NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

雨の南木曽岳 (7月21日)

2012年07月25日 | 遊び
今年の夏も空がおかしな事になっています。
梅雨がやっと明けて酷暑の日々がやって来たと思ったら、最初の週末は冷たい雨になってしまいました。
眺望が楽しみの南木曽岳登山のこの日に、よりによって雨など降らなくてもいいのに。
しかし、雨は午後から曇りの予報を期待して予定通り登山口を出発しました。

出発直後の今日のメンバーです。
雨にめげるものかと意気軒昂です。


出発して直ぐの遊歩道に踏み入ると、コウヤマキ、アスナロ、ヒノキの大木の森が広がっていました。
水と微かな木の香りと、長い年月が作り上げた落ち着いたたたずまいがいいですね。
我々が手掛けている間伐が必要な人工林とはまったく違います。
本物の森とはこんな姿なんでしょう。

急坂を半分ほど上り、コウヤマキの群生林で一休み。
雨は休みなく降っています。
この頃は汗と雨で全身ずぶぬれです。

カメラも濡れてしまうので、ゆっくり撮影していられません。

急坂を喘ぎながら何とか2時間半程で頂上に着きました。
残念ながら展望台からは何も見えません。

登頂の感慨に耽ることなく先を急ぎ、小屋にたどり着いて雨具を脱ぎやっと一息つきました。
雨をしのげる小屋のありがたさをしみじみ感じました。

ゆっくり休んで雨が上がるのを待ちましたが、雨は降り続いています。
小屋を出てしばらく進み、晴れていたら中央アルプスの全景が見えるだろう場所で眺望を想像して記念撮影です。


下山は500mの標高差のほとんどが梯子を下るという急涯でした。

その急涯に張り付くようにまたは岩を抱き込むようにして生きている大木の生命力には圧倒されます。

岩を抱き込む根株の奇怪な姿は、霧の中に隠れる不思議な動物のようです。


2時過ぎに無事下山。
最初から最後まで雨の南木曽岳でした。
一日中雨合羽を着ての山歩きと一瞬も気を抜けない急涯、コウヤマキ群生の迫力。
大変でしたが、豊かで力強い森を満喫した楽しい山登りでした。
また少し目指すべき森のイメージが見えて来ました。
次は9月下旬の聖岳登山を計画しています。

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共販代金清算書(2) (6月30日)

2012年07月03日 | 間伐
6月9日に岐阜県森連東濃共販所へ運び込んだ材の販売結果が届きました。
搬入の様子は、こちら。
そして販売結果は、材積 7.766立方メートル 本数 119本 販売代金 64,241円 で、単価は、8,272円/立法メートル 539円/本 という事になります。
販売価格詳細は、こちらで確認して下さい。
この現場からは2回目の搬出で、前回の販売結果は、こちらです。
さて、販売価格は安いのでしょうか高いのでしょうか。
感覚で言えば、安過ぎます。
経費詳細を積み上げ検討したわけではありませんが、この販売価格ではとても支出と収入が釣り合いません。
この価格で収支のバランスを取ろうとすれば、とんでもなく効率を上げるか、質の良い材だけを搬出するしかありません。
効率を上げるためには機械化と粗雑な作業が必然となり、逆に高投資に苦しめられ山は無残にも荒れ放題となるでしょう。
しかし、日本で一番質のいい材を抱え大規模に運営されていた国有林野事業でさえ、とっくに破綻したことを考えれば、日本での林業という産業モデルは既に成り立たなくなっているのかもしれません。
それをむりやり補助金で支えているというのが今の日本の林業の姿のような気がします。
ところが、相変わらず今まで通りの素材生産林業こそが山村の窮状を解決する唯一の手段だという思い込みが多くの人々を捉えていて、人と森の最適な関係を築く妨げとなっています。
これからも森と共に人が生きていくためには、固定観念から一度離れて森と人との関係を見つめ直す必要があります。
皮肉にも、林業が産業として成り立たず森林の過剰利用による荒廃を防いでいる今が答えを見つけ出すチャンスです。
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