NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

森の健康診断リーダー講習 (9月24日)

2014年09月30日 | 学習
第10回 庄内川・土岐川源流の森健康診断では中部大学の学生さんがリーダー、サブリーダーを勤めます。
その学生さんのための講習が春日井市の中部大学で開かれ、そこで少し話をする機会がありました。
夕方でおまけに雨も降っていてキャンパスに人影はまばらでしたが、何十年ぶりかで入った大学キャンパスや教室の雰囲気に郷愁を感じました。
しかし、60人程の大学3、4生の皆さんの中にはリクルート活動を終えて戻ったスーツ姿の学生さんも混じり、甘い郷愁は直ぐに学生生活の現実の厳しさに引き戻されました。
私が行った講習のタイトルは「森林の現状とこれから」でした。
タイトルは堅苦しそうですが、内容は今までの活動体験で得た知識と感想をまとめた感想です。
さて、学生の皆さんのお役に立てたでしょうか。

その時使ったパワーポイントの資料はこちらです。
講習P.P資料

追伸
現地での実技講習は、10月4日に行われます。
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名古屋熱田RAC間伐講習 (9月23日)

2014年09月30日 | 学習
名古屋RAC(ロータアクトクラブ)の皆さんを迎えて、森の入り口で間伐講習を行いました。
8人の参加者の内6人は何度かこうした活動に参加していましたので、今回は森でゆったりとした時間を過ごしてもらうことを主眼にしました。
そこで、最初にしたのは焚火です。
リーダーを決め、その下で全員が焚き付けを集めて火を熾してもらう事にし、多分若い皆さんは火を熾す体験などほとんど無く手こずるのではと思って見ていると、あっさり火は熾りました。
これは意外でした。


火を安定させるまで自己紹介やら我々の活動の説明をし、その後森を少し巡りました。

河原ではもう少し前なら裸足で水の冷たさを感じてもらえましたが、今は少し手で触れるだけです。
今年の夏は夏らしい晴天が続かず、残念ながら水辺の出番はほとんどありませんでした。
水辺を楽しむのは来年に持越しです。


ほおずきを見つけました。
今森では次々に秋の実りが見つかっています。


午後からは森の入り口南端で間伐を行いました。
水平の感覚と切り口を一致させるのが難しいようです。


梯子を上ってロープを掛けるのも、初めての場合には少し難しいようです。
事前に下でロープを潜らす方向を確かめていても、上に行くと迷ってしまいます。
簡単そうなのに難しい。
どんな事でも体験しないと解りません。


間伐体験は15時無事終了しました。
参加者の皆さん、森での一時を楽しんでもらえましたか。
次は、間伐材を使って簡単な木工をしてみましょう。


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中央アルプス宝剣岳、空木岳縦走 (9月20日、21日)

2014年09月28日 | 遊び
中央アルプスを宝剣岳から空木岳まで9月20日、21日と1泊2日で縦走しました。
初日は駒ケ岳ロープウエーを使って標高2630mの千畳敷駅まで一気に上り、そこから6時半に山登りを開始しました。

千畳敷から振り返ると南アルプスの勇姿が目に入りました。
中央が甲斐駒ケ岳、右手に仙丈ケ岳です。


出発して直ぐの宝剣岳への登り。


宝剣岳から見たこれから進む従走路。
正面少し左手の尖った部分が空木岳頂上。


通過した宝剣岳の岩場。


従走路に入り、中央アルプスを形作る領家花崗岩の特異な景観を発見。


従走路約半分の位置にある檜尾岳避難小屋。


檜尾岳から見た空木岳。
近そうに見えて実は遥か彼方。
既に少々バテ気味。


木曽殿山荘に到着したのは薄暗くなり始めた17時。
1日目の縦走は、6時半から17時までの11時間半でした。
簡単そうに見えた従走路は、実は沢山のアップダウンと歩きにくい岩場の連続の難路でした。
良い経験になりました。

夕暮れになり、夜の闇が濃くなるとたちまち空には星々が瞬き出しました。
南の低い位置には3つの赤い星が光っています。
多分、アルタイル、火星、土星でしょう。
天頂には天の川と夏の星座の白鳥座、こと座のベガ、わし座のアルタイル。
夜中には冬の星座のオリオン座が高く上って来ました。
夜明けには暗闇にナイフの先で傷を付けた様な細い月。
山上でしか見られない天空ショーが、一晩中遥か彼方で静かに繰り広げられました。
満天の星に出会えるのも山登りの楽しみです。

夜明け前の南アルプスと空木岳の斜面です。
快晴の朝です。


朝6時、空木岳に向かって出発。
後方が木曽殿山荘です。


空木岳頂上。
後方左に見えるのが御嶽山。


空木岳頂上からは360度の展望が開けていました。
その一部、左手に浅間山、八ヶ岳、右手に甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳、北岳。


頂上少し手前から岩場の向こうに富士山。
富士山と重なるように手前に南アルプス塩見岳。


下山途中の駒石。
これも領家花崗岩の特異な景観。


そして21日14時無事下山。
今回も天気に恵まれ天空の散歩が楽しめました。
1日目の予想外の難路に悩まされ、木曽殿山荘では一つの布団に2人という超混雑に寝不足になり、下山では膝を痛めて苦しむといったちょっとした困難には出会いましたが、おおむね快適で順調な山歩きでした。
今年の夏山登山はこれで終了。
秋から冬にかけては低山で来年に向けてのトレーニングです。

