ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

夏季研修会の会員の振り返りをお届けします!!

2015-09-12 09:09:35 | 対話型鑑賞


みるみる夏季研修会ふりかえり
房野伸枝
「対話型鑑賞を体験してみよう!」で、中学校の先生方のグループでデモンストレーションのナビをさせていただきました。さすが、美術科の先生方だけあって、ナビの力量以上に鑑賞が進んで、思いもよらないリッチな対話になったと思います。その後、2人の先生が後半のナビを引き継ぎ体験。意欲的なお二人に拍手!ナビゲーションはいろいろ心配するより、やってみるべし!この先生方もきっと2学期から、授業実践されることでしょう。10月には私もお隣の小学校で鑑賞の出張授業に出掛けます。小学生を対象にするのは初めてなので楽しみです!この研修の成果を生かしたいな、と思います。
私は講師の北野さんのレクチャーで「ナビは鑑賞している人を鑑賞する鑑賞者である。」という言葉に大いに納得。ナビが作品や鑑賞者に振り回されることなく、対話のキャッチボールをコントロールするには、この視点がポイントなんですね!対話型鑑賞は美術という枠を超えた、今、話題の「アクティブ・ラーニング」・・・これは、学校の教育活動に取り入れない手はありません!
スタッフとして研修中の様子を見ていましたが、印象的だったのは「ブラインドトーク」「鏡の世界」のワークショップをしている時のみなさんの表情でした。誰もが笑顔で好奇心いっぱいの子どものように純粋に楽しんでおられました。ここにも学びの原点を見た思いでした。それをうらやましく眺めつつ、2日目の「日用美術館」(ナイスネーミング!)はみるみるスタッフも一緒に思い切り楽しみました。これは、学級の基盤づくりのワークショップにもなるな、と実践への思いは膨らんだのでした。
講師の北野さん、いつもたくさんの学びをありがとうございます。今回は出雲市、安来市の先生方もたくさん参加してくださり、対話型鑑賞の魅力を伝えられてうれしいです。来年もやります!ぜひご参加をお待ちしています。


るみる夏季研修会をふり返って
 金谷直美

 「Everyday everywhere お母さん」こと、みるみるのかねたにです。自分が実際に参加した2つのワークを中心に、この研修会をふり返ります。

・その1、「1人で40分<みんなで20分」:17日午前 対話型鑑賞の実践
 私は、小学校チームのナビのデモンストレーションをさせていただきました。参加者のみなさんからは、お互いに「なるほど!」というような意見がたくさん出て、それを聴きあいましたね。またナビに挑戦してくださった2名の先生方は、意見の大切なところをまとめながら、ていねいに聴いておられましたね。さすがです!無茶振りにもかかわらず、チャレンジしていただき、ありがとうございました。
さて「蘭亭曲水図屏風」ですが、私は事前に一人ACOP(美術館などで、一人で対話型鑑賞をすること)していました。おじさんたちが数える度に増えたり、蓮の花だと思っていたものが実は違うものだったりと、新たな気付きや考えにたくさん出会うことができました。立ったりしゃがんだり、左右にうろうろしたり、鼻の頭がガラスにつかないように気をつけながらみていたら、あっという間に40分が経っていました。子どもたちと一緒に、この屏風の中に入って探検するように、この作品のよさやおもしろさを、鑑賞者(参加者)のみなさんと味わうことができたらいいな、そんな思いも持ちながらナビをしました。
この作品を、みなさんと一緒にみた後「ひとりもいいけど、みんなとだともっといいなぁ」と、いうことを改めて感じました。一人では、「大切なところに赤がある」なんて気がつかなかったし、キャプションの情報よりも人が多く描かれているということから、「重要な人と、そうでない人がいるのかもしれない」だなんて、考えてもみなかったことですから。そんなすてきな意見が出たのに、自分のナビを振り返るとそれらを生かしきれていませんでした。もしも、「ほぅ!重要な人って?その人はどこにいるんだろう?どこから、そう思うの?」などなど、もう1歩踏み込んできいていたら、もっとこの作品を深く味わうことに繋がったのではないかと思いました。踏み込み力を付けるために、今日から四股を踏む練習を始めようと思います。・・・失礼しました。踏み込んできいていくことができるように、やはり「聴く力」に磨きをかけていきます。
「エリーズ嬢の肖像」では、話題の中心は少女の感情についてでした。17日午後の講義で北野先生がおっしゃっていたことばですが、「他の見え方の可能性が必ずあると常に意識して『みる』」ということができるようなナビをしていけば、より豊かな対話をすることができたように思います。そのためには、まず自分が「あの女の子(エリーズ嬢)のこと、みんな不安そうとか言ってるけど、ホントかなぁ。他の見え方や考え方があるんじゃないかなぁ」と、ちょっと斜に構えてみるというか、考え方に余裕を持たせることができたら、多面的に物事をみることができるのではないかと思います。そうしたら、まじめで一本調子な私でも、ナビに余裕が出て、より広く深く作品を鑑賞者のみなさんと味わうことができるのではないかと思いました。

・その2、「うち、掘り下げ下手やなぁ」:18日午前 日用美術館
 「Everyday everywhere お母さん」というのは、私の筆箱の中身とそれらにちなんだ私の話をもとに、ペアになったTさんがつけてくれた、私のニックネームです。いい名前でしょ。
 このワークでも、「あ、何で黒なんだろう?」などなどと、インタビューする時にTさんにもっときいておけばよかったということが、あとからわいてきました。私は話を受け取るのはできるけど、それをよくみて、聴いて、感じていないなぁ。掘り下げ下手というか、やはり踏み込み下手な自分がいるなぁということに気が付きました。
 それとこの「Everyday everywhere お母さん」というニックネームは、実はちょっと意外でした。でも、研修会が終わってから、自分の中を掘り下げていったときに「なるほどなぁ」という気付きがあり、そんな風に気付かせてもらえて「ありがたいなぁ」と思いました。違う視点からの自分を見ることができてうれしかったです。ジョハリの窓の一つから、心地よい風が吹いてきた、そんな感じがします。「日用美術館」のまとめの例として、人権教育などにも使えるということがありましたが、納得です。

・私のアクション宣言!
1.5日間の研修で、いくつもの自分への気付きがありました。また、「一人もいいけど、みんなとだったらもっといい」ということや、相手がいることのありがたさを感じました。私はこれから、このようなアクションをします。
「他の見え方の可能性が必ずあると常に意識して『みる』」ことをします!
そのために、これから私は2つのことをします。
1つめは、物事をみるときに、ちょっと斜に構えてみてみます。
2つめは、「なんでマン」になります。話や思いをただ受け取るのではなく、問いをもって1歩踏み込んでみることをします。
この二つを脳みそにおいて置くのではなく、実際に行動して身につけていきます。実は、私の今年のめあては「学びを筋肉に入れていこう!」なのです。

みなさんと一緒に研修をすることができて、またその中で新たな学びもたくさんあり、とてもうれしかったです。ご参加いただき、ありがとうございました。また、ご一緒しましょう!

房野さん、金谷さん、レポートありがとうございました。
次回は、私のものを掲載したいと思います。

さて、

季節は秋に変わりました。夏の研修の成果を実りの秋に実らせたいと思います。
愛媛県美術館の文化庁プロジェクトに関わったり、学び研東京大会にも出かけます。

また、会員の日々の実践をお届けしたいと思います。

皆様も、実りの多い秋になりますように・・・。
コメント
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