NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

第2回熊森間伐講習 (5月21日)

2011年05月24日 | 間伐
熊森名古屋のメンバーを迎え、2回目の間伐講習を行いました。
場所は前回と同じ鍋山です。

1ヶ月前は日当たりの悪い林内が寒くてゆっくり休んでいられなかったのに、今回は暑くて林内の日陰で昼休みを過ごしました。
名古屋では今年初めて最高気温が30℃を超えました。
この時期は気温の変動が極端過ぎます。
雪が懐かしい!!

今回の参加者は女性3人、男性2人の計5人。
森造隊は加藤さん、横井さん、森岡の3人。
おかげで一人一人の実習時間がタップリ取れ、充実した実習となりました。
今回の間伐講習で強調したのは、小径木の正確な伐倒です。
小径木は軽いため掛かり木になり易く、切り口の修正も困難で、作業には正確な切り口が要求されます。
今回は受講生に樹冠を倒す方向の狙った方向からの誤差は、10cm以内を要求しました。
狙った方向に正確に倒せれば掛かり木を回避出来、作業が安全で楽になります。
そのためにも、まずは雑な切り方が直ぐ分かる小径木伐倒で正確な技術を身に付ける必要があります。

一日中同じ作業と同じ注意点の強調を繰り返しました。

講習会の前にこの冬テーブルを作成した現場に立ち寄りました。
その時一日中氷に覆われていた池の辺では、ハナショウブが咲き誇っていました。


枯れ枝しかなかった雑木林は新緑に覆われ、ホウノキにも葉が茂りだしました。

このホウノキはもう少ししたら切り倒す予定です。
葉が採り易い様に低い位置で萌芽更新を促すためです。
とは言っても、育ち盛りの木を切り倒すのには抵抗があります。
罪滅しに、木の性質を学び、葉と材は出来るだけ利用するつもりです。
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初夏の野良仕事 (5月15日)

2011年05月18日 | 自然農
中野方の畑に皆が集まりました。
横井さん夫婦、天野さん、一木さん、青島さん、杉岡さん、鬼頭さん、水野さん、森岡で総勢9人。
滅多にこれだけの人数が集まることはありません。

午前中はのんびりわいわい賑やかに畑作業に汗を流しました。


ゴボウが芽を出しました。
初めて見ました。こんな姿だったんですね


青島さんと杉岡さんは、今年もピーナッツの苗を植えました。

昨年は私が間違って苗を抜いてしまったり、イノシシにやられたりして収穫できませんでしたが、どうしても自分で収穫したピーナッツをつまみにおいしいビールを飲みたいという両人の執念です。
私は今度は絶対間違いを犯さないつもりですが、イノシシはどうでしょう。

暖かくなってきたので、掘っ立て小屋で夏の夜を過ごすのも楽しいかもという話になり、名古屋科学館の新プラネタリウムの話題で盛り上がっていると、実は天文クラブ友の会の会員だと横井さんが告白して皆の羨望の眼差しがいっせいに注がれました。
会員はかなり楽しそうです。
話している内に、ここでも夏の夜の星を見る会を開きたくなってきました。

午後は鈴村さんの竹薮に移って筍を掘りました。


イノシシの被害で半ば収穫をあきらめていましたが、たくさんの目で探したおかげか人数分ぐらいは収穫出来ました。
取れたてを早速庭で茹で上げ、


茹で上がりをまゆみさん秘伝のたれ(五平餅にも使う、みりん、醤油、砂糖、ピーナッツ、ゴマ等で出来たたれ)で試食しました。
たれと筍の相性は抜群でした。


茹で上がった筍は山からの湧き水で冷まし、鉈を使って切り分けました。


樹齢100年を超える梅の老木には、実が沢山生っていました。
例年50Kgの梅の実が収穫出来るそうです。
この木で取れた梅から作った梅干を帰りに頂きました。


自然の恵みを利用し、身近な道具で工夫すると普段眠りかけている好奇心と想像力が刺激されます。
野良仕事は、知恵と体力を使い、汚れていない空気と太陽と水を吸収し、頭と体をリフレッシュ出来る実益を兼ねたエクササイズですね。
まだ体験していない皆さんには、野良仕事を是非お勧めします。

今回も何時もの様に鈴村さんに場所と道具を気持よく提供して頂きました。
この場を借りてお礼申し上げます。


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再生 (4月30日~5月8日)

2011年05月12日 | 遊び
皆さん、連休中は野山で自然の息吹を堪能したでしょうか。
日本のこの4月から5月にかけての連休は、実に絶妙なタイミングの連休です。
場所によっては冬から春への移り変わり、また他の場所では春から初夏にかけての移り変わりを短い間に体感出来る貴重な期間です。
もしこの時期にまとまった休日がなければ、一年中で一番目を見張る自然の営みを見過ごしてしまうかもしれません。
この時期に大型連休があるのは、もっと自然を味わえ学べという我々への天の采配でしょうか。

私事ですが、私の連休はこんな具合でした。
4月30日 恵那山登山。

黒井沢登山口が林道閉鎖のため11月まで使えない事を迂闊にも当日まで知らず、急遽富士見台登山口に変更。
ここですでに前途に暗雲。
それでも最初は元気一杯。

しばらく進むと徐々に雪も増えて来て、途中で引き返す幾人もの先行登山者とすれ違う。

そしてとうとう8合目付近からは雪がアイスバーンに変わり始め、ついに登山をあきらめ引き返す。
この直後から雷雨になり、霰も混じる。
遭難一歩手前の準備不足を反省。

5月3日 根ノ上高原散策
安部家族が恒例の喫茶店を開業。


しかし、予想外の寒さと曇天で人出はいま一つ。
ツツジも開花が遅れ気味。

水芭蕉やアセビは満開。




5月4日 支障木伐倒
住宅隣接ヒノキ支障木を頼まれ伐倒。
午後から3年前の間伐地に入り、追加で間伐。
ゆっくりではあるけれど下層植生の回復が見られ、少し胸をなで下ろす。

5月5日 畑に出かける
ジャガイモが芽を出し、先月あわてて蒔いたエンドウも葉を広げる。





枝豆の半分は鳥に食われてしまう。
ヤマブキが満開。


5月8日 鍋山で集材の手伝い
一人林業をしている加藤さんの現場で伐倒、集材の手伝い
生産性は大型機械を使う森林組合の林業には及ばないけれど、山を荒らさないという誇りと意地を見る。
この方法での林業の実際を見極めたい。


大胆に伐倒した8年ほど前の加藤さんの現場。

下層植生の回復が顕著。

森の環境に配慮した林業の利点は、優勢木を切る事が可能だという点でしょう。
倒した木の利用が前提にあるからです。
人工林の環境整備を進めるには、伐倒した木の搬出を抜きにしては語れないようです。

自然は1年という短い間に死と生を繰り返し、限りなく変化し続けます。
そしてどんな事があっても再生という希望が待っています。
今まではそうでした。
しかし、放射能はこの再生という希望を遺伝子レベルで根本から簡単に打ち砕きました。
原子力制御可能というのは、希望であって事実ではありませんでした。
今こそ根拠のない夢想やほしい答えだけを求め続けるのでは無く、苦い現実に向きあう勇気が必要です。
再生の希望を取り戻さなくてはなりません。
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