NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

森への入り口(6月14日)

2009年06月22日 | 森林
ベンチの納入が終わって隊としての活動はちょっと一休みしていました。
しかし個人的には時間が空くと、昨年一区切りついた鍋山の間伐現場に通っていました。
今年は空梅雨気味で6月に入っても雨の日が少なく、湿度と日射で夏の前触れのような積雲がよく見られました。
そんな日には田舎の恵那でも街中では暑さと湿気で耐え難いほどです。

そこで器材を車に放り込んで何も考えずに鍋山に出発します。
気楽に入れる森が近くにある田舎暮らしの利点です。
家から鍋山の現場まで車で20分程、標高差は400m程です。
いつもの場所に着き車から器材をテーブルの上に降ろし、ゆっくりと身づくろいしながら周りの木々の葉や空を見回し、音を立てないように鳥の声に耳を澄まして深呼吸すると、何度来ていてもここの空気の違いに驚きます。

なんとなく体調が優れなくて頭もすっきりしなかったのが、ここに来てしばらくすると意識がはっきりとし脳の活動が活発になり身体のだるさも消えてしまいます。
周りの木々が森の土から吸い上げて大気に放出する水蒸気や香りが呼吸から身体に取り込まれ、いきなり体細胞が目を覚ますかのようです。
森に入っただけで、自分の身体にこれほどの変化を感じるのはやっぱり不思議です。
森に入ればこうして何もしないでも充分に快適なのですが、積極的に身体を動かせば更に気持ちの良い時間を過ごすことが出来ます。
間伐や集材、山菜やキノコ探し、枝笛作り、木登り、ハンモックでの昼寝、木々の観察、焚き火、ベンチやテーブル作り、木削り、薪割り、道具の手入れ、水晶探しと色々思いつきます。

割り箸用のスギ丸太

行く場所が人工林だったらこの中でお勧めは間伐ですね。
間伐をしていると、森が息を吹き返すと同時に人も生き返る、そんなスケールの大きい感覚が味わえます。
この感覚がなかなか他では味わえません。
きっとこの気持ちよさは、森の再生に取り組んでいる人々を虜にしている秘密でしょう。

皆さんに森に入って他では味わえない不思議な快適さを味わってみる事をお勧めします。
そして皆さん一人ひとりが自分だけの取って置きの森への入り口を見つけてみてください。
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