恵那森の学校3講座目は、山内邦夫講師による岐阜県恵那市上矢作町のアライダシ原生林での森林生態系学習でした。
出発時の雲行きは幾分怪しかったものの、最後まで雨には降られず快適な散策が楽しめました。
福寿の里ふれあいセンター駐車場での出発前のガイダンスです。
参加者は全員で20名でした。

車で30分程山を登り、大船山の風力発電所の先で車を降り原生林に向かいました。
原生林の入り口はここから少し下り、飯田洞から登ってくる林道の終点に当ります。
途中で見かけたキハダの色と樹液の苦味を味わいました。
森には香りや味が際立つ樹木が沢山あって次の出会いがいつも楽しみです。

堰堤上流の水際にモリアオガエルの卵を発見。
ここから原生林に入ります。

ミズメです。
樹皮はサクラに似ているのでミズメ桜とも呼ばれるようです。
小枝からはサロメチールの香りがします。

枯れた幹にアカゲラが空けた幾つもの穴があります。
枯れ木にも他の生き物を育む役割があります。

サワラとブナが一体となって成長しています。
ただ接触しているだけなのか、細胞レベルで一体となっているのでしょうか。

異型のヒノキです。
木の又の部分にリョウブが芽を出し育ち始めています。

倒木更新したヒノキ。
倒木を苗床に幾つかの苗が同時に育ち、複雑に絡み合っています。
長い年月途切れること無く続く命のリレーを感じます。

アライダシ原生林にはこの他にもブナやサワラの大木があり、数百年の樹齢と思われる様々な種類の樹木が生きています。
大きな木の生きる森は、樹木と比べれば短い寿命で大急ぎに喧しく生きている人間を優しく大らかに包んでくれる気がします。
3時間余りの散策は、心地良い疲れと充実した満足を与えてくれました。
しかし同時に、原生林に来る途中の尾根道から見えていた北側に広がる広大な森林の姿も目に浮かんで来ました。
20年程前、この旧中津川営林署の管理する恵那山を中心とした広大な森林をあちこち歩いた経験があります。
その10,000haにもなるという広大な森林のほとんどは幼い人工林で、峠道からはあちらこちらに地肌むき出しの崩壊地が見えていました。
林道も落石や花崗岩が風化した砂で塞がれていたり、流水で深くえぐられたりした箇所があちこちに見られました。
その荒涼感さえ漂っていた森林とこのアライダシ原生林の印象があまりにも違います。
ひょっとするとアライダシ原生林は周りの森林に取り残された絶滅危惧種のような存在なのかもしれません。
広大な国有林の片隅に奇跡的に残されたたった10haの原生林の周りに、死に絶えた9,990haの広大な原生林が横たわる姿が目に浮かびます。
こうなった理由は一体何だったんでしょう。
これからどうすればいいのでしょう。
との問いがいつまでも頭から離れません。
心地良い散策の後には、微かな苦々しさが残りました。
出発時の雲行きは幾分怪しかったものの、最後まで雨には降られず快適な散策が楽しめました。
福寿の里ふれあいセンター駐車場での出発前のガイダンスです。
参加者は全員で20名でした。

車で30分程山を登り、大船山の風力発電所の先で車を降り原生林に向かいました。
原生林の入り口はここから少し下り、飯田洞から登ってくる林道の終点に当ります。
途中で見かけたキハダの色と樹液の苦味を味わいました。
森には香りや味が際立つ樹木が沢山あって次の出会いがいつも楽しみです。

堰堤上流の水際にモリアオガエルの卵を発見。
ここから原生林に入ります。

ミズメです。
樹皮はサクラに似ているのでミズメ桜とも呼ばれるようです。
小枝からはサロメチールの香りがします。

枯れた幹にアカゲラが空けた幾つもの穴があります。
枯れ木にも他の生き物を育む役割があります。

サワラとブナが一体となって成長しています。
ただ接触しているだけなのか、細胞レベルで一体となっているのでしょうか。

異型のヒノキです。
木の又の部分にリョウブが芽を出し育ち始めています。

倒木更新したヒノキ。
倒木を苗床に幾つかの苗が同時に育ち、複雑に絡み合っています。
長い年月途切れること無く続く命のリレーを感じます。

アライダシ原生林にはこの他にもブナやサワラの大木があり、数百年の樹齢と思われる様々な種類の樹木が生きています。
大きな木の生きる森は、樹木と比べれば短い寿命で大急ぎに喧しく生きている人間を優しく大らかに包んでくれる気がします。
3時間余りの散策は、心地良い疲れと充実した満足を与えてくれました。
しかし同時に、原生林に来る途中の尾根道から見えていた北側に広がる広大な森林の姿も目に浮かんで来ました。
20年程前、この旧中津川営林署の管理する恵那山を中心とした広大な森林をあちこち歩いた経験があります。
その10,000haにもなるという広大な森林のほとんどは幼い人工林で、峠道からはあちらこちらに地肌むき出しの崩壊地が見えていました。
林道も落石や花崗岩が風化した砂で塞がれていたり、流水で深くえぐられたりした箇所があちこちに見られました。
その荒涼感さえ漂っていた森林とこのアライダシ原生林の印象があまりにも違います。
ひょっとするとアライダシ原生林は周りの森林に取り残された絶滅危惧種のような存在なのかもしれません。
広大な国有林の片隅に奇跡的に残されたたった10haの原生林の周りに、死に絶えた9,990haの広大な原生林が横たわる姿が目に浮かびます。
こうなった理由は一体何だったんでしょう。
これからどうすればいいのでしょう。
との問いがいつまでも頭から離れません。
心地良い散策の後には、微かな苦々しさが残りました。