NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

火の恋しい季節 (11月26日)

2011年11月29日 | 間伐
今朝は快晴、空気が肌に痛く、どうやら今シーズン一番の寒さです。
待ち合わせの拓志館から見える中央アルプスの峰々は真っ白に輝いています。
ほんの少し見える御嶽山の山頂も、手前の暗い緑の人工林の山々と青い空に挟まれ、白い雪化粧が映えています。
恵那山は粉砂糖をまぶしたスポンジケーキのようで、こちらはまだ本格的な雪になっていません
今回も「森とくらし隊」との共同作業で東濃牧場近くの現場に入りました。
前回の間伐作業で少し林内が明るくなってきたので、中が更に良く見えるように道路沿いの間伐を行いました。

道路沿いには配電線が張られているので(写真右上部)、伐倒方向は決して間違わないように細心の注意が必要です。
森とくらし隊のメンバーは、こうして少しずついろいろな状況での間伐作業を経験して逞しくなって来ました。

作業をする姿もいつの間にか自然と様になっています。

昼休みはできるだけ陽のあたる場所で取りましたが、体を温めるだけの力が無く、焚き火の火が恋しくなりました。
外で体を動かしていると夏の暑さや冬の寒さが良く判ります。
その都度、暑い時には木陰や沢水の涼しさや旨さ、寒い時には日向や焚き火の炎の暖かさが身に染みて有難く感じます。
山にいると体の感覚が少しだけ敏感になり、動物に近づく気がします。
しかし、ここは東濃牧場を行き来する車が通る道沿いですので今回は焚き火は我慢します。

晩秋の日の傾きは早く、午後2時過ぎには照度が落ちてくるので作業は終了です。
現場の周りの自然林では、ムラサキシキブ、タカノツメの実が綺麗でした。

ムラサキシキブ、


タカノツメ
(この木の名前はなかなか判らなかった。)

いよいよ秋が終わり冬が始まりました。
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雨が降る前に (11月23日)

2011年11月23日 | 間伐
永田の高安寺に切り捨ててあったヒノキを、除夜の鐘つきの際のかがり火用に玉切りをして片付けました。

まだ薪割りをしなくてはなりません。
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中野生産森林組合作業 (11月20日)

2011年11月23日 | 間伐
19日に季節外れの大嵐をもたらした南風が、暖かく湿った空気を置き土産として残し行きました。
おかげで、20日の朝は少し体を動かすだけ汗ばむほどでした。
最近は、何年ぶりのとか季節外れのとかの形容詞がつく気象が多い気がします。
今日は中野生産森林組合の作業員として山林作業に参加します。
最初は、槙ヶ根にある一里塚公園で先週刈払った草の片付け。
とは言っても取り立ててやることも無く、片付ける振りをして公園を散策。


山茶花。


小さなサクランボの様な実をつけたソヨゴ。


黄葉と枝振りが目を引くクヌギ。
ねじれながらも絡まったりしないでバランス良く空に伸びる枝。
この木には遊び心があるのでしょうか。

樹木の観察をしながらの山歩きはとても楽しい一時です。
しかし、この公園では何か違和感を覚えるのです。
歩きやすい車も走れるほど広い歩道、芝生、桜並木、ドウダンツツジの生垣、刈り取られた下草、これがなんだか居心地が悪い。
ここは本来であれば、コナラ、クヌギ、シャクナゲ、カエデ、等が自由にのびのびと競い合いながら生きている自然林のはずです。
それを、公園とはという思い込みの下手くそなデザインで植物を配置したり刈り取ったりして手を加えていることに対する違和感です。
おまけに、すぐ近くの高速道路を走る車の騒音が途切れなく響いています。
山林に公園は似つかわしくありません。
自然と触れ合うためなら、せいぜい人が歩ける程度の遊歩道を作るくらいが適当でしょう。
自然が持っているデザイン力に人の想像力はかないません。
大人しくおじゃまさせていただく位で済ませておきましょう。

残念ながら、ここで不法投棄ゴミを軽トラック1杯分回収して片付けました。
車が通れる遊歩道脇の法面に投げ捨ててありました。
馬鹿な大人には、山林が大きなゴミ捨て場に見えるのでしょうか。

午後から場所を移して、間伐と相変わらずの下草刈りを行いました。
しかし、中野生産森林組合が間伐作業をとうとう始めたことは、小さな一歩ですが楽しみな出来事です。




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小秀山散策 (11月5日)

2011年11月08日 | 遊び
6月に雨で中止した小秀山散策をやっと決行しました。
しかし今回も予定日の天気予報は日を追う毎に悪くなり、とうとう前日の予報では午後から雨の予報が出てしまいました。
計画はなかなか理想通りの展開にはなってくれません。
8時に加子母乙女渓谷駐車場に5人が集合し、空を見上げて降り出しが遅れてくれるよう祈り早速出発しました。
駐車場には既に東京ナンバー等の車が5台駐車していました。
ここは遠くからの来客が多いようです。