このブログを書いている28日の時点で御嶽山噴火の犠牲者31人が確定しているようです。
縦走中に寄り添うようにずっと見えていた御嶽山での出来事が信じられません。
10月には日帰りで御嶽山に登ろうかと話していたので更に衝撃です。
犠牲者に自分が含まれていた可能性もあったでしょう。
今は犠牲になられた皆さんのご冥福をお祈りします。
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秋晴れの恵那森の学校 第5講座 (9月14日)

2014年09月17日 | 学習
恵那森の学校第5講座が開かれました。
5月から月1回のペースで開かれた森の学校はこれでおしまい。
来月は10月19日の森の健康診断本番を迎えます。
今回は「生物のつながり」をテーマに山内講師の自然観察でした。

鍋山の麓の田んぼのあぜ道では彼岸花が盛りを終え、秋も深くなって来ています。


中部大学グラウンドに集まった参加者です。
この日はグラウンドで高校生のラグビー大会があるようで、愛知、三重ナンバーの車が次々と集まっていました。
写真に写っている車のほとんどはラグビー関係者の物です。


山内講師の概略説明です。
これから行く鍋山が後方に見えています。


鍋山の尾根に上って最初に出会ったのは、ナラ枯れで枝だけになったミズナラの枯れ木です。


昨年枯れ始め、1年で完全に枯れてしまいました。


道端にはツリフネソウの小群落。
大きな蜂が蜜を吸いに来ていました。


更に道伝いに、ウリカエデ。


その他、ツノハシバミ、ユリノキ、エゴノキ、オオウラジロノキを観察しました。
オオウラジロノキの実は小さな梨のようですが、梨の味が微かにしながらも渋くて食べられません。
道を外れて森に入ると地上には色々なキノコが顔を出していました。
ここでは植物にとって大切な光合成では作れない窒素化合物を菌紺菌が作り出す仕組みを学びました。
植物を区別出来て名前が判ると、森では沢山の不思議に出会えます。
しかし、悔しいことになかなか植物の名前が覚えられません。

午後から湿原を観察しました。
東農の山地には小さな湿原が沢山あって、独特な生態系を営んでいます。

湿原へ向かう途中に今年の大雪で破壊された人工林を通りました。


細すぎるヒノキが雪の重さに必死で耐えようとしたのでしょう。
それでも途中で折れてしまったヒノキも沢山あって、差し込むようになった光の下に妙な明るさと荒廃の気配が漂っていました。




光がたっぷり差し込むようになったこの森は、急速に元の自然林に戻って行くことでしょう。
この荒れ果てた人工林の姿からは、人にはお荷物になってしまった人工林をいささか乱暴な力で自然が自分の物として取り戻す意思のようなものを感じて考えさせられます。

湿原では食虫植物のミミカキソウやミカワシオガマを観察しました。
説明を聞く参加者の帽子には、アキアカネも羽を休めにやって来ました。
(帽子の左の日が差している部分の真ん中辺りです。)


身近な森の中をたっぷりのんびり一日歩き学び、森の学校は15時に無事終了しました。
運動の程良い疲れと学んだ興奮が、心地良い余韻として残りました。
これでまた少し、森の仲間に近付けたような気がします。

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民家の裏山間伐作業 (8月31日)

2014年09月04日 | 間伐
8月最終日の31日に、佐々良木の民家の裏山で間伐作業を行いました。
今回の間伐現場はなだらかな丘陵地にある民家の裏山で、恐らく以前は自然林として薪炭材やホダギの供給源だった所です。
それが戦後の植林で人工林に変わり、過疎化や高齢化で手入れがおぼつかなくなり、風通しや日照が遮られて民家の環境が悪化していました。
佐々良木の民家に隣接した平坦な裏山は多くがこうした1年中薄暗い人工林で、のどかな田園風景を損なっています。
こんな風景は恐らく日本全国に広がっていることでしょう。
人工林の手入れは、人里は慣れた山間部より先ずはこうした民家に隣接した森林で行うべきかもしれません。

竹もかなり進入しているので、先ずはその片付けから始めました。
竹も利用価値はあるのですが、上手く利用出来ていないと森林の多様性を阻害します。


アマガエルが驚いて、かわいい姿を見せました。


民家の近くのスギを倒し、森に光と風を入れます。
充分利用出来るスギ材ですので、何とか運び出したいのですが。


倒す方向が限られている時にはやはりロープでコントロールするのが確実です。


昼休みの一時。


話題はやはり今年の夏の異常な多雨や災害です。
原因は地球温暖化で、海水面のみならず深海の温度をも上昇させ始めたこと。
最近記録的なという気象現象が加速度的に増え始めた事は何を意味しているのだろう等と盛り上がりました。
でも、持ち寄ったフィンランド土産のチョコレートやお菓子をいただき、キャンピングストーブで沸かしたお茶を飲み、家族旅行で行ったハワイの話等で、のんびり去り行く夏の思い出話も楽しみました。

午後も間伐作業を続け、一旦森の入り口へ戻り、蚊取り線香代わりの焚火を囲んで道具の手入れをし、15時には解散しました。
久しぶりに前腕部が痙攣を起こすほど疲労しました。
これから体を動かすには気持ちの良い季節になります。
体力を維持するためにも、原点に戻って間伐作業を積極的に続けたいと思います。
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