NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

佐々良木間伐(4月25日)

2010年04月29日 | 間伐
佐々良木の新しい現場で間伐作業を行いました。
車を降りて代掻きの始まった田を抜け、竹薮に覆い尽くされた田を10分ほど上った所にある傾斜の緩やかな山林です。
斜面の下方に石垣の痕跡が少し見られますので、ここの一部はかつては畑か水田だったのでしょう。
林齢は30年程、日当たりのいい境界の木を除けば胸高直径は10cmから20cm、樹高12m程です。
樹冠の様子です。


二人で二手に分かれ、ただひたすらに木を切りました。
久しぶりに木を切る事だけに集中しました。

林の真ん中辺りにあった枯れた松の大木を切り倒したところです。
大きなギャップが出来上がりました。
熱さを感じるようになった日差しがたっぷりと降り注いできました。

午後からもひたすら間伐を続け、腕が悲鳴を上げ始め、握った指が痙攣して開かなくなり、チェンソーの燃料が切れたところで作業を終了しました。
後は全体のバランスを確認しながらの作業でここの現場は終了です。

山から出て来た所にあった満開のハナモモです。

その根元になにやら青い花が咲いているようです。
近づいてみると


ムスカリ(ブドウヒアシンス)でした。

山桜も満開です。


春の気配に満ちた気持ちのいい一日でした。


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集材のつもりだったのに(4月18日)

2010年04月22日 | 間伐
三郷の里山の間伐材がある程度まとまってきたので、トラックに積める所まで集材する事にしました。
ヒノキ中径木4m物もいくらかあるので、「引っ張りだこ」の力を借りる事にしました。
しかしこれが予想外に大変な作業になりました。
里山ですから集材距離はほんの30m程、緩やかな下り。
一見楽そうな現場です。
しかしこの緩やかな下りが曲者でした。
緩やか過ぎて材が自重では動かない。
材がしばしば障害物でつかえる。
「引っ張りだこ」のワイヤーを持ち上げるのに、緩いといって何度も斜面を登り下りしなくてはならない。
これがとても大変で、作業を始めるとあっという間に疲れきってしまいました。
結局計画の半分も集材出来ないまま終了としました。
改めて集材の大変さを実感しました。
教訓!!
人力集材なら、シュラ等の準備作業をきちんと行なう。
思い切って軽架線や林内作業車等の機械力を導入する。


午後からは気を取り直して、見通しを良くするために水路沿いを間伐しました。

林内がかなり明るくなって来ました。
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小川の源流散策(4月17日)

2010年04月20日 | 森林
先日の農作業でまだ播いてなかったトウモロコシとエンドウの種蒔きをしに中野方の畑に行きました。
種蒔きを終わってまだ時間があったので、前から気になっていた畑の横を流れる小川の源流を訪ねてみる事にしました。
森に入ると直ぐ沢は二手に分かれ、地図上では主流の右手の沢を辿ると意外に荒れています。
根を洗われた直径10cm程度のスギ、ヒノキが、両側の急斜面から谷を塞ぐように交互に倒れこんでいて、前進を阻んでいます。
しかし、ミズゴケの付具合や倒木の腐敗具合を見ると谷の荒れようは最近のものではないようです。
谷を進めないので、急斜面を尾根まで上ることにしました。
滑落しそうな急斜面は、下層植生の少ないスギの多い人工林で、中腹にはミヤマシキミの群生を見つけました。


更に上ると、頂上近くでコウヤマキの幼樹の群生に出会い中心には胸高直径80cm程の母樹が聳え立っていました。

しかし、母樹は何年にも渡って種子を散布し続けてきたはずなのに、どうして同じ林齢の幼樹しか見当たらないのでしょうか。
実生から育つのに驚くほど時間がかかっているのか、森の環境が刻々と変化していてある年の種子のみが特別に育ったのか、いづれにしろ何か秘密が隠されているようです。
近くには大きな松も残っています。
この辺りは秋にはキノコ狩が楽しめそうです。

