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