島根県益田市にある「グラントワ」は劇場と美術館が一緒になっている県立の複合文化施設です。11月28日、29日はそんな施設ならではのイベントがありました。
「絵から生みだす物語と音楽」
絵を見ながら、お話を作ったり、音楽を作ったりするというプロの方たちと一緒に、そのもと(・・)を作っちゃおう!というワークショップ・・・。<みるみるの会>が初日のお話しづくりに協力しました。普段からやっている対話型鑑賞を、石見美術館の収蔵品をスクリーンで写して行ったのですが、そこに、プロの活弁士・坂本頼光氏、プロのミュージシャン・小林武文氏(パーカッション)、鈴木広志氏(サックス)、大口俊輔氏(ピアノ)も参加されるという豪華版。一般の方(大人5名、小学生7名、中学生1名、みるみる会員5名)と一緒に2つの作品を鑑賞しました。
1作品目「真夏の港 」作者 山田 喜作 ナビゲーター:房野 記録:藤野
描かれたモチーフがたくさんあるので、まずは小さなお子さんから指名して気軽に「なにがあるかな?」と尋ねると、「洋服を着ているのに扇子を持っていて、後ろに松の木がある」「洋風だけど、和風のものもある」「椅子やひさしから、ここはカフェ」「遠くに大きな船が見えるから港町」「服や扇子や日傘から夏だとわかるし、避暑に来ている」「おしゃれしてカフェにいるっていうことは、男の人を待っているんじゃないかな」などなど、始めからとっても鋭い子どもたちの発見が!!そうこうしているうちに大人も負けじと挙手が続き、45分があっという間に過ぎました。それでも「まだまだ言い足りない!」と挙手を続ける子どもたちに「ゴメンね」と謝りつつ、「あとは、みんなの発表をもとに坂本さんにお話を作ってもらいましょう」と区切りをつけたのでした。
いや~本当に楽しかった!みんな、ほんとに初めてなの?というくらいに、しっかり見て、考えて、見つけたことを話してくれました。ありがとう!これをみるみるの藤野さんがホワイトボードに書きとめてくれましたが、子どもたち、結構それを見ながらも自分の考えをまとめている風でした。
2作目「ふたり」作者 広田多津 ナビゲーター:金谷 記録:正田
1作品目とは違い、人物二人の日本画で、人物以外のモチーフは少ないものの、よ~く見るとなかなか味わい深い作品です。事前のミーティングより画像が不鮮明なことが残念でしたが、それでもどんどん話がはずみました。子どもたち、全行程14時~16時30分という時間を、よく集中していたな~と感心しました。楽しい時間って、早く過ぎるんでしょうね、きっと。
後半はこれまで坂本さんたちが創作された話芸と音楽のライブを鑑賞。スクリーンに作品を映しながら、それをもとにした活弁と3名のミュージシャンのセッションがとっても刺激的でした。<みるみる>はアートを対話で味わう活動ですが、これに音楽が加わるとこうなるのか!と感動しました。企画された石見美術館の川西さん、すごいです!
2日目の「絵から生み出す音楽」も、初めての体験で、びっくりするやら、おかしいやら、本当に楽しいひと時でした。これについては、また。
1月24日には活弁と生演奏のギャラリートーク「名画をいろどる話芸と音楽」が展示室の本物の作品の前で行われます。今回、みんなが話してくれた内容が坂本氏の話と音楽家による楽曲にどう生かされるのか、今からワクワクします!
ぜひぜひ、皆さま、この機会をお見逃しなく!