帰りには左手の沢の少し上流に降りてみました。

こちらの沢のほうが水量が豊かです。
次はこちらの上流を訪ねてみます。

豊かな水の流れる小川の上流は、思っていたほど自然林が広がってはいませんでした。
間伐の遅れた人工林もあります。
しかし人の手は入っていませんが、ある程度自然に人工林内の淘汰が進んでいる気配です。
ひょっとすると、今の手入れの遅れた人工林でも、数十年の年月で自然淘汰によってある程度の環境の改善が計られるのかもしれません。
今人工林の間伐の遅れが声高に叫ばれ対策に膨大な補助金が注ぎ込まれていますが、林業を離れて森林の環境改善を考えるなら、緊急の対策を求められる水系以外の人口林は放置して置いた方がいいのかもしれません。
いづれにしても国有林、民有林の区別無く水系毎の森林調査と環境対策を一元的に作成し、人の手が必要な人工林には金だけではなく多くの人の力を注ぎ込んで手入れが必要でしょう。
人の時間スケールでは見えてこない森の大きな動きを、もっと理解する必要がありそうです。
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畑が足りない!!(4月11日)

2010年04月14日 | 自然農

朝の恵那北中学校前の湖のような木曽川に映る桜です。

天気が安定しません。
今朝も名古屋方面では雨が降っていたようです。
ここ中野方では曇り空でしたが、雨をまったく予想していなかったので、一宮からやってくる塾生から雨でも塾は開くのかと問い合わせがあった時には驚きました。
屋外作業は天気次第ですので、これからの雨の多い季節は天気予報に一喜一憂する事になるでしょう。

さて今回はサトイモの植え付け、チンゲンサイ、トウモロコシの種蒔き、そして鈴村さんからもらったネギの植え付けを行ないました。






今日は小さな塾生が参加しました。

苗や種は塾生が夫々用意するのですが、それを全て植えるとどの位の面積が必要になるのかまったく考えていませんでした。
おまけに鈴村さんに苗までもらうものですから、今回で早くも畝上げした畑が足らなくなりました。
そこで強力な助っ人、トラクターの登場です。
鈴村さんが我々の状況を見かねて急きょ川向うの自宅から運転して来てくれました。
流石、機械の力は強力です。
あんなに苦労したクズの根を、あっという間に堀上げてしまいました。
しかし、葛の抵抗も手強く、ローターに葛の根が絡まり何度もトラクターを止めて取り除かなくてはなりませんでした。



これでしばらくは毎回の泥縄式畝上げ作業が少しは楽になりそうです。
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お久しぶり(4月10日)

2010年04月12日 | 間伐
久しぶりに女子大生の西田さんが間伐作業に参加してくれました。
この春大学4年生になり、たまたま運悪く就職氷河期と言われる状況にめぐり合わせて、現在就職活動で慌しい合間を縫っての参加です。


プラロックで掛木処理中です。
中野方のヒノキは特別に粘りがあるようで、伐倒木の樹冠が他のヒノキの樹冠をかわしきるまで引き倒すのにかなりの力が必要になります。
牽引作業は我々でもたいてい途中で一度休憩が必要になります。


次は作業を交代して。


久しぶりの伐倒は少々追口の位置が・・・

今日の現場は傾斜が急なため、足にかなりの負担がかかりました。
決して弱音をはかない西田さんも、午後には流石に疲れた様子でした。
本当にお疲れ様でした。
このパワーと根性で、就職氷河期など蹴散らして真っ直ぐに進んで行って下さい。

帰り道、終わりを迎えつつある桜をあちらこちらで見つけました。

これ位針葉樹と広葉樹が交じり合う森がいいですね。
新緑ももう直ぐです。


静かな木曽川にきれいに橋が写っていました。
左にある桜の形が目を引きます。


アップで写してみました。



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鶯、蛙、そして桜 (4月4日)

2010年04月06日 | 森林
町外れの南側斜面の小さな雑木林で鶯の鳴き声が聞こえてきました。
隣接する湿地に変わってしまった田圃では、蛙の声が盛んにしています。
数年前に見たときよりコナラやサクラやホウの木が大きくなり、ササが勢いを失って林内の見通しが良くなっています。
人の手から離れたこの里山は、春の陽に暖められて何だか微笑んでいるようです。
春が今年も巡ってきました。

奥深い山里でもようやく桜が満開の時を迎えました。
上矢作の山里の桜です。



人混みや喧騒から遠く離れてまだ冷たい風の中でさりげなく華やかに咲き誇っています。
山からの雪解け水で増水した川からの水音だけが谷にこだましていました。
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