二ノ谷登山道は渓谷沿いに木道がよく整備されていて、夫婦滝までなら快適な散歩道です。


和合の滝と命名されていました。
程よい高さの滝と程よい滝壺で、夏の暑い盛りなら水浴びが気持ち良さそです。


夫婦滝です。
写真では大きさが判りませんが、落差80m程、なかなかの迫力です。
ここから急登になり、まず一気にこの滝の左側を登りしばらく岩場、痩せ尾根が続きます。


山頂が近づくに連れ、南側の尾根を雲が乗り越えて来て時々霧が目の前を流れるようになりました。
全てが雲に巻かれてしまう前に北側の山並みをカメラに収めました。


そしてやっと兜岩に到着しました。
ここまで3時間半、小秀山はここから尾根伝いに後1時間かかります。
雲の勢いを考えると雨は確実に近づいています。
今日の行程はここまでとするのが良さそうです。

岩の上で待っていると一瞬霧が晴れました。

出発時に見上げた周辺の山々が全て眼下に見えています。
随分高い所まで上ってきました。
風を避け、岩陰で食事をし13時に下山を開始。
岐路は途中で三の谷に入り、ジグザグの緩い勾配を下って行きます。


ナナカマドが赤い実だけを残していました。


更に下って人工林に入ると、ギャップにシロモジの小群落の黄葉が鮮やかでした。


林道に出た頃には雨脚が強くなり、最後の工程は雨の林道歩きとなりましたが、安堵感や満足感もありおしゃべりをしながらの楽しいひと時でした。

乙女渓谷は急勾配で集水域も狭いのに澄んだ水の豊富な不思議な谷でした。
樹木も変化に富んでいて、印象に残る山歩きが楽しめました。
次はどこの山を散策しましょうか。
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桜の木を切り冷や汗 (10月30日)

2011年11月03日 | 間伐
小雨が時々降る中、高安寺建物裏山の桜の木を切りました。

法面上部で建物側に覆い被さるように生えていて、枯れ葉が屋根に積もり樋を塞いでしまうのです。
他の所でも同じように裏山の立派なコナラを切って欲しいと頼まれたことがあります。
秋の風景を彩り枝ぶりが魅力的な広葉樹も、人家の近くでは厄介者扱いにされることがままあります。
春の花びらを思うと少々勿体無い気がしますが、思い切って切ることにしました。
桜はかなり家屋側に傾いているので、慎重にあたらなくてはなりません。
先ずは桜の周りの竹やアオキを片付け作業し易くし、チェンソーの目立てをしつつ枝の張り具合傾きを観察し、引っ張る方向を見定めます。
そして、チルホールで傾きとは反対側に引き倒すことにしました。
ところが追い口を切りチルホールで引っ張り始めたところ、ツルがねじ切れ引き起こす前に横方向に倒れ始めてしまいました。

ツルは間違いが起こらないようにと、7,8cmはとってありました。
慌ててチルで引っ張り、なんとか建物方向への倒れこみは防ぎましたが、危ないところでした。

間違いの原因は、傾きの正反対側ではなく多少倒れる方向に引っ張ったため倒れ始めると張力が弱まったこと。桜の木の粘り強さを過信し捩れる力を過小評価したことにあると思われます。
まだまだ支障木伐倒への慎重さが足りません。
勉強になりました。
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新しい現場と林分調査 (10月29日)

2011年11月01日 | 間伐

先週、「土岐川・庄内川源流森の健康診断」の間伐体験を行う予定だった現場に入りました。
ここでこれから「森と暮らし隊」の研修の仕上げを行う予定です。
ここは野井生産森林組合の管理地ですので、組合長の小栗さん立ち会いの元、間伐作業に取り掛かる前に林分調査を行いました。

その結果はこちら
ha当たりの本数は1100本、Srは18、樹高17.4m、混み具合は適正と過密の境界線辺り。
一度間伐をしていますのである程度の明るさは確保されていますが、下層植生が成長するほど十分な光は林内に届いていません。
特に目に付くのが林分形状比の94という値です。
かなりの線香林であるのが判ります。
そこで今回はha当たりの本数を800本まで減らし、林内光環境の改善と残存木の肥大を促すことにしました。
(Sr相対幹距グラフはこちら

作業は二手に分かれて行いました。

こちら、すっかりお馴染みの「森とくらし隊」チーム。
木の根元でなにやら思案げです。
伐倒方向と受け口の出来具合を慎重に見極めているところでしょう。
伐倒前に少々時間をかけても、掛木が回避出来ればその方がお得です。


秋も深まり林縁でウメモドキがきれいな実をつけていました。
やはり森には人工林のモノトーンの風景ではなく、色とりどりの風景がふさわしいですね。

帰り道のミズナラの枝のアーケードです。
日が傾くのが早く、撮影のタイミングを逃しました。

恵那山は今年も秋色に染まりました。
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