今年度、出雲市立光中学校3年生と6回の対話型鑑賞の授業を行いました。6回の鑑賞の授業で鑑賞した作品は8点。すべての鑑賞活動が終了した時点で、「対話型鑑賞を終えて」ということで、アンケートと振り返りをしてもらいました。そのワークシートのまとめをお届けします。
対話型鑑賞作品 8作品の中から、「MY BEST 3」を決めてもらいました。1位に選んだ作品に3点、2位は2点、3位は1点として、17名の生徒の投票結果をまとめてみました。
第1位は33点GET「ひまわり」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
第2位は22点GET「四人の子等」草光信成
第3位は12点GET「道」東山魁夷
第4位は11点GET「切通しの坂」岸田劉生
以下
9点「椅子」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
9点「解放」ベン・シャーン
4点「慧可断臂図」雪舟
2点「立てる像」松本竣介
という結果でした。
6回目の最終回は「切通しの坂」「道」「立てる像」と3点を一挙に鑑賞したのですが、印象深かったようで上位に入りました。意外だったのが「ひまわり」です。対話型鑑賞の入門作品として鑑賞しましたが、初めてだったことと、友だちのコメントが新鮮だったようです。作品選定の理由も記述してもらいましたが、全員しっかりと理由が書かれていて、どの作品も記憶に残っていることが垣間見えました。
さて、このアンケートの次に
Q1.この鑑賞を行って、自分にどんな力がついたと思いますか?という質問をしました。全生徒の記述を掲載します。
◆初めは苦手でみんなの意見を聞いているだけでしたが、少しずつ自分の意見を言えるようになったし、みんなの意見を聞いてさらに自分の意見を考えることが出来ました。さらに、絵から感じることも考えれるようになり、絵を細かく見れるようにもなりました。
◆想像力と鑑賞するとき観察する力です。この絵は、どんな絵なのか、この絵にはどんな思いが込められているのか、想像したり考えたりすることは今までしたことがなかったし、考えたこともなかったのに、想像力が豊かになり、たくさんのことを考えられるようになりました。
◆一つのものを色々な視点からできるようになったと思います。
◆やはり一番は、深く考えるようになったと思います。今まで一度も春日先生と授業をするまで対話型鑑賞をしたことが無く、絵をじっくり見て考えることなどしてもみなかったです。鑑賞を始めてから、作者の考えや想いを考えるようになって、少し考えていけば、また疑問が生まれ、見つけたと思ったら、じゃあこれはどういう意味だ?と、どんどんつながっていって、たくさん考えさせられました。「分からない」と言って投げ出さず、考えていけるようになったと思います。
◆何回も書いているんですが、やっぱり「どこからそう思うのか?なんでそう思ったのか?」を自分から考えていけるようになったと思います。今まで自分にはなかった力がついたような気がしているし、それがこれからの自信になると思います。
◆対話型鑑賞の授業を行うまでは対話型鑑賞というもの自体を知らなかったし、美術の授業は自分が何かを作りあげるものだと思っていた。でも、この授業を受けているうちに絵画を見る目が変わっていったと思う。この絵はどんな状況なんだろうとか作家はどのような気持ちでこの絵を描いたんだろうなどとても考えさせられた。対話型鑑賞というあまりないことを体験させてもらって、絵に込められたメッセージを頭ではなく心で考える力がついたと思う。
◆絵を細かい所まで見て、こうだからこう思うというふうに根拠を立てて考えることができるようになりました。また、椅子を見たときに物はどのように読み取ればいいのか最初は分かりませんでしたが、古いことやまわりの景色などから色々なことが読み取れて良かったです。人物以外の物からも色々読み取ることができるとわかって、とても自分自身が成長したように思えました。鑑賞をしていろいろな力がついたと思いました。
◆この鑑賞法は、これまで自分たちが体験した絵を見て感じたり、考えたりするだけでなく、みんなで個人で考えたことや考えたことをシェアしあって考えを深めるというものでした。始めは自分の考えを言い辛かったですが、回数を重ねるうちに正解はないことが分かり少しずつでも発言できるようになりました。また、絵には何が描かれていて、それがどこからどんなところから分かるかや絵から感じる思いなど細かいところまで見て考えたり、感じたりすることができるようになりました。だから僕はこの鑑賞をして、発言力・思考力・感じる力・見る力などの鑑賞力がついたと思います。
◆絵を見て考える力がすごくついたと思います。絵を見て想像したりするのは、全然したことがなかったけど、授業をするにつれ、だんだんついてきました。
◆今までは絵になにも関心がなかったけれども、この学習をして少しずつ絵に関心をもつことができるようになっていって、とても良かったし、物を観察して見ることができるようになったので観察眼がついたと思う。
◆私は観察力がついたと思います。観察力があると絵を見るのが楽しくなります。私が特に好きなのはただリアルに描いたようなものではなく、パブロ・ピカソさんやゴッホ巨匠のようなものです。ただリアルに描くのは誰でも出来ますが、ボヤかしたり、何が何なのか分からなかったりするのは、描く本人しか表現できないからです。
◆約8回の対話型鑑賞の活動を行いましたが、自分にはものを見極める力と観察力がついたと思います。
◆今まで絵を見るというと色合いや絵柄しか私は見なかったのですが、鑑賞の授業をして、より細かいところまで見ることができるようになりました。また、今まで絵を描くときは雰囲気で好きなように描いていたのですが、意味を考えながら描くようになりました。
◆絵に関して最初、何も言われないので、見えるものから想像していったり、人の言ったことを聞いて違う視点からその絵を見てみたりして、これと同じように日ごろの物事をいろいろな視点で見ることができるようになったと思います。
◆普通の授業と違って、答えがないので、自分の意見が言いやすかったです。なので、発表することができて良かったです。あと、自分で想像したり考える力がついたような気がしました。私はふだん、あまり絵に興味をもって見ることがなかったけど、この授業を通して考えることができたので良かったです。
◆絵に限らず、古着などにでも、ここにくるまでに、前の持ち主に大切に使われてきたのかな、こういう思いが込められたりするのかなといった風な、想像力が身についたと思います。
◆見る力と感じる力が身についたと思う。
次に
Q2.すべての鑑賞を終えて、思ったことを自由に書いてください。ということで記述をしてもらっていますが、このまとめは次回にしたいと思います。
では、久々のブログUPでした